町を食べるツアー始まりました!
俺は滅ぼした町を後にして、羽で旅立つ。
そして上空から他の町を探した。
「ボエエエエエエエエエエエエ(見つけたぁああああ次の餌場!)」
俺は夜になるのを待って、町の中心に降り立つ。
建物を壊し、大口を開けて、吸い込む。
建物、人間、片っ端からものを吸い込む。
一日にしてその町は滅んだ。
最初に襲った町よりは小さめの町で石壁もなかった。
そのせいか。
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『ブラックホールホエール
レベル3/20
高さ10メートル
横幅10メートル
長さ30メートル
強さA-』
二つしかレベルが上がらなかった。
そして大きさが限界まで達したのか大きくならない。
まぁ、仕方ないか。
大きくならなくなったものは仕方ない。
それに大きさは俺的に充分だしな!
さて、今日中に町を後三つほど、食べるか。
俺はそう思うと、羽を広げて町を探すのだった。
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『ブラックホールホエール
レベル6/20
高さ10メートル
横幅10メートル
長さ30メートル
強さA-』
一つの町と二つの村を食べて来ました。
更地に変えて、人間はすべて食べたぜ!
町は石壁のない小さな町だった。
そのせいかAランク級のお肉には出会えなかった。
Aランクも今なら楽に食べれる気がするんだがな。
俺は朝がやって来たので寝ることにした。
寝る場所は最初にいた森だ。
俺は適当な場所な場所に降り立つと、寝た。
おっはー!!
起きたぜ! 今は夕方だ。さっそくエサを探しに行きますか。
と思ったんだが、エサなら周りにあるじゃない。
豊富な木と豊富な動物!
俺は片っ端から木を吸い込み逃げる、動物を吸い込んでいった。
角ウサギ、螺旋角鹿、鹿角熊、ゴブリン、コボルト、羽根付きワニ、巨大猫、オーク、三つ首犬、大木、食虫植物……エトセトラエトセトラ。
森は俺が三日かけて、食べ尽くしました!
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『ブラックホールホエール
レベル11/20
高さ10メートル
横幅10メートル
長さ30メートル
強さA-』
森よ! ごちそうさまでした!
非常に美味しかったぜ。今は更地だがな!
俺は空を飛ぶ。
今は夕方だ。
俺の基本の暮らし方として、夕方に起きて夜に狩り、そして朝に寝る。
このパターンだ。
森は食い尽くしたから、次は何かな。また町を狙うか。
俺はそう思いながら飛び立つ。
空中から眺めていると、俺は一つの町を見つけた。
超でかい町だ。
城壁があって、西洋風のお城がある。
王都って奴か。
よし決めた。
俺はこの町を今日食べよう。
まずは夜中まで待つ。
よし、夜中になった。
俺は雲の下あたりを飛び、月を背後に王都に突撃する。
王都東の端、恐らくスラム街に降り立った俺は、いきなり吸い込む。
もぐもぐぅ!
人間うめぇえええええええ!!
スラム街の人間はあまり喰いごたえがないが、それでもうまい。
やっぱ食べるなら人間ですわ。
「ボエエエエエエエエエエエエ(この町は俺が喰い尽くす!)」
暴食の始まりの雄たけびをあげる。
俺の雄叫びは進化するごとに大きい声を出せるようになっていて、簡単な建築物なら吹き飛ばせる。
俺はスラム街の建築物を食べる。木だからな、うまいっすわ。もしゃもしゃ。
次は城下町を襲うか。
城下町はパニックに陥っていた。
様々な叫び声が聞こえる。
助けてくれー、がナンバーワンの叫び声だ。
助けないがな。
俺は目の前の建物ごと、庶民を吸い込んでいく。
『レベルが上がりました』
『ブラックホールホエール
レベル11/20
高さ10メートル
横幅10メートル
長さ30メートル
強さA-』
うまし! 人間うまし!
「そこまでだ、魔物が!」
ん? なんだ?
「俺は勇者だ! 魔王の手先だな! Sランクの俺が倒してやる」
俺の目の前には豪華な鎧を身に着けた。黒髪の若者がいた。