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救出とゴブリン・ロード現る

大成達は救出に向かい、ミカリとオリカ達を救出に成功した。

あと狼煙が2ヶ所あったので、別れることにした。

大成が救出に向かった先にマイク達がゴブリンに囲まれていた。

少し離れている場所にマミューラがおり、救出の次いでだと言い、勝負することになった大成。

【合宿3日目の朝・ナドムの森・中央】


「オラッ!1、2、3、どんどん掛かってこい!」

マミューラは、ゴブリンが振りかざした武器など気にせず、身体強化した手と足で武器ごと殴ったり、蹴り飛ばして武器を破壊してゴブリンごと吹っ飛ばしながら倒していく。



一方、大成とはいうと…。


「ギィ」

ゴブリンが大成に向かって、剣で横に凪ぎ払った。

大成は、左手でゴブリンの手首を押すことで、攻撃の軌道をずらして近くにいるゴブリンに致命傷を負わせた。


「4、よっと5、6…」

大成の戦い方は、ゴブリンの攻撃を近くのゴブリンを引っ張り盾にしたり、軌道をずらしたり、攻撃を避けたりすことで同士討ちさせながら倒していく。



そんな2人の戦いの光景を見たマイク達は、釘付けになっていた。


「嘘…。私達は、迎撃が精一杯だったのに…。あれだけのゴブリンの軍団を2人で、いえ、1人で倒しているなんて…」

女子が途中で言い直したのは、大成とマミューラは互いに協力していなかったからであった。


「そうだな。2人とも戦いのスタイルが違うが凄まじいな。マミューラ先生は力でねじ伏せ、大和君は相手の力を利用している…。流石だな」

大成とマミューラの戦いを見て、マイクは自然と解説をしていた。


「「そうですね…」」

マルス達は肯定し見とれていた。

クラスマッチの時に、2人の強さは自分達より各上だと理解したが、今回の件で自分達との実力の差は各上ではなく、次元が違うと思うほどだった。




「36、37、マミューラ先生。そういえば、先に森の中へ向かっていましたが、ここに来る途中、誰か助けたのですか?44…」

大成は気になったので、ゴブリンを倒しながら尋ねた。


「47、ああ、助けようとしたけどな。マルコシアスが子供を連れて助太刀に来たんだ。だから、私はその場をマルコシアスに任せて、ここに来た訳さ。55…」

先程から離れている場所から、感じたことのある膨大な魔力を感じていた。

そして、大きな竜巻が巻き起こった。



「56、57、なるほど。マルコシアスが助太刀してくれているのでしたら心強いですね。あとで、お酒でも持っていこう。61…」

「そうだな。65…」

ゴブリンは、マミューラの背後から攻撃しようとした。

だが、気配を感じたマミューラは振り向かずに裏拳でゴブリンの顔面を潰した。


「ギィ」

顔を潰されたゴブリンは、吹っ飛び木に激突して倒れた。


「なぁ、大和。77、78。ところで、お前は誰が本命なんだ?81、82」

マミューラは、口元を歪めて大成に尋ねた。


「84、ぶっ、い、いきなり何を言うんですか!!88、89」

たじろいだ大成は、危うくゴブリンの攻撃が当たりそうになった。


「なら、お前が負けたら教えろよ。私が負けたら…、そうだな…。お前の女になってやる。どうだ、嬉しいだろう?」

ニヤリと笑顔を浮かべたマミューラ。


「何か、勝っても嬉しくないような…」

大成は、小さな声で呟いた。


「ああん!何か言ったか!?」

マミューラは、後ろにいたゴブリンの頭を鷲掴みして握り潰し、大成に向けて投げた。



投げられたゴブリンは、猛スピードで大成に迫る。

「109、110、111」

大成は、目の前のゴブリンを倒した瞬間、ゴブリンが飛んできた。


「うぉ!?」

「「ギャッ」」

反射的にしゃがんで回避した大成は、後ろを振り返り冷や汗が流れた。


投げられたゴブリンは、背後にいたゴブリン4匹に当たったが勢いは止まらず、離れた岩に5匹纏めて激突し絶命した。


「チィッ」

「ちょっ、マミューラ先生。危ないじゃないですか!妨害ありですか?」

マミューラの舌打ちが聞こえた大成は、ゴブリンを倒したながら抗議する。


「悪いな、手が滑った」

「何か、凄く棒読みなんですけど」

「はぁ、仕方ないな。討伐数には加算しないでやるから、それで手打ちにしろ」

「納得できないですけど、わかりました。137、138」

ギロっと大成を睨むマミューラと溜め息をした大成は、再び数えていく。



凶暴化して1匹1匹が強くなっているゴブリンの軍勢だが、2人の前だと大して変わらなく、2人は普通に会話をしながら倒していく。




暫く時間が経ち、生き残りのゴブリンは、もう僅かになっていた。


2人の周りには、ゴブリンの亡骸で埋め尽くされている。


「ギィ」

ゴブリンが、大成に向かって棍棒を横に振り抜いた。


「ほっと、264!」

しゃがんで避けた大成は、ゴブリンの懐に入り顎にアッパーを入れて吹っ飛ばした。


大成は、最後の1匹のゴブリンに狙いを定めた。

「ラスト!」

周りにはゴブリンの死体で埋め尽くされていたので、大成は最後の1匹に向かってジャンプした。



「264!」

マミューラは、ゴブリンを殴り飛ばし倒した。


「負けるかっ!」

大成に少し遅れ、マミューラも最後のゴブリンへと狙いを定めた。

ゴブリンとの距離は、大成より近かったので、亡骸を踏みつけながら走って接近する。



「ギ、ギィ…」

最後に残ったゴブリンは、上から襲ってくる大成と真正面から襲ってくるマミューラの両方を見て、戸惑い思考が纏まらず、一瞬だったが硬直した。


「「265!!」」

その一瞬の隙に2人に接近され、頭上から大成の踵落としと地上からマミューラのハイキックが、同時に頭に直撃して轟音と共に衝撃波が生まれ、ゴブリンの頭は弾け倒れた。



「フー、引き分けか」

「そうですね」

一息ついたマミューラと大成。


結局、30分も経たない内にゴブリンの軍団を全滅させた。



「俺達、助かったんだよな…」

「うん…」

絶壁の上にいるマルスが呟き、女子が小さな声で肯定した。


「助かったんだ!」

実感するのに少し間を置き、皆が喜んだ。



マイクはムーンサルトで、マルス達は普通に絶壁から降り、大成達に駆け寄った。


「お陰で助かりました。マミューラ先生、大和君、ありがとう。やはり、2人とも凄いな」

「「ありがとうございます」」

「どういたしまして」

「まぁ、その、気にするな…」

マイクの後にマルス達がお礼を言い、笑顔で答える大成と頬を少し赤く染めながら右手の人差し指で頬を掻くマミューラ。


お礼を言われて、マミューラは照れていた。

そんな、マミューラを見て皆は微笑んだ。



「これからのことですが、もう狼煙が騰がってないので、僕達は宿屋に戻る予定です。それで、良いでしょうか?」

1度、皆を見渡した大成は、これからの行動を皆に話した。


「うむ、問題ないな」

「的確な指示だ!大和君」

マミューラは顎に手を当てながら賛同し、マイクは右手の親指を立ててグッドサインをした。

マルス達は無言で頷いた。




【ナドムの森・奥】


その頃、ジャンヌ達は、大成と別れてた後、2つのパーティを助けたマーケンス達と合流して宿屋に向かっていた。


「マーケンス、皆に迷惑かけてないでしょうね?」

「俺が、皆の足を引っ張る訳ないだろ。イシリア」

「昨日のことを、忘れているわよ」

「あの時のことは反省しているから、もう突っつくなよ」

「はいはい」

イシリアとマーケンスの他愛のない会話をしていた。


その時、左から、数を数えれないほどの気配が、波のように押し寄せてくる。


ジャンヌとウルミラは、同時に気配がする左に振り向いた。


「姫様!」

ウルミラは、緊張した表情と声でジャンヌに声をかけて伸縮自在の矛を取り出して構えた。


「ええ、わかっているわ。ウルミラ」

双剣を構えたジャンヌも、珍しく険しい表情になった。


そして、ワンテンポ遅れてイシリアとマーケンスも気付き、ジャンヌとウルミラと同じ方向に身体を向け武器を構える。


「イシリア、どうしたの!?」

ジャンヌ達が武器を構えたので、ルネルは尋ねながら剣を抜く。


「物凄い速さでゴブリンの集団が近づいているわ。その中に数十匹だけ、周りと比べ物にならないほどの魔力を感じるわ…」

「「えっ!?」」

イシリアの答えに、ルネル達は緊張が走った。


「来ます!」

ウルミラが注意を促した。



誰も予想しなかったことが起きた。

木の影からアイス・ボールが次々と飛んできたのだ。


「「えっ!?」」

「「避けてっ!」」

思いもよらない事態に、流石のジャンヌ達も一瞬、判断が遅れた。


「「くっ」」

ジャンヌ、ウルミラ、イシリア、マーケンスの4人は、後ろにいる皆のために、少しでも数を減らそうと思い、回避ぜず飛んでくるアイス・ボールを武器で叩き落としていく。


「「うぉ」」

「「きゃ」」

「「ぐぁ」」

だが、しかし3人が回避できず、直撃して倒れた。


「大丈夫ですか?」

ウルミラは、3人の傍に駆け寄り傷の具合を見る。


「「大丈夫です」」

生徒達は、当たった衝撃で倒れたので大した怪我を負ってはいなかった。


「「エア・スラッシュ」」

イシリアとマーケンスは、風魔法エア・スラッシュを唱えながら剣を横に振り、風の刃を飛ばした。


「「ギャ」」

風の刃は、木々を斬り倒しながらゴブリンも斬り捨てた。



木々が倒れたことで視界が広がり、木々で見えなかったゴブリンの軍団を目の当たりにした。


だが、普通のゴブリンとは違うゴブリンがおり驚愕する。



「ゴブリン・メイジ!?」

「嘘…。こんなところに居るなんて…」

「ああ、もっと過酷な場所にしかいないはずだぞ…」

他のゴブリンと比べ物にならない魔力と魔法が飛んできたことで、ジャンヌ達は予想ができていた。


他の皆は、唖然とし呟いた。



「ルネル達は宿屋に戻って、このことを皆に知らせて。そのあとは、宿屋の防衛をお願いするわ。ここは私達が止めるけど、抜けたゴブリンを討伐をして欲しいの」

ジャンヌが言いながら魔力を開放した。

ウルミラ、イシリア、マーケンスも魔力を開放して一歩前に出た。



ゴブリン達は暴走状態でも、ジャンヌ達が自分達より格上だと肌で感じ怯んで立ち止まった。


「「わかりました」」

ルネル達は、宿屋へと走る。

ジャンヌ達は、ルネル達の姿が見えなくなったのを確認した。



そして、とうとゴブリン達は決断してジャンヌ達に牙を剥いた。


「さてと、ゴブリン・メイジは想定外だったけど。特に問題ないわね。それより、大成が戻ってくる前にさっさと終わらせましょうか」

「はい!アイス・ミサイル」

「もちろんよ。エア・スラッシュ」

「任せてください!アース・クラクッレ」

ジャンヌの掛け声と共に攻撃を開始した。


お互いの魔法が飛び合う中、ゴブリンは同胞が倒れていく中、怯まず血を流しながら前に進む。


ジャンヌ達は、遠距離戦から接近戦に変え、魔法攻撃が当たらない位置を取りをしながら武器で倒していく。



暫く経ち、戦っている最中、とても強い気配を感じたジャンヌ達は、背筋がゾクッとし、周りを見渡し警戒をした。


「何だ、この気配は!?ま、まさかゴブリン・ロードか!?」

「で、でも、何処にいるの!?気配は正面からするけど、いないわよ!?」

マーケンスとイシリアは、自分達より強いとわかるほどの魔力を感じたが、その気配の持ち主の姿が見えないので慌てた。



ジャンヌとウルミラは焦る気持ちを抑え、辺りを見渡し異変に気付いた。


地面が少しだが揺れているのだ。

その揺れが少しずつだが大きくなっていき、ハッと気付く。


「下よ!」

「下です!」

2人は同時に叫び、皆一斉にその場から離れた。


離れた瞬間、地面から勢いよく大きな両手が飛び出した。

両手は、マーケンスとイシリアの近くにいたゴブリン2匹を掴まえて、地中に引きずり込む。


大きな穴ができており、その中から貪り食べる生々しい音が響いた。


激戦を繰り広げていたジャンヌ達とゴブリン達は、時が止まったかの様に、その場に立ち止まった。


そして、再び穴から大きな両手が現れ、今度は地面に手をついて押しながら、ゆっくりとゴブリン・ロードが出てくる。


ゴブリン・ロードの口には、先程の片方のゴブリンを加えており、ゴブリンの内蔵が出ていた。


「「うっ」」

その光景を目の当たりにしたジャンヌ達は、あまりにも生々しく吐き気が襲い、片手で口元を押さえた。


ゴブリン・ロードは、口に加えているゴブリンを食いちぎり、ジャンヌ、ウルミラ、イシリアを見つめて、厭らしい笑みを浮かべた。


その笑みを見て、我に返ったジャンヌ達。

ウルミラ達は、ジャンヌの場所に移動し1ヶ所に集まった。



ジャンヌは、冷静にゴブリン・ロードを視察した。

魔力は、自分とウルミラよりも低いと感じるが、なぜか本能が危険だとアラームを鳴らしている。


ジャンヌは、隣にいるウルミラをチラッと見たが、自分と同じ心境を思わせていた。

ウルミラの表情は、強敵に挑む表情だった。


「まず、皆で先にあのゴブリン・ロードを倒しましょう」

ジャンヌは、本能に従い提案する。

ウルミラ達は、無言で頷き肯定した。


ゴブリン・ロードに無視されたマーケンスだったが、怒りよりも本能が警告をならしているので素直に賛同した。


マルコシアスの件がなかったら、無視されたことに苛立ち、自分一人で立ち向かっていたと思ったマーケンス。

苦い思い出だが、いい経験したなと思い、複雑な気分で苦笑いした。



「行くわよ!エア・ショット」

「アイス・ミサイル・ニードル」

「「エア・スラッシュ」」

ジャンヌの掛け声と共に、一斉にゴブリン・ロードに向かって魔法攻撃を放った。

次回、ゴブリン・ロードとの戦いです。

投稿遅れて、大変申し訳ありません。


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