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真実の愛 魔術
「魔術師でございます」
部屋の中にあの時の小男がいた。 彼女は事態が処理しきれずボウっとしていた。
警察は私と小男を取り押さえようとする。
呆けていて簡単に取り押さえられた彼女をよそにひらひらと宙を舞う埃のように捕まえられないでいた。
空気が粘度を持っているかのように素早くうごけずスローモーションのようになっていた。
異常を感じた場は緊張したまま止まり、水中のような空気の中素早く動けていた小男に注目が集まる。
小男は自分が何故ここにいるか、何故こんな事をしたかの一切の説明無く語る。
「彼女は間違い無く、この部屋の住人でございます」
「私が、彼女をこのような姿にしました」
全員が信じられないという顔をしているのに気がついた小男はその証明を始めた。
「疑っておられるようだ。 では、ここにおります彼女を本来の姿に戻しますね」
小男が ゥン!! という気持ちの悪いの発声と共に手を叩くと、醜い肉塊は本来の絶世の美女になった。