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壊れた英雄は世界を護る  作者: 江藤直哉
第2章 隠れ里の貴族
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第2章 第3話 ノアの屋敷内実習

 気がついたらこんなに時間が経ってしまいました。

 ストックがあるので、見直しながらskskと投稿しようと思います。

 ノアは今、屋敷内の掃除をしている。その手際は見事なものであり、屋敷内で働くメイドに勝るとも劣らない、どころか明らかに勝っている。その正確さと速さはまさに機械的だ。

 さて、なぜこんなことになったのかというと、ことはノアの一言から始まった。


「読む本がなくなった」


 朝食の席でノアがベルライトに向けた言葉だ。彼がアルカーレ邸の書庫で本を読み始めて数年が経過し、普通の人間の数倍、数十倍の速さで本を読み進めた結果、とうとう読むべきと判断した本がなくなってしまったのだ。読んでいない本もいくらかは存在するが、重要度は低く読む予定はない。仮に読んだとしても、半年持てばいいほうだろう。

 ということで、何かいい本がないかとベルライトに尋ねたわけだが、ベルライトも思い当たる本はなかった。彼の書斎にも本はあるが、基本的に外に出すことができない機密性の高いものばかりだ。さすがにこれをノアに貸すわけにはいかない。

 しばらく考えるが、いい案は浮かんでこずどうしたものかと頭を捻っていると、思わぬところから思わぬ提案が飛び出した。


「それじゃあノアくん、本で得た知識を実践してみるのはいかがかしら?」


 ベルライトの妻であるライディアだ。その提案に、その手があったかとベルライトも便乗する。


「おお、いいかもしれないな。どうだねノアくん、やってみないか?」

「ふむ、成る程、実戦経験は重要だ。やろう」


 ノアもやると言ったことから、細かい方法を定めていく。基本的にはノアの自主性に任せるが、まず朝食の席でベルライトに何をするか報告し、許可を得てからそれを行うことが決まった。そして、最初は屋敷内でできることから開始し、次第に里の中でいろいろな人に協力してもらい、様々なことに挑戦するといった予定になった。

 ただし、アルカーレ4姉妹の相手もしなければならないため、週に1,2日程度を目安に実習を行うことにする。


 このような経緯から、今回は様々な掃除の方法を実習することになった。メイドからこの場合はこうする、こういったときはこの方法がよいと手ほどきを受けながら、まずはノアの部屋を掃除していく。

 何かをするたびにノアは、なぜこの方法なのか、これは駄目なのか、なぜ違うやり方をしないのかと質問を行った。

 部屋を掃除し終わる頃には、想像以上に質問されて疲れたメイドと、部屋の掃除に関して知識を蓄えたノア、そして綺麗な部屋ができあがった。メイドは、他にも同僚がいるとはいえ、この疲れる状態でまだ残っている多くの場所を掃除しなければならないのかと少しばかり不安と不満を持つ。

 ノアから次はどこを掃除するのかと聞かれ、次の場所を答えると「次は俺だけでやる」と言われ、どうしたものかと考えたが、主人であるベルライトからも「ある程度好きにさせてやってくれ」と言われていることから、不安ながらも許可をする。もしかしたら手間が増えるかもと、そんなことを考えていた。


 しかし、そんなことにはならなかった。1回で様々な掃除の手法を憶えて見せたノアは、質問で得た細かい調整を完璧にこなし、凄まじい速さで掃除を終えていく。とても目が見えていない動きとは思えない。動かしたものも、寸分も狂わない位置に再度設置しなおしている。

 メイドは夢でも見ているのかと半ば現実逃避しかけていたが、ノアの「終わったぞ」の言葉ではっと意識を現実に引き戻す。自分が掃除する場合と比較して、半分も時間が経っていないどころか4分の1にも満たないだろう。

 普段掃除している箇所を1つずつ確認していくが、完璧と言える仕上がりだ。それどころか、より細かい部分まで手が行き届いている。もしかして自分が無能なのではないかという錯覚さえ覚えてくる、それほどまでに見事だった。


「よし次だ。どこを掃除するんだ?」

「え、あ、えっと、次は大浴場になります!」


 言葉に詰まった上、少し大きな声を出してしまったが、次の目的地を告げる。先ほどまでとは勝手が違うため、再度教えることになるだろう。しかし、私室と比べれば、部屋が大きいだけで、やることは多くない。それなりに楽ができるだろう、と侍女は楽観的に考えながらノアを大浴場へと案内した。


 結論から言うと、普段の半分程度の時間で大浴場の掃除が完了した。

 最初は、10分の1ほどの範囲を時間をかけて教えたため、その部分だけで言えば普段の数倍時間を要したが、一度(ひとたび)教え終わると広いだけの大浴場は、あっという間に磨き上げられた。

 その様子を眺めながら、メイドはこれからもノアに掃除を手伝ってもらえないかと考えるが、自分の仕事がなくなれば首が飛びかねない、と思い考えを改めた。


 その後、掃除以外に洗濯や裁縫をノアに教えると、2日間でノアは掃除、洗濯、裁縫を一通りマスターしてしまった。


「ノア様、これで今回の実習は全て終了でございます。お疲れ様でした」


 この2日間、ノアの指導を担当したメイドが労いの言葉をかける。もっと時間がかかると思っていたが、想像以上の早さで終わったことに内心驚いていた。


「ありがとう。勉強になった」


 ノアも、常識としてメイドに礼を返す。ノアは今回の実習で、やはり本や会話から得た知識だけではわからないことがあると実感した。


「それではノア様、そろそろ食事の時間でございますので、食堂のほうへご案内いたします」


 食堂へ向かう途中、ノアはメイドの言葉から次に料理を行うのはありかもしれないと考えた。屋敷内でできることでもあるからちょうどいいはずだ。ノアは、夕飯の席でベルライトに尋ねることにした。


「ベルライト、次は料理をしようと思う」

「おや、今のはもういいのかね?まだ2日目だろう?」


 ノアの言葉に、ベルライトはふとノアが掃除などに飽きてしまったのかと考えたが、ノアがそんな中途半端なことをするわけがないと思いなおし、質問を変える。


「それとも、もう終わったのかね?」

「ああ、メイドからもお墨付きを貰った」


 さすがのベルライトも、ノアがメイドからのお墨付きを貰っているとは思っていなかった。せいぜい、ノア自身がどの程度できればいいと目標を設定して、それを達成したため今回の実習を完了にしたと思ったからだ。

 ただの伯爵であるベルライトの使用人が、王宮に使える人間と比較して遜色ないかと言われれば、間違いなく劣ってはいる。しかし、冒険者として名を馳せ国に貢献したベルライトには、それなりの人材が集い敬意をもって使えている。その使用人が、間違いなく妥協していないはずなのに、十分と言ったのだ。

 ノアが頭のいい人間であることは知っていたが、理論と実践は全くの別物である。ベルライトは、ノアの将来により一層興味を持った。


「成る程、素晴らしいなノアくんは。よしわかった、料理長には伝えておこう」

「ああ、よろしく頼む」


 掃除については、目に見える成果が大きくないこともあり、ベルライトたちもノアがどれほど成長しているかうまく把握できない。けれども、料理となれば彼がいったいどれほどの能力を持っているかを、皆で把握することができる。

 4姉妹もそれに気づいたのか、非常に楽しみといった様子を見せている。


「兄さん、作った料理は私たちも食べられるのですか?」


 ノーティリスが、とても期待した表情でノアに尋ねると、それに対してノアは食べたいのなら当然だと頷いた。それを聞いた他の姉妹たちも、嬉しそうにノアが料理を作ることについて話し始める。


「どんな料理を作るのか楽しみね。何か予定はあるの?」

「わたしは、お兄ちゃんの手料理ならなんでも大歓迎だよ~」

「フレヤは甘いお菓子がいいな!」


 それを聞いたノアは、彼女たちの言葉全てに答える。今や大切な人間となった彼女たちの言葉を無視する選択肢は、ノアの中に存在しない。


「予定は特に決めていなかったな。アウィは本当になんでもいいのか?希望があればなんでも言ってくれ。それと、お菓子は毎回作ることにしよう」


 それからさらに彼女たちと話を進めていき、最終的にこの国の伝統的な料理2種と外国の代表的な料理1種、お菓子1種を毎回作ることが決定した。

 伝統料理はレイナイリとノーティリスが、ノアの料理のうまさを比較しやすいからという理由から選んだようだ。外国の料理はアウェーヌが、めったに食べる機会がないため食べてみたいと言う理由によるものだ。お菓子はフレヤノーラが、最初に言った通りの希望が叶った形になる。

 ベルライトや彼の妻は、非常に嬉しそうな娘たちの姿を見て自然と頬が緩むが、1週間に2回程度とはいえ毎回その量を作るのは大変ではないかと心配にもなった。食事の後、娘たちに悟られないようノアにこっそり聞いてみると、問題ないと答えが返ってきた。ノアが見栄を張るような人間ではないと知ってはいるが、くれぐれも無茶だけはしないようにと言い含めておく。

 しかし、この質問に対しては返答がない。ノアの中では、ベルライトの言葉と4姉妹の言葉の重みが天と地ほども違うため、ベルライトが何か言ったところで彼女たちへの優先順位が覆ることはないせいだ。

 ベルライトはふぅっとため息をつくと「ほどほどにな」とだけ言うのだった。


 それから半年間、ノアは週に2日料理作りに勤しんだ。

 1日の流れは、練習として使用人用の食事を作り、その後でアルカーレ一家用の食事を作るといった形だ。

 使用人用の料理は、料理長が選んだものを技術と併用してノアに教えていく。道具の使い方から、調理の方法、材料や気候による調理時間の調整など様々だ。選ばれる料理も、その時々で料理長が今のノアに適していると思うものであった。

 アルカーレ一家用の料理は、ノアが選択している。ただし、あまりにも組み合わせがよくない場合だけ、料理長から待ったがかかった。

 ノアが料理をしている間、料理長も同じく料理を行っているが、合間を縫って細かい調理法を教える。料理長は、普段以上の忙しなさに疲労を覚えるが、想像以上のノアの成長速度に普段味わえない満足感も覚えていた。弟子2人ではこうもいかない。


 実際に料理を出されたアルカーレ一家、特に4姉妹の反応はそれぞれの考えもあって様々だ。

 レイナイリとノーティリスは、毎回意見を述べている。今回はちょうどよかった、少し辛かった、もう少し軟らかいほうがよかった、これも入れて欲しかったなどなど。

 一方アウェーヌとフレヤノーラは、ほとんど美味しかったしか言わない。ノアの手料理が食べられると言うだけで満足しているし、実際に美味しいのだ。それも、普段食べているものと比較しても美味しいと感じるのだから、むしろなぜ姉たちはあんなことを言うのだろうと疑問にすら思っている。

 正直なところ、レイナイリとノーティリスの意見は、自分にとって最高が何かを言っているだけであり、ノアの料理はほぼ完成されていると言っても過言ではない。それも半年の間に改善されていき、その日によって各々に最適な調理法をノアだけで考えられるようになっていた。異常なまでの成長速度である。


 そしてとうとうノアが料理長からのお墨付きを貰い、実戦経験を積む一環としては最後となる料理を作ることになった。これまでとは違い、ノアがメインを担当することになる。

 完成は夜だが、ノアは仕込みのために昼過ぎから厨房に篭っていた。

 料理長も別の仕込みを行っていたが、メインではないこともあり、仕込が終わってからは弟子2人に任せてノアが料理を行う様子を後ろから見守っている。しきりにうなずくその姿は、息子の成長を喜ぶ父親のようであった。

 今まで以上に時間をかけ、料理が完成する。ノアが作った料理は、牛肉のハンバーグに辛味のあるソースと甘めのソースをかけたもの、豚肉のソーセージにチーズを混ぜたものと香辛料を混ぜたものの2種、そして鹿肉のカルパッチョで計3種類のメインディッシュと、デザートとして複数の柑橘類をたっぷり使用したタルトだ。

 料理が完成してノアが料理長に終わったことを告げると、料理長は少しだけ味見をして最後に大きく頷いた。

 料理を終えたノアが食堂へ向かい席に着くと、同時に料理が運ばれてくる。運ばれてくる料理を見るアルカーレ一家、特に4姉妹は目をキラキラと輝かせていた。


「すごいわね、大変だったんじゃない?」

「見た目も綺麗ですね、このお肉はなんでしょうか?」

「これってカルパッチョだっけ~?聞いたことはあるけど初めて食べるから楽しみ~!」

「はっんばーぐ!はっんばーぐ!えへへ、フレヤハンバーグ大好き!」


 ノアが4姉妹に説明している間、アルカーレ夫妻も、いつになく楽しそうな表情をして話し合っている。そして、待ちきれないという4姉妹からの視線を受けたベルライトが食事の挨拶を済ませると、お祈りを行い食事を開始した。


「ん、美味しい!このソースちょうどいいぐらいの辛さで、わたし好みだわ!」

「どれどれ、それでは私も…本当ですね、辛過ぎなくて美味しいです!…あれ?レイナ、ちょっとだけそのソース貰えますか?」

「どうしたのティリ?同じものでしょ?」


 ノーティリスは何か違和感を覚えたのか、レイナイリからハンバーグにかかっているソースを少しだけ貰い口に入れる。貰ったソースを食べた後、再度自分のハンバーグのソースと食べ比べ、その違和感の正体に気がつく。


「やっぱり。私のとレイナので味が少しだけ違いますね。私のほうが少しだけ辛さが抑えられています。2人とも味がちょうどいいなんて、おかしいと思ったんですよ」

「え、そうなの!?わたしもちょっと貰うわよ?どれどれ…あむ…本当だわ!」


 ノアは料理をする際、同じフライパンの中でも、場所によって味付けを任意に変える方法を身につけている。この方法を利用することで、できあがった料理の味を食べる人に合わせて少しずつ変化させていた。

 それも、最後に調整するのではなく、最初から材料の位置を調節して攪拌(かくはん)も事細かに行っていた。熱の通り方が異ならないようにするためだが、あまりにも的確なその動きは料理長でさえ舌を巻くほどだ。


「わたしは早速カルパッチョを食べてみようかな~」

「フレヤもフレヤもー!」


 アウェーヌをフレヤノーラは、普段食べることのない外国の料理をいつも先に食べることにしている。今回もそのご多聞に漏れず、鹿肉のカルパッチョから食べることにしたようだ。ソースは少し酸味のある、さっぱりしたものと少量だが味が濃いものの2種類が交互にかけられている。しっかりと血抜きされた鹿肉が、薄く切られていることもあって非常に軟らかく食べやすい。

 実は料理長が安全面から鹿肉を生で出すことに、はじめ抵抗を示していたのだが、ノアが殺菌魔法を使えることを聞くと手のひらを返した。一般に雷属性の適性が必要なこの魔法は、有用ではあるものの料理人で扱えるものはごくわずかしかいないのだ。王宮の料理長が扱えるらしい。

 料理長は是非これからも料理を頼めないかと半分冗談でノアに聞くと、意外な答えが返って来た。なんと、雷属性だけでなく、水属性と風属性、回復属性、無属性でも可能らしい。それぞれ雷魔法と比較して、わずかにデメリットがあるらしいが、水属性の適性を持つ料理長はノアから時間があるときに魔法を学ぶことにしたようだ。


「わ~!軟らか~い!美味し~!」

「生のお肉って初めてだけど、すっごく食べやすくて美味しい!」


 魔法を使わなければ、基本的に生肉を食べることはないため当然と言えば当然だ。それに、鹿肉の血抜きもノアが完璧に行っている。普段からこんなものが食べられるわけではない。ノアさまさまだ。


「ふぅ…食べたわね…」

「ソーセージも美味しかったですねぇ…」

「パリッとした食感が癖になりそうだったね~」

「もっと食べたいけど、フレヤもう入らないよぉ」


 皆が食べ終わり、一息ついたところでデザートが運ばれてくる。それを見た4姉妹は、先ほどまで苦しそうにしていたのが嘘のように期待に満ちた目をしていた。


「食べられるか?なんなら明日作り直してもいいぞ?」


 そんなことを知らないノアは、彼女たちが食べられるかを聞く。しかし、返ってくる答えは、食べられるというものばかりだった。甘いものは別腹である。

 少女たちは、切り分けられたタルトを口に含むと、たちまち輝かしいばかりの笑顔になる。その表情は幸せそのものといった様子だ。


「ん~っ!美味しいわ!」

「トルマスさんの作るデザートも美味しいのですが、兄さんのは別格ですね」

「そもそもケーキみたいなデザートなんて滅多に食べられないしね~」

「たっると!たっると!甘ーい、幸せー!」


 彼女たちは、デザートが出てくるまでお腹がいっぱいだったとは思えないほどの速さでデザートを食べ終えると、名残惜しそうにデザートがのっていた皿を見つめていた。

 その後は、食後のお茶を飲みながら話に花を咲かせる。当然、内容はノアの料理に関してとなる。


「いやーはっは、ノアくんも上達したものだな!もう国内でもトップクラスの腕前じゃないかい?」

「俺はこの里以外でほとんど食べたことがないから、トップクラスがどういうものかわからないな」


 ベルライトが実に楽しそうな表情でノアを褒めるが、ノアはあくまで客観的な判断ができないためわからないと結論付けたようだ。どうにもノアは褒め甲斐がない反応をするが、らしいと言えばらしい反応にベルライトはいつも通り苦笑するのだった。


「ねえノア、味付けなのだけれど」

「少しずつ違ったのは、それぞれ分けて作ったんですか?」

「違うぞ。同じフライパンで同時に作ったものだ」


 食事中は料理に夢中になりすぎて聞きそびれたことを、レイナイリとノーティリスは落ち着いた今になって尋ねてみた。マメなノアのことだから、複数個同時にソースを作ったのかと思ったがどうやら違ったようだ。では、最後に味を変えながら、料理にソースをかけたのかと思うも、同時にと言っていたためそれも違うかと思いなおす。

 ではどうやってと聞くと、返ってきたあまりにも特殊な作り方にただただ2人は驚くばかりだった。


「ね~お兄ちゃん、今何種類ぐらい料理作れるの?」

「あ、フレヤも気になる!デザートも毎回違うし」

「作ったことがない料理も含めると1000種類程度だな」


 ノアは作ったことのない料理でも、これまでの経験から作ることができると判断したものを含めて数字を出す。結果としては、憶えている料理全てになったわけだが、今回作った料理も初めて作ったものであることを考慮すれば、妥当な判断だと言えるだろう。


「え、そんなに作れるの!?と言うかよく憶えられるね~」

「お兄様はやっぱりお兄様だね!」


 異常ではあるが、ノアらしいそのスペックの高さに、彼女たちは無邪気に喜んでいた。


 こうして、屋敷内でできる実習を終わらせていったノアは、次なる経験を得るために屋敷の外へと足を延ばすことになる。ノアの成長ぶりは、しばらくの間、里の名物になるのだった。

 勘違いしていた表現を2017/09/25に修正しました。

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