勇者さんよ正義じゃ勝てませんぜ
「ボエエエエエエエエエエエエ(Sランクだと、うまっそおおおおおお)」
早速頂こう、俺は勇者に向かって吸い込みを発動する。
しかし、勇者は剣を振るったかと思うと、銀色の斬撃が飛んできて重力場は切り裂かれた。
どうじに口の中も多少切り裂かれた。
「ボエエエエエエエエエエエエ(痛いんだよぉおおお! 口の中柔らかいんだからさぁ!)」
「くらえ!」
勇者は俺に向かって斬撃を飛ばしまくって来る。
痛い痛い。めっちゃ痛い。
俺図体でかいけど、痛みには敏感だからさ。
やめてくんね?
というわけで俺は重力魔法を勇者の鎧に放つ。
だがレジストされた。
何だと!? 何、伝説の武具は魔法効きませんってか。
なら作戦変更。
勇者自体に重力魔法をかける。
当然のごとく弾かれた。
畜生め!
そう俺が色々試している間にも、勇者は銀の斬撃を俺に放ってくる。
マジ痛い。
だが戦い慣れしてないのか、目を狙ってきたり、傷跡を狙ってきたりとかはしてこない。
けど、勝ち目なさそうなんだよな。
あるとしたら、そうだな。
人質とかか?
俺は飛んで場所を移動する。
まだ吸い込んでいない地域を目指す。
勇者はそれについてくる。
空中を歩いて付いてくる。
空中を歩くとき、空中に水を打ったような波紋が現れる。
何だこいつ、チートか!
まぁ、いいや。
もともと勇者が付いてくる前提の作戦だし。
俺は舌を伸ばしてそこらの人間を捕まえようとする。
当然勇者がそれを邪魔してくる。
剣で俺の舌を切ろうと斬撃を放つのだ。
俺は舌を引っ込める。
斬撃が建物に当たって、建物に傷を付けた。
「くっ、しまった!」
俺は建物スレスレに浮きながら、町を人質に取りながら戦う。
重力を圧縮して作ったミニブラックホールをばらまいてそれを、勇者が切り裂いている間に、俺の舌が勇者を狙う。
ずどんと舌で勇者を突く。
ゴロゴロと吹き飛ばされる勇者。
そこに舌で連打攻撃を仕掛ける。
連打! 連打! 連打! 連打!
「ボエエエエエエエエエエエエ(死ねぇえええええええ!!)」
勇者はボロボロになりながらも立ち上がった。
「くそっ、卑怯な真似を! だが俺は負けねぇ! 守るべきものがある限り!」
そうか、なら守るべきものために敗北するがいい!
俺はまたミニブラックホールをばらまく。
勇者がそれ切り裂いていく。
俺はその間に勇者を狙う。
と見せかけて他のものを狙う。
一人の少女を俺は舌で絡めとる。
そして吸い込みを発動する。
勇者が吸い込みの中心の重力場に向かって剣を振るおうとする。
そこで舌で絡めとった少女を見せる。
「ぐっ」
一瞬怯む勇者。
その隙に俺の顔面を舌でどついた。
舌から離れた少女が落ちていく。
それを勇者が拾ってかばおうとしたところで、舌でさらに攻撃する。
吹き飛ぶ勇者。
反射的に俺の舌を切り裂こうとする。
だが俺の舌先には少女の姿が!
当然少女は切り裂かれ、絶命した。
俺はそのまま舌で食べる。
わざと音を立ててバリバリムシャムシャと食べる。
「このクソやろぉおおおおおおがぁあああああああ!」
激怒する勇者。
しかしだな。怒りは刃を鈍らせるんだよ。
俺は舌で横から勇者をどつく。
勇者はそれを受けて、吹き飛び建物にぶつかる。
轟音を立てて崩壊する建物。
勇者は何事もなかったかのように俺に向かって来る。
舌を見せると反射的に勇者が構える。
残念、後ろでやんす。
俺は重力魔法で瓦礫を操り勇者の後ろから不意打ちさせた。
勇者が瓦礫を切り裂く。
ふむ、ならこんなのはどうだ。
俺は周りの人を重力魔法で浮かせて勇者にぶつけていこうとする。
「どこまで、屑なんだお前ええええええええええ!」
勇者は人を切り裂けない。
人を守ろうとしなければ俺にとっくに勝ってたものを。
俺は人をぶつけるのを避ける勇者を尻目に人を浮かせて俺の目の前に持ってきて食べる。
「くそぉおおおおおおおお!」
勇者が突っ込んでくる。
ふらふらだ。怒りもあいまわさって、隙だらけだぜ。
俺は奴の剣を舌で吹き飛ばす。握力が弱っていたのか、剣は簡単に吹き飛ばせれた。
いただきまーす!
舌で勇者を絡めとる。
抵抗するが剣のない勇者などただのご飯だぜ! 俺は勇者を口に放り込んだ。
もぐもぐぅ!
「ボエエエエエエエエエエエエ(うまあああああああああああ!!)」
何だこの味! うますぎる! 今まで食べた者の中で一番おいしい!
『レベルが上がりました』
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『ブラックホールホエール
レベル18/20
高さ10メートル
横幅10メートル
長さ30メートル
強さA-』