夜の狩り!
夜中の狩りが始まった。
ずんずんと俺は森の中を進む。
うむ、動くのが体が重くてしんどいし、動くたびに地面が揺れる。
これって獲物に気付かれるんじゃ?
そう思った俺は自分に重力魔法をかける。
むろん方向は地面方向ではなく逆方向だ。
すると体重が軽くなった。
ずるりずるりと地面が比較的揺れずに動けるようになった。
俺はそのまま夜の森を這いずる。
眠ってる鹿を二匹見つけた。
角がらせん状になっている鹿だ。
あれ、口の中に刺さったら痛そうだな。
でも食欲には勝てません! いただきます!
もぐぅ! 鹿うまし!
やっぱ肉旨いわ!
そうだ。木とかいまなら丸ごと食べれるんじゃね。
そう思って、俺は木にかぶりつく。
木の大きさは俺よりかなりでかい。
どんくらいかっていうと、俺の全長位より少し大きいくらいはあるな。
つまり10メートルぐらいだ。
ばりぃ!
木もまたうまいな。
俺は俺の方に倒れてくる木を重力魔法で反対方向に倒す。
そして倒れた木にかじりついて、食べ尽くす。
葉っぱうめぇぇええええ!
これがお日様の味って奴? 光合成をたっぷりした葉っぱはうまい!
事実、上の方の葉っぱの方が下の方の葉っぱよりうまかったからな。
だが、俺が木を倒したことで周りの動物は逃げていったようだ。
俺はそこから一時間探しても獲物を見つけられなかった。
逆にいえば一時間後には獲物を見つけた。
寝ている熊の親子だ。
二匹の親クマと五匹の子グマ。
ほほえましい。そしておいしそうですね。
俺は音を立てないように子熊五匹を舌で絡めとり食べようとする。
その瞬間、子熊が鳴き声を上げた。
そりゃ鳴くわな。
でも関係あるかぁ! 俺は子熊を上に放り投げスナックの様に食べる。
うまし!
『レベルが上がりました』
『グラビティホエール
レベル6/10
高さ3メートル
横幅3メートル
長さ9メートル
強さC+』
親熊が吠える。
残念、お子さんはすでに俺の腹の中だぜぇ!
そしてすぐ面会させてやるよぉ!
俺は正面から親熊にかぶりつく。
うまうま!
もう一匹は怖気づいたのか、逃げ出した。
逃がすかよ!
重力!
俺は逃げ出したクマに重力をかけて動きを封じる。
クマは重たそうな体を必死に動かして逃げ出そうとしている。
なんか哀れだな。
今すぐ、食べて差し上げるぜ!
俺は丸のみでクマを食べた。
『レベルが上がりました』
『グラビティホエール
レベル7/10
高さ3.2メートル
横幅3.2メートル
長さ9.6メートル
強さC+』
クマは経験値が豊富なのかな?
二匹でレベルが上がった。ゴブリンとは大違いだな。
俺はさらなる獲物を探し、夜の森を彷徨う。
寝ているクマをもう一組見つけ俺は食べる。
ブラックホエールの時と違い。俺とクマの強さには差がありすぎる。
親熊二体、子熊四体の熊一家は、俺に食べられた。
『レベルが上がりました』
『グラビティホエール
レベル8/10
高さ3.4メートル
横幅3.4メートル
長さ10.2メートル
強さC+』
祝! 長さ10メートル越え!
最初の頃は長さ3メートルしかなかったのに今や、三倍の大きさを誇っている。
一日でこれってやばくない?
こんなに早く成長するものだっけ?
いいや、成長して悪いもんじゃないだろ。
むしろどんどん成長するがいい!
俺はそのまま夜の森を這いずる。
口寂しくなれば木を食べる。
獲物が見つからない。
眠くなってきたし、そろそろ寝ようかな?
なんて考えていた時の事だ。
俺は獲物を見つけた。
そいつらは森の開けた空間にいた。
人間だ。
たき火を囲んで六人いる。
二人は起きているようで、談笑している。
その装備はワニの皮か何かで出来ている様だ。
鎧か?
他の四人は地面にシートをのせて寝ている。
ふむ、次の得物は人間か、何か少し躊躇するな。
何でだろう?
何にせよいいや、食べよ。
その時だ。
「ん? あれは!」
気づかれた。