~第二の錦織圭たちに贈る言葉(18)~ 『予測・予知能力は真剣な試合で養い磨け!』
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〜第二の錦織圭たちに贈る言葉(18)〜
『予測・予知(アンティシぺ―ション)能力は真剣な試合で養い磨け!』
1. まえがき;
先日、NHK−BSプレミアムの『アスリートの魂・水谷隼』と云うTV番組(深夜の再放送)を見た。
国際的な卓球選手である水谷選手の特徴は『ボールタッチ』と『予測能力』らしい。
特に『予測能力』は世界の3本の指に入るとロシアのチーム仲間の選手が言っていた。
水谷選手が言うには『相手選手が何処に打ってくるかが判る。相手の心理状況が判りどのサイドへは打てないと判る。』らしい。
この言葉から、水谷選手は『気』と『脳波』の両方を感じ取る能力が備わっているなと思った。(卓球は選手間の距離が4m程度なので微弱パワーの脳波を感じられるが、テニスは選手間の距離が30mくらいあり脳波を感じ取るのは難しい。)
錦織選手も「サーブなど相手選手がどちらのサイドに打ってくるかが判る。」らしい。
これは相手の発する『気』を感じ取っているからである。
今回は『アンティシぺーション』によるコートカバリングに関するの養い方・磨き方を研究する。
2.贈る言葉;
まず、『気』であるが、戦場で相手兵士から銃撃を受けた合気道の創始者・植芝盛平の経験談によると、
「眼を凝らして見ているうち、あ、今度は右から狙ってくるな、今度は左から撃ってくるな、と直感・直覚出来るようになってきた。弾丸よりも一瞬早く白い光りのツブテがパッと飛んでくる。それをパッと身をかわすと、あとから弾丸がすり抜けていく。(中略)相手の殺意は、こちらの平常心が澄みきれば澄みきるほど直感・直覚できるものだと云う事じゃ。」
また、いま忍者・初見良昭氏(80歳以上の老人)も相手が剣を打ち込んでくる動きを一瞬早く察知し、撃たれるのをよける事が出来る。(NHK−BSのTV番組映像を参照)
『初見氏が除けるのが見えるけれども、打込むのを止められないで剣を振ってしまう』と打込む人は述べている。
これらの事実から、相手が(撃つ・打込む)意志を発した時にその『気の玉(光のツブテ)』が目標に向かって飛んで行くのであることが察せられる。海馬で意志が発生した後、小脳から電気信号が筋肉に伝わり銃の引き金が引かれるので銃弾が飛んで来るのが遅れる訳である。
テニスにおいても同じである。相手選手がある場所を狙ったショットを打とうと思った瞬間に頭脳の海馬で発生した意志の作用によって発生した相手選手の『気の玉』がその狙った地点に向かって飛んで来るのである。(その後、ラケットが振られ球が飛んで来る。)その相手選手の『気の玉』を視覚か何かの感覚が感じ取るのである。この能力は全ての人が持っているのであるが、感じることができるかどうかは、雑念に支配されているかどうかで決まると思われる。
『気の玉』を感じる速さは物理的な問題であるから、人による差はない。
しかし、『気の玉』を感じた後、コートカバリングに動きだすための意志を発する海馬の働きや、小脳から筋肉への命令信号が伝わる速さ、信号を受けた筋肉が地面を蹴る動作を始める速さや力の大きさがその選手のコートカバリング能力を決める。
すなわち、『気の玉』を感じた後の能力を高める鍛錬が必要なのであるが、それは選手の『気の玉』が飛び交う真剣勝負をしている試合の中で鍛え、磨かなければならない。
3.あとがき;
眼からの視覚信号は大脳皮質の『視覚野』で感じ取るとされているが、この左脳か右脳のどちらかの視覚野を損傷した人(半盲状態)が、物は見えないけれども、物の場所を言い当てることができるらしい。(別冊ニュートン『脳とニューロン』P52)見えていないのに見える現象を『盲視』と云うらしいが、何処で感じているのかは判っていない。
この『気の玉』を感じる為には植芝盛平氏(故人)の云うところの平常心が澄みきる必要がある様である。
試合いにおいて『気負わず、焦らず、相手を観察して』真剣にプレーすれば、水谷選手のように予測能力がつくのではないだろうか?
ただ、水谷選手も錦織選手も5、6歳以前から卓球やテニスを始めている。物理的な頭脳は14歳前後で固まるらしい。それまでに能力を最大限に高める脳の物質部分を作り上げる必要がある。現在、卓球にしろ、テニスにしろ、いろいろなスポーツで世界のトップレベルいる選手たちは6歳以下からそのスポーツを始めているのが現状である。
脳科学において、右脳と左脳を繋ぐ脳梁と云う神経線維の束が通る管が完成するのが14歳くらいだそうである。(電気信号の通る神経細胞はこの神経管の中で成長する)
『諸君の健闘を祈る』
目賀見勝利より第二の錦織圭たちへ
2018年8月14日
参考文献:
いま忍者・初見良昭 NHK−BSプレミアム 2016年7月7日 放送
合気道開祖 植芝盛平伝 植芝吉祥丸著 出版芸術社 平成11年4月 第一刷発行
ニュートン別冊 脳と心 ニュートンプレス社 2010年11月発行
ニュートン別冊 脳とニューロン ニュートンプレス社 2016年9月発行
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