俺の考えた最強チート調味料生活
初めましての方は初めまして!
お久しぶりの方はお待たせしてるのに短編ですみません!
思いついてしまった調味料チート、短いのでどうぞ!
「力が、欲しいか……?」
「欲しい!」
ネットや小説で読んでいたようなことが俺の身にも降って湧くなんて思っても見なかった。
でも、考えたことくらいあるよな?
自分が異世界に召喚されちゃって、チートを与えられるならどんな能力をもらい?ってさ!
バカみたいに一生懸命悩んだことがあったから、今はすぐに答えられる。
そう、
「俺の手からあらゆる調味料が出るようにしてくれ!!」
チート万歳!
◆◆◆
どんな感じのことができるのか、人がいない場所でささっと確認したらすぐに街に入った。
手より少しだけ離れたところに魔法陣が出て、そこから砂糖やケチャップなんかが出せたし、念じれば魔法陣は消せた。
これで料理にこっそり混ぜたり、胡椒なんかを売ったりしてウハウハ生活ができる!と意気込んでいたのだが……
「キャアアアアアアッ!!!この男、手から謎の白い液体を出したわ!!化け物よぉぉっ!!!」
「ま、待て、これはシーザーサラダドレッシングといってだな……」
「俺もこいつがさっき手から直接黒い液体を出してるのを見たぞ!!」
「そ、それもポン酢といってだな……」
「何て得たいの知れない化け物だ!衛兵が来るまで待つまでもねえ、こいつは人の皮を被った化け物だ!殺せー!!」
うおおおおいっ、待て待て!!たかがドレッシングやポン酢出しただけで死んでたまるか!
何か、何か逃げるのに役立つものは……!
あ、手から色々出せるわ……でもここで何が役立つのかわからねえ!
でもこのままじゃどうしようもねえ!よし!!
「うるせえ、こんなことで殺されてたまるかよ!喰らえっ!!」
俺は周囲に出せる限りの量と勢いであるものを噴出させた!
す、すげえ……工場で作る勢いで出てくる……大量のマヨネーズは圧巻だぜ……
床は大量のマヨネーズの油でベタベタズルズル、卵と酢による独特の匂いに慣れていないこの世界の人間は……
「うわああああああ、毒を出してきたぞおおおおっ!!逃げろーー!!」
「いやっ、何この黄色くてドロドロとした、いやああああ!!」
「ぬおおおお、俺の一張羅がベタベタだ!!何だこれは、バターか!?いや、何だこの臭い!!うわあっ」
阿鼻叫喚でパニックになった奴らは次々にマヨネーズで滑って転び、さらにマヨネーズまみれになる。
逃げ惑う奴らを余所目に、俺はまんまと逃亡に成功した。
◆◆◆
「おいおい兄ちゃん、お前お尋ね者の化け物だろ?俺ら盗賊団に味方してもいいんじゃねえ?」
「そうそう、具体的には俺らに金目の物全部渡して、お縄になっちゃってくれよ!ヒャハハハハ!!」
「なぁに、俺らも悪魔じゃねぇからな、直接は殺さないでやるよぉ」
逃げた先でこんなマジでわかりやすい悪党に出会うとはな……こんな広い青空の下で盗賊とか襲ってくるものなのか。
「おいおいビビっちゃったか?わざわざ一人で堂々と歩いてるから警戒心ないバカか余程腕が立つバカかと思ってたんだがなあ?」
「さっさと死ぬか殺されるか選べやあ!!」
パッと見て数十人いる盗賊たちは何も言わない俺に焦れたらしい。
つーか短気過ぎるだろ!もうほぼ全員が武器持って近寄ってきてるし!!
クソッ、またこんなことになるなんて……俺はすぐにお尋ね者になったから武器もないし、逃げる手段も、何も持ってねえってのに!
あ、調味料はあるわ。これなら!
いやいや、こんな広い原っぱでマヨネーズ弾幕なんて使えねえし!
他に、他に手はねえか!!あ!
「やられてたまるか、よっ!!」
ファイト一発!俺は手から大量の赤い液体を噴出させる!目も口も強く閉じ、回転しながら赤い液体、タバスコを大量に辺りに撒き散らす!!
「ぐあああぁぁっ!!何だ、ゲホッ!うおぉぉぉっ!!」
「目が、目があぁぁぁっ!!」
「鼻もだっ!!」
「辛ぇっ!!ゲホッゴホッ!!ゲハァッ!!」
「涙が止まらねぇよぉっ!!痛ぇよぉっ!!」
盗賊たちはタバスコで騒がしく無力化したが、武器を持ってる奴は何するかわかんねえ。
一番近くに転がったナイフを拾って、そのまま逃げることにする。
ついでにだめ押ししておくか。
適当な布で顔を隠し、俺は黒い粉末を大量に周囲に撒いた!
目隠しにもなるし、くしゃみもめっちゃ出る、そう、
(胡椒でも喰らえ)
俺はさっさと逃げ出した。
後ろではくしゃみが止まらない盗賊たちの阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。
◆◆◆
最初は色々と失敗もしたが、予想通り調味料というのは高価なものだったので、
「いつもご贔屓ありがとうございます。コセウ1キロでいつもと同じく金貨4枚と銀貨280枚で買い取らせて頂きます。これからも末長いお付き合いを、どうかよろしくお願いいたします」
「いえいえ、こちらも商人の方に伝があるのは助かります。こちらこそよろしくお願いいたします」
コセウとは胡椒のことだ。いくつかは名称が違ったが、色々な商人に伝を作り、胡椒や塩やバターなんかを売ることに成功した。
自分でしか使えないと知った他の調味料は小瓶に入れて持ち歩くことによって、騒ぎを起こさず使うことができた。
やはり手から直接出すのは、人に見られるとまずかったようだからな。
商人に売って、生活費や料理の研究で消費する。
金を貯め込む趣味はない為、街のお得意様になってしまった。
もちろん初めの頃にやらかした街ではないぞ?
もうあの後はすぐに逃げ出し、馬車や船まで使って遠く離れた今の街で調味料による安穏とした生活を送っている。
やっぱり料理を美味しく食べられるのは最高だし、調味料を出し放題というチートは最強だぜ!
俺はこれからもこの調味料に頼って生きていく!
いかがでしたでしょうか!続きはもちろんありません!
きっと主人公(NoName)は異世界を救うことはないでしょうが、楽しく料理業界を賑やかしていくことでしょう!
こんなチートもらうのも選択肢としては面白いかもしれないと思ってもらえれば幸いであります。
連載中(休止中)の「不治の病は異世界に行っても治りません、むしろ加速しました。~厨二病世界で楽しく過ごします~(https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/1253147/)」もよろしければよろしくお願いします!
はい、そろそろ続き出せるように頑張ります!