第2章 第1話 新たな家
今回から第2章になります。
変更点は以下の通りです。
・最後の文を区切りがいいところのみで使う(テンポが悪いと感じたため)
・文章量が多くなってもよしとする(短くしようとして、難解になってると感じたため)
・第3者視点で文章を書く(主人公の得られる情報が少ないため)
俺の意思はボドボドですね。このまま頑張るとはなんだったのかと言いたいですが、俺のログにはきっと何もないので大丈夫です。
場合によっては第1章を、第2章と同じ書き方に編集するかもしれません。
長くなりましたが、これからもどうぞよろしくお願いします。
サクラ、ワカナ、サーシャが王都にある学園『プロムレント学園』に入学してから3年の月日が経過した。
彼女達やノアも今年で13歳になる。
そんなノアは今、アルカーレ家でお世話になっている。フーリアンの里に住む唯一の貴族であり、当主ベルライト、妻のライディアとアリーヌ、娘のレイナイリ、ノーティリス、アウェーヌ、フレヤノーラの4姉妹で7人家族だ。
サクラが学園に入学したこと、ベルライトが娘たちに魔法を教えて欲しいと提案したこと、ノア自身にサクラ以外のマイシロ家に何の執着もないことから、ノアがアルカーレ家で暮らすことが決定した。
ベルライトは一体誰から聞いたのか、ノアがサクラたち3人に魔法を教えていたことを知っていたようだ。
「ノアくん、今日からここが君の家だ。何度も来てはいるが、書庫以外は知らないだろう?後でメイドの1人に案内させよう」
この言葉から、ノアの新たな生活が始まった。
はじめの頃、ノアと4人姉妹の仲はあまりいいものと言えなかった。アルカーレ夫妻はノアのことを息子同然に扱い、また娘しかいなかったこともあって初の息子を大いに喜んでいたが、4姉妹はあまり接点のない人間とある日突然一緒に暮らすことに不安を覚えていた。年も4,5歳差と近くも遠くもないことが、彼女たちをよりと惑わせる要因になっていたのだろう。
彼女たちとノアの会話は、主に書庫で接点のあったノーティリスが行っていた。ノアに対する呼び方も、『ノア』あるいは『ノアさん』で、ノアも彼女たちを愛称で呼ぶことはなかった。
そんな彼らの関係に変化が訪れたのは、ノアがアルカーレ家で暮らし始めてから1年半が経過した頃だった。
ノアはベルライトに魔法を教えて欲しいと頼まれていたが、他の勉強との兼ね合いからサクラたちのような実践形式ではなく、先に知識として魔法のことを教えていた。そして1年が経過し、十分と判断したノアは実践形式で魔法を教え始めた。
それから半年後、素質もあってか彼女たちはその実力を伸ばしていき、皆がランク1の魔法を扱えるようになり、ランク2の魔法もわずかながら扱えるようになっていた。
彼女たちほどの年でこれほど魔法を扱えるものなどほとんどいない。周囲の人間も彼女たちを褒め称え、アルカーレ夫妻も才能があると彼女たちの成長ぶりを喜んでいた。
そんな彼女たちが増長するのも無理はないだろう。まだまだ幼い少女である。1番冷静で思慮深いノーティリスでさえ例外ではなかった。
ある日のこと、彼女たちは周囲の大人に黙って森へと出かけてしまった。自分たちの魔法がどれほど通用するのか森の動物相手に試したいと言う気持ちと、自分たちの力だけで狩ができることを証明したい気持ちがあった。自分たちはもうこれだけのことができるのだと。
「よし、それじゃあ行くわよ!」
「えへへ、フレヤの魔法のすごさ見せてあげるんだから!」
「わたしも頑張っちゃうよ~!」
「あまり無理はしないでくださいね」
アルカーレ4姉妹は森の前に来ていた。彼女たちの中に、今回の狩に対して不安はなかった。もし不安があるとすれば、両親や使用人に何一つ話をせずに森に入るため、それを怒られるかもしれないことだが、狩の成果を見せればそれ以上に褒められるだろうと思っていた。
そうして、彼女たちはどんどん森の中へと入っていく。
しばらく歩き回ったが、なかなか良い獲物は見つからない。たまに鳥や兎は見かけるが、彼女たちの眼中にはなく、求めるのは狼や猪といったもっと大物だ。
「うーん、なかなか手ごろな獲物がいないわねぇ」
「まだまだ時間はあるし、大丈夫だよ~」
迷うことなく、森の奥へ奥へと進んでいく。周囲を警戒しながら進むこともせず、そのペースは非常に速いものだ。もはや大人たちでさえ滅多に到達しないほど、森の奥まで来てしまっている。
「フレヤそろそろ歩き疲れてきちゃった」
「確かにちょっと疲れてきたわね。仕方ないわ、今日は諦めて帰りましょ」
「は~い、獲物が見つからなくて残念だったね~」
元気いっぱいの子供とはいえさすがに疲れてしまったのか、今日はもう諦めたようだ。しかし、ここでノーティリスがポツリと呟いた。
「帰り道はどっちでしたっけ?」
彼女たちの間に沈黙が訪れる。獲物を探すのに夢中で、帰り道のことなど何も考えていなかった。
「こっちじゃなかったかしら」
「わたしもレイナお姉ちゃんとおんなじ方向だと思う~」
レイナイリが方向を指差しながら皆に告げる。真っ直ぐ進んではいなかったが、その方向から来た記憶がある。アウェーヌもそれに同意する。
「え、そうなの!?フレヤはこっちだと思ってた!」
そういってフレヤが指差したのは、レイナイリとは90度違う方向だった。
「でも、レイナお姉様が言うんだから間違いないよね!」
「そうですね。それでは帰りましょうか」
だが、レイナイリの判断にフレヤノーラは従うようだ。ノーティリスもそれに同意し、その方向へ里に帰ることを決めた。
その後彼女たちは歩き続けたが、一向に里へたどり着く気配はない。太陽を確認しながら進もうにも、木々が遮るためなかなか思うようにいかず、その歩みは行きと比較して遥かに遅くなっていた。それに、日はすでに沈み始め周囲は薄暗くなっている。日が沈んでしまえば、里の方向がほとんどわからなくなってしまうだろう。
そもそも、里は周囲を森囲まれているため、真っ直ぐ進んでいなければ方角がわかったところで里にたどり着くことはできないのだが。
もはや彼女たちは冷静でいられなかった。長女のレイナイリも、責任感と不安から押しつぶされそうになる。それでも皆を不安にさせまいと気丈に振舞っていた。が、限界は近かった。
「…迷ったみたいですね」
ノーティリスがそう呟いた。誰もが気づいていたが、誰も口にしなかったことだ。まるで、言ってしまえばそれが現実になるとでも思ったかのように。しかし、言わなくともそれはすでに現実として彼女たちの前に立ちはだかっていた。すでに手遅れなのだ。
「ど、どうするのレイナお姉ちゃん?」
「フレヤ怖いよぉ…」
「落ち着きなさい、最後に確認した太陽の位置から考えて、里の方向はこっちで間違いないわ」
それでもレイナイリは長女として気丈に振舞って見せた。その姿を見て、アウェーヌとフレヤノーラの不安も少し和らいだようだった。
「しかし時間の問題ですね…もうすぐ完全に日が落ちてしまいます。そうなれば進むのは困難ですし、何よりも体力の限界が近いです」
ノーティリスは1人小声で呟きながら現状を分析するが、ことここに至っては打開する案など浮かびようもないし、そんな力も持ち合わせていない。
結局、彼女たちは帰り着くことができず、周囲は暗闇で満たされてしまった。
加えて、とうとう体力の限界が来てしまったのだ。
「レイナお姉様!ティリお姉様が!」
「ごめんなさい、ちょっと疲れただけですから…」
そうは言うものの、ノーティリスは明らかに疲労困憊といった体だ。とてもではないがこれ以上歩くのは無理だろう。
「ここで休みましょ。光はわたしが維持するわ」
4人は近くにあった倒木に腰かけて休憩を図るが、精神の疲れが取れることはない。不安を少しでも紛らわせるために周囲を照らしているが、それもいつまで持つかわかったものではない。
現にレイナイリは限界を迎えていた。暗がりを先導するためにずっと魔法を使っていたのだ。いくら素質があり簡単な魔法を使っているとはいえ、未だ幼い少女が長時間の魔法を維持することは困難だ。次第にその光は輝きを失っていく。
「無理しないでレイナお姉ちゃん。光はわたしがつけるから」
「ごめんねアウィ、皆、わたしのせいで…」
レイナイリから、とうとう光と共にその気丈さが消えてしまった。この先どうなるか不安でいっぱいだった。せめて他の3人だけでもと考えたが、自分にはどうすることもできない。
「違いますよレイナ、私たちが皆で決めたことです。だから皆のせいですよ」
その言葉にレイナイリは泣きそうになるが、ぐっと堪える。これ以上皆を不安にさせたくなかった。
彼女たちは少しでも不安を紛らわせるため、その身を寄せ合う。彼女たちは、人生で初めて夜に恐怖した。
一方、里ではアルカーレ4姉妹がいないことで大騒ぎになっていた。
夕食の時間になって、彼女たちを侍女が探すも姿が見当たらず、そのことをベルライトに報告すると彼はすぐさま家を飛び出した。そして、出会う里の住人全てに娘を見なかったか尋ねるが、誰も見ていないと言う。
話を聞いた住人も協力して、里全体を探し回るが見つかることはなかった。
そこでベルライトは娘たちがどこへ行ったかを考える。人を困らせるようないたずらをするはずがない。攫われるにしても、不審な人物を見た住人はいないし、そもそもここは隠れ里だ。到達できるものなどほとんどいないだろう。できたとしても、知らない人間がいれば目立つはずだ。ならば考えられることは…
ベルライトははっと気づく、娘たちは森へ行ったのではないかと。周囲にいた住人たちもその可能性に頷く。
しかし、もう日が沈む時間だ。いくら魔物がいないとはいえ、夜の森は危険である。それに、狼や熊は十分に脅威だ。幼い彼女たちではどうすることもできないだろう。ベルライトは真っ青になりながら、どうすればよいか思考を巡らせる。娘たちを助けたいが、住人を危険な目に合わせることはできない。
それを見た住人は、狩に長けた人間を集めて協力する旨をベルライトに伝えた。彼が住人たちと築いた信頼関係の賜物だろう。彼は住人達に感謝を述べると、役割と分担を指示するのだった。
「騒がしいな」
アルカーレ4姉妹の捜索により里全体が喧騒に包まれる中、ノアは普段と変わらない様子で屋敷内を歩いていた。書庫を出てから慌しい様子の侍女に話しかけると、どうやら4姉妹が行方不明でおそらく森へ入ったのではないかとのことだ。
その侍女からベルライトを手伝って欲しいと言われ、ノアはベルライトがいるであろう場所に歩いていく。その姿にあわてる様子は一切なく、侍女はそれが不満だったが口には出さなかった。
ノアにとって、サクラ、ワカナ、サンサーシャ以外の人間はどうでもいいのだ。その3人が困っているとなればすぐにでも助けるが、人情というものがないノアは3人以外を助けようと考えもしない。3人を助けるのも、彼女たちに頼られることが嬉しいからだ。助けることは手段でしかない。
しばらく歩くと、ノアは目的の人物の気配を感じ取りそこへ向かう。
「む、どうしたんだねノアくん」
ベルライトは近づいてきた人物に声をかける。彼は非常にあせっていたが、他人にそんな姿は見せられないと普段通り堂々と振舞っていた。
「ベルライトを助けてくれと言われた。何かして欲しいことはあるか?」
ノアがこう聞くのは、ベルライトがノアを不自由なく生活させてくれることに対する恩返しのためだ。恩は返すものだと彼の知識の中にもある。だからベルライトを助けるのだ。
「頼む、娘たちを探し出して無事に連れ帰ってくれ。それも、できるだけ早く」
彼を危険な森に向かわせることは心苦しかったが、以前の猪や王都からの手紙で彼がこの里でも最高峰の戦力であることに気づいていた。ゆえに、成人もしていない彼に恥を忍んで願いを伝える。
「いいだろう、すぐに連れ戻す。しばらく待っていろ」
できるだけ早くという言葉を実行するために、そう言葉を残してノアはすぐさま走り去った。その速さは、かつて冒険者として名を馳せたベルライトでさえ驚くほどだった。
里の住人達が必死に捜索を続けている頃、アルカーレ4姉妹は今後どうするかを話し合っていた。フレヤ以外の魔力はすでに尽きかけている。暗闇の中で誰かが見つけてくれることを祈るしかない状況は避けたかったが、焦りと恐怖から頭が回らない。落ちている木を集めて魔法で火を点ければいいのだが、魔法にのみ頼ることを考えてしまいその発想が出てこない。彼女たちにはあまりにも経験が足りていなかった。
「ごめんなさい、私の魔力ももう持ちそうにありません…」
「ティリは悪くないわ。後はフレヤだけね、それもいつまで持つか…」
ノーティリスは謝るが、謝ったところでどうしようもないことはわかっていた。
里は今頃、皆がいないことで大騒ぎになっているだろう。帰ったらこっぴとく怒られるに違いない。でも、この状況から脱出できるのなら、怒られてもかまわないと思った。怒られることができればいいなと思った。
ノーティリスがフレヤに明かりをお願いして、自身の魔法を消す。話でもして気を紛らわせたかったが、言葉がこれ以上出てこない。
静寂の中、魔法の明かりだけが輝いている。
フレヤが明かりを灯してからしばらく後、不意に近くにあった茂みからガサガサと音が聞こえてきた。彼女たちはびくりと身を竦ませる。
「ひっ…」
フレヤは今にも泣き出しそうに声を上げると、魔法の明かりにも揺らぎが生じた。
そして再度、茂みから音が聞こえてくると、低いうなり声を上げながら数匹の狼が姿を現した。今の彼女たちではどうすることもできない相手だ。
「お、狼!?」
「ど、どうしようお姉ちゃん!」
気づいたレイナイリとアウェーヌが驚愕と恐怖で大声を上げる。
魔力があれば追い払う程度はできるはずだが、魔力切れ寸前の彼女たちにはなす術はない。頼みの綱であるフレヤは明かりを維持することすら危うい状態だ。
「う、うう、うわあああああああん!怖いよおおおおおおおお!助けてよおおおおおおおおおおおおお!うわあああああああああああああああん!」
とうとうフレヤは泣き出してしまい、同時に明かりの魔法が消えてしまう。後には、木々の間から見えるわずかな光と、目の前に浮かぶ複数の反射光だけが残る。
それを合図にしたかのように、狼たちが彼女たちに跳びかかった。彼女たちは、お互いに身を抱きかかえ震えることしかできない。
「お父様、お母様、皆…ごめんなさい…」
レイナイリはそう謝罪し、ぎゅっと目を瞑る。しかし、いつまでたっても衝撃は襲ってこない。一体どうしたのかとそっと目を開けると、そこには見知った人物が立っていた。暗がりの中でも、その白い肌はよく見えた。
「ここにいたのか。帰るぞ、ベルライトに早く連れ帰るよう言われたのだ」
そこにはノアが立っていた。彼女たちが狼はどうしたのかとノアの後ろに目をやると、狼はノアを引っ掻き噛み付いていた。
「ノアさん、何やってるんですか!?大丈夫なんですか!?」
ノーティリスは悲鳴を上げるが、ノアに気にした様子は全くない。それどころか、彼女が何を心配しているのか理解できていないようだった。
「何をやっているもなにも、お前たちを連れ帰るために来ただけだ。行くぞ」
「お、狼のことですよ!」
そう言っても、やはりノアに気にした様子はない。
それに、よく見ると狼の爪や牙はノアを全く傷つけていないようだ。噛み付いた腕からは、ガチガチと岩でもかんでいるかのような音が聞こえてくる。ただ、服だけは裂けていっていた。
「狩に来たわけではないが、ついでという言葉があったな。ふむ、2匹ほど持って帰るか」
そう言うや否や、ノアは2匹の首を叩き折り残りを遠くへ吹き飛ばした。あくまで殺すのは最小限にする。首を折ったのは、血で汚れないようにするためだ。
「行くぞ、早くしろ」
「あ、待ってください。えっと、その…」
彼女たちは疲労と恐怖で歩くことがままならない状態だった。そのことをどうにかしてノアに伝える。
「動けないのか。ふむ…」
今回はベルライトに対する恩返しだ。ならば願いはできるだけ叶えなければならない、そう考えてノアは魔力を使用することをよしとした。
ノアは彼女たちに近づくと、身体に触れるように言う。触れなくても魔法は使用できるが、触れていたほうが魔力の消費が少なくてすむ。彼女たちは、ノアの身体に恐る恐る触れると、触れたことを告げる。
その瞬間、周囲の景色がぶれた。未だに森の中にいることは変わりないが、場所が違うことはわかる。ここはどこだとノアに尋ねようとして、気がついた。目の前には明かりが見え、それは彼女たちの住む里であった。
動けないと言っていたが、喜びからか彼女たちはふらふらと里のほうに歩いていく。すると、捜索をしていた住人の1人がそれに気づいてすぐに駆け寄ってきた。彼女たちは、無事里に帰りつくことができたのだった。
「この大馬鹿者がっ!!」
ベルライトの大声が屋敷に響き渡る。
4姉妹が無事発見され捜査が終了した後、ベルライトと彼女たちは彼の書斎に集まっていた。住人たちは、無事を祝って広場でちょっとした宴会を行っている。ノアが持って帰った狼と、ベルライトが提供した酒類がメインだ。
「全く心配させおってから…」
しばらく説教が続く。ベルライトの、「もしかしたら命を落としたかもしれないのだぞ!」の言葉で、彼女たちは真っ青になる。実際、後少しでもノアの到着が遅れていれば、彼女たちは今頃ここにはいなかっただろう。
説教が一段落したところで、彼女たちはそれぞれ謝罪の言葉を口にする。
「申し訳ありませんでしたお父様…」
「申し訳ありませんお父さん…」
「ごめんなさいお父さん…」
「ごめんなさいお父様…」
彼女たちが言葉と共に頭を下げ、しばらくの間重苦しい空気が場を支配する。
彼女たちには長く感じられた短い時間の後、ベルライトがふぅと息を吐く。そして、彼女たちに近づくと、ゆっくりと優しく、しかししっかりと彼女たちをその腕で抱きしめた。
「まったく心配させおってから、本当に…本当によかった…」
そう言って目を潤ませる彼を見て、堰を切ったように彼女たちは涙を流し始めた。
「ごめんなさい、ごめんなさああああああああああい!」
「うう、お父様ああああああああ!」
「うわあああああああああん!ごめんなさああああああああい!」
「うわあああああああああん!怖かったよおおおおおおおおお!」
ベルライトは彼女たちが泣き止むまで、優しく抱き続けた。
彼女たちは泣き止むと、心身ともに疲れ果ててしまったのか眠ってしまう。彼は侍女に任せず1人ずつ部屋へ運び、ベッドに寝かせると優しい表情で「おやすみ」と言うのだった。
勘違いしていた表現を2017/09/25に修正しました。




