神になった俺!
……ここどこだ?
俺は気づくと周りの景色が見たことのないものになっていた。
どこまでも続く黄色いお花畑、川がながれ、目の前には白髪の爺さん。
「ふぉっふぉっふぉ、気づいたかね。若き神よ」
目の前の爺さんが俺に尋ねる。
「おう、気づいたぜ。ここどこだ? 俺土の上にいたはずなんだが」
おりょ? 俺の口からボエエエエエエエエエエエエって声が出ない。神になったから、喋れるようになったのか。
「ここは天国じゃよ。儂が呼んだんじゃ」
「ほへー、天国ねぇ。天国!?」
何、俺死んじゃったの!?
「驚かんでもいいぞ。神にとって天国だろうが地獄だろうが関係ないも同然じゃ。だって神じゃもん」
「そりゃそうか」
「そうじゃそうじゃ」
「はっはっはっは! それで爺さんが俺に何の用だ?」
俺が爺さん、恐らく神に尋ねる。
「うむ、お主に神の先駆者としていろいろ教えてやろうかと思ってのう。今までとは違いただ滅ぼすだけではなく。創ることができるようになったからのう」
「おお! だったら魔王食べ放題じゃねぇか! あれが一番おいしかったんだよなぁ!」
「食べてもレベルは上がらんぞ、作ることでしかレベルは上がらんのじゃ」
「マジかよ、でも俺食べるのは好きだから食べるけどね」
「そうか、そうか、それもありじゃろう。破壊神とかもいるわけじゃし」
「あー、よく聞くね。破壊神とか創造神とか」
「うむ、お主はどちらにもなれる」
「だったら俺は破壊創造新にでもなるわ。じゃあ俺そろそろ行くな」
「ん? レクチャーは要らないのか」
レクチャーか、俺説明書は読まないタイプなんだよね。
「要らないな。お気遣いだけ貰っとくぜ爺さん」
俺はそう言うと元の世界に、最初の世界に戻る。
俺が最初に滅ぼした世界だ。
俺が生まれた世界でもある。
まずはここから俺の創造を始めて行こう。
さあ産まれよ、植物!
そう願うと、ぴょこっと若葉が地面から生えた。
めっちゃ疲れた。その割に生えてきたのは五センチぐらいの植物だけだし。
何か無駄な力の使い方をした気がする。
うむ、テクニックなんぞ知らんからな。
一から苦労していくしかないな。
ここ最近、というか生まれてから食べる生活しかしてないからな。苦労するのは前世ぶりか?
そういや俺の前世思い出したんだよな。
たしか地球って星の日本人だった気がする。
二番目に俺が滅ぼした世界の島国の人間だ。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
取りあえず今は、
「いただきまーす!」
俺は俺が創造した植物を食べようと口を開いた。