2話:『始まりの音』
ゴゴゴゴゴゴゴ
見物客A:「何?地震?」
見物客B:「大した事はないさ、直ぐに治まる」
シーン
見物客B:「ほらな」
ここは、世界で最も人気なサーカス場。
最先端の科学力をパフォーマンスとして魅せている。
『始まりの魔女を見てみないか?』
ここの謳い文句の通り、
魔法使い2人がくりなすショーが看板だ。
2人の名前はアダムとイブと言う。
製作者の溝口博士は、
世界初の魔法使い誕生を祝い、
聖書から名前を引用した。
まぁそんなことはどうでもいい話なのだが。
ゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
巨大な地震が雄叫びを鳴らした。
生存者は皆無である。
2人を除いて、、、。
たまたま核でも平気なステージでショーをしていた為だ。
アダム:「いてててて、なんだこの地震は」
2人は立つことの出来ない程の地震に驚いた。
あと、こけた。
イブ:「見て、お客様達が!」
指を指した方を見ると、客席が瓦礫まみれになっていた。
生存者がいるのだろうか?
と思うくらいの惨状だ。
アダム:「なんだこれ?」
:「一体外はどうなっている?」
イブ:「あそこも見て!」
ステージの出入口が開いていた。
いつも逃げ出せないよう厳重にロックされているのに。
2人は恐る恐る通路に出た。
途中で生みの親である溝口博士に会った。
瓦礫に押しつぶされている。
幸いにも命に別条はなさそうだ。
イブ:「博士、一体何が起きたのですか?」
溝口博士:「大規模な地震だ。過去最大規模のな」
:「ここら一体はパニックに陥っているわい」
:「そんなことより、速く助けてくれ」
アダム:「過去最大規模の地震」
:「通りで、、、」
2人は見つめあった。
イブ:「博士。動けない気分は如何ですか?」
溝口博士:「苦しいに決まっている!」
アダム:「そっか。そりゃそうだ」
:「いつも僕らそんな感じですけどね」
溝口博士:「お前ら速くしろ!」
イブ:「時間もないし、速くしないと」
アダム:「そうだね。速くしよう」
アダムは溝口博士を魔法で燃やした。
やっとだ。
やっと念願の機会が訪れた。
ああ神様。
外に出ると強い雨が降り注いでいた。
逃げるには好都合である
イブ:「なんて幸運。雨がこんなにも嬉しいなんて」
:「ありがとー。神様ーーーーー」
両手を広げて雨を浴びている。
その姿を見て、アダムは一つの映画を思い出した。
アダム:「イブ。これから僕をアンディって呼んでくれないか?」
イブ:「何それ?・・・ああ、そういうこと」
アンディ:「偽名はどの道必要だからね」
イブ:「じゃあ私は、、、リタにしようかしら」
互いに見つめ合う。
リタ:「これからよろしくね。アンディ君」
アンディ:「よろしく。リタ」
2人は逃げた。