異変とゴブリン軍団の襲撃
ランドニーが八つ当たりで、ゴブリンの住みかを破壊していった。
最後に大きな祠を攻撃した時、中からゴブリン・ロードが現れ、殺された。
【合宿3日目の早朝・ナドムの森・ラーバス学園側】
霧が濃い中、大成達は朝練で森の中を走っていた。
大成は、怪訝な面持ちで辺りを見渡している。
「大成。先から、ずっと怖い顔をしてどうしたの?」
訝しげな表情でジャンヌは、大成に尋ねた。
ウルミラとイシリアも大成を見た。
「ん?ああ、心配かけてごめん。ただ、森の様子が変だなと思っただけ」
「どこが?」
ジャンヌは頭を傾げ、ウルミラとイシリアも傾げた。
「気にしすぎかも知れないけど。昨日は、あれだけ多くのゴブリンと遭遇したのに、今日は一匹も遭遇してない」
大成達は、訓練のためにわざと魔物気配がする方へと向かい、魔物と戦闘を繰り返していたが、ウルフなどの魔物とは遭遇するが、ゴブリンだけ未だに遭遇していなかった。
「あっ、そういえば…」
「そうね…」
「そうですね…」
大成の言葉で、ジャンヌ達も気付いて胸騒ぎがした。
「あのさ、お願いがあるんだけど。今日は走るルートを変えても良いかな?」
どうしても偶然だと割り切れなかったので、大成はジャンヌ達に提案してみた。
「「良いわよ」」
「はい、構いません」
ジャンヌ達も気になったので快く賛同した。
「ありがとう、助かるよ。どうしても、昨日はあれだけ居たゴブリンが全くいないのは、正直、不気味だから。今日は、念のために、皆が狩りをしている場所を見回ろうと思う」
「「わかったわ」」
「わかりました」
大成達は、方向を変えて向かった。
普段、朝練のランニングは、あえてアップダウンが多い場所や足場の悪いルートを選んで走っているが、今日は皆の安全のために、狩り場を下見をすることにした。
そして、皆が狩りしている場所を見回って行き、最後の場所に着いた。
「ここもゴブリンがいないこと以外は、特に変わったところもない。大丈夫みたいだな…。偶然なのか?それとも、一斉に何処か移動したのか?」
見回った結果に、大成は顎に手を当て仮説をたてながら首を傾げた。
「そうね。でも、普通は一斉に移動はしないわ…」
「そうですね。一斉に移動した話を聞いたことも、見たこともありません。それに、あの…確証はないのですが、何だが、とても胸騒ぎがします」
ジャンヌは大成の仮説を否定し、ウルミラもジャンヌに賛同して不安を伝えて、全員が頷いた。
「一応、念のためにマミューラ先生に報告しましょう」
あえて、イシリアは先生達とは言わずに、マミューラを強調した。
前回も伝えたが、他の教師達はこれぽっちも対応する気配がなかったので、期待はしていなかった。
大成達は何も言わず、無言で真剣な表情のまま頷き、イシリアに肯定し、宿屋へと戻ることにした。
【宿屋】
大成達は、宿屋にたどり着き、マミューラの部屋に向かう途中、すれ違いに生徒達は、次々に森の中へと入って行く。
「あれ?皆、今日は早いな…」
「今日の合宿最後なので、午後からありますライセンス試験の予行練習するためだと思います」
大成の疑問にウルミラは答えた。
大成達は、マミューラの部屋の前に着き、大成がノックをした。
「ん?誰だ?」
「大和です」
「大和か。開いているから入りな」
「「失礼します」」
軽くお辞儀をしながら大成達は部屋に入った。
「「なっ!?」」
部屋に入った瞬間、目の前にタオルで髪の毛を拭いているマミューラの姿を見た大成達は、驚き言葉を詰まらせた。
目の前には、スタイル抜群のダイナマイト・ボディのマミューラがおり、その格好は、大事なところが見えそうでギリギリ見えない黒の極薄のフリルとレースの下着姿、所謂、勝負下着しか着てなかった。
「「み、見ちゃダメっ!」」
「ダ、ダメですっ!」
「ぎゃ~!?」
ジャンヌは右手の中指と人差し指で大成の目を突き、イシリアは左の掌で大成の顎を下から打ち抜き、最後にウルミラは両手で大成を押して部屋の外に追い出した。
部屋から追い出された大成は、悲鳴をあげながら廊下の床の上で両手で目を押さえながら蹲った。
暫くし、部屋の中にいるジャンヌから、マミューラが服を着たと告げられ、今度は警戒しながら大成は、ゆっくりとドアを開けて中に入った。
「なぜ下着姿のままで、僕達を部屋に入れたのですか?マミューラ先生。お陰で酷い目に合いましたよ」
目元が未だに赤くなっている大成は、溜め息をしてジト目でマミューラを見た。
「すまん。だが、別に裸じゃないから構わないだろう?私は気にしないのだがな」
「「気にしてください!」」
ジャンヌ、ウルミラ、イシリアの3人は、声が揃った。
「し、しかも、なぜ、その…しょ、勝負下着なんですか?」
「「そうですよ!」」
頬を赤く染めながらウルミラが尋ね、同じく頬を赤く染めているジャンヌとイシリアも賛同した。
「涼しいからに決まっているだろう。しかし、お前達の年齢で勝負下着を知っているとはな。お前達、さては、持っているのか?それとも、履いたことがあるのか?」
マミューラは、ニヤニヤしながらジャンヌ達一人一人を見渡した。
「「も、持っていませんし!は、履いたこともないです!」」
顔を真っ赤にして、大声で否定するジャンヌ達。
近くにいる大成も、顔を赤く染めて反応しづらかった。
「何をそんなにムキになる?勝負下着は、普通の下着や水着より、多少、布の面積が小さいだけで、大して変わらんだろう?第一、勝負するなら下着なんて履かないだろう?」
「「なっ!?」」
大成達は、マミューラの発言に驚愕して真っ赤だった顔をさらに赤く染まった。
「まぁ、良い。それより、私に用事があったから来たんじゃないのか?とりあえず、座れ」
マミューラの言葉で我に返った大成達は椅子に腰掛けた。
「マミューラ先生、その…」
イシリアが森の異変を説明をした。
「うむ。それは気掛かりだな…」
大成達から状況を聞いて、マミューラ顎に手を当て深刻な表情を浮かべながら考えていた。
暫く経ち、マミューラは立ち上がった。
「一応、他の先生達にも伝えとくが、あいつらは全く信じないからな。期待はするなよ」
最後にマミューラは、頭を掻きながら溜め息をした。
「「ですね…」」
「そうですね…」
大成達は、深刻な表情で頷き肯定した。
とりあえず、相手にされないと思いつつ、大成達はダメもとで他の教師達にも報告しに向かった。
【ナドムの森・中央付近】
その頃、森の中ではマルス達のパーティが狩りの練習のために中央に向かっていた。
「おはよう!」
「「おはようございます。マイク先生」」
横から声を掛けられたマルス達は、振り向きマイクに挨拶をした。
「こんな朝早くから訓練とは、精がでるな。クラス全体で見れば、2組が一番朝練をしているな。自分の力に溺れず、常に努力している。本当に努力家が多く、素晴らしいクラスだ!」
涙流しながらマイクは、右手を前に出してガッツポーズした。
「「あははは…」」
マルス達は、引き気味で苦笑いした。
その時、地面が揺れた。
「「な、何だ!?地震か?」」
「な、何が起きているの!?」
「マイク先生!?」
地面が揺れたことでマルス達は動揺した。
「皆、まずは落ち着くんだ」
マイクが落ち着かせようとした時、木々の隙間なくゴブリンが押し寄せてきた。
「「えっ!?ゴ、ゴブリン!?」」
狩り慣れたゴブリンだったが、あまりの多さに唖然とし、その場に立ち尽くしていたマルス達。
「「ギャギャ」」
ゴブリンが目の前まで迫ってきた。
「なんて、多さだ…。こっちに向かって来ている。このままではヤバイぞ!アース・マウンテン」
マイクは驚きはしたが硬直せず、このままだと危険と判断し、慌てて地面に両手をつき、土魔法アース・マウンテンを唱え発動した。
マイク達の足元の地面が5mの高さまで一気に盛り上がった。
マルス達に、飛び付いたゴブリン達は、盛り上がった大地に激突して倒れた。
それでも、ゴブリンの勢いは止まらず、倒れたゴブリンを気にせずに、後ろにいたゴブリンがその上に乗り、必死によじ登ろうとするが登れなかった。
だが、あっという間にゴブリン達は、マルス達を囲んだ。
目の前の光景は、群がるゴブリンで埋め尽くされた。
「な、何だ?これは…」
「どれだけいるんだ?」
「私達どうなるの…?」
「マ、マイク先生っ。私達これから、どうすれば良いのですか?」
マルス達は、マイクにすがる思いで尋ねた。
「皆、落ち着くんだ。俺はレゾナンスで、このことを先生達に報告して救助を求める。その間、すまないがゴブリンを見張ってくれ。もし、登ってきそうだったら魔法で撃ち落とすんだ」
「「わ、わかりました」」
マイクは、緊急信号と救援信号の狼煙をあげ、精神干渉魔法レゾナンスを唱え発動し、マルス達は周りを警戒した。
【宿屋・集いの間】
マミューラと大成達は、教師達が集まっている集いの間へ行き報告をした。
「また、ですか。困ったものです。ゴブリン・ロードがいる確かな証拠を持ってきて下さい。証拠があれば、私達も積極的に協力しますよ」
一人の教師が、溜め息をしながら答えた。
「そうです。それに、何も心配はいりませんよ。もし、何か起きても私達先生が、生徒の皆さんを守ってあげます」
さらに、別の教師が続き、他の教師達もやれやれという感じの態度をした。
予想していた通りだったので、大成達は表情には出なかったが、内心は怒りよりも呆れ果ていた。
その時だった。
突如、勢いよくドアが開いた。
生徒数名が息を切らせながら、慌ててノックもせずに部屋に入ってきたのだ。
「な、何事ですか?」
「せ、先生っ!ハァハァ、た、大変です!」
「どうかしましたか?そんなに慌てて」
「も、森から赤と黄色の狼煙が。いえ、緊急信号と救援信号が、あちらこちらに焚かれてます」
「「な、なんだと!」」
教師達は、慌てて窓を開け森の方を見た。
霧が掛かった森から、6ヵ所から赤い狼煙の緊急信号と黄色の救援信号が騰がっており、森の奥から、ほぼ全体に狼煙とは別に無数に小さく紅く光るものが見えていた。
「なんだ?狼煙ではなく、あの紅く光っているのは…」
「見たことがないぞ…」
訝しげな表情で教師達は目を細めて見ていたら、周りに魔力が集まりレゾンナンスが発動した。
相手はマイクだった。
マイクは緊急時だったので、対象を個人ではなく範囲指定にして、範囲に居る者全員が聞こえるようにした。
「こちら、マイクだ。目を紅く光らせたゴブリンの集団。いや、これは、もう…軍団と言っても過言ではない。およそ約500匹が、襲ってきている。今、森にいる我々だけでは、生徒全員を救助できない。至急、救援を求む」
マイクは、異常事態でもパニックにならず冷静に状況を伝えた。
「う、嘘だろ…」
「まさか…。本当にゴ、ゴブリン・ロードが出現したというのか!?」
「もし仮にそうだとしたら、我々の手に終えないぞ…」
驚きの真実に、狼狽える教師達。
「おい!狼狽えている場合か?さっさと救援に行くぞ」
「「うっ」」
狼狽える教師達に、大成は睨みを利かせ言い、教師達は怯んだ。
「せ、生徒の君に言われなくても、わかっている」
「なら、さっさと行くぞ」
大成達は教師を促して部屋から出た。
外へ出た大成は、少しでも時間が欲しかったので、魔王ということを隠している場合ではないと判断した。
「グリモア・ブック、レゾナンス」
大成は、教師達や生徒達の前で、グリモアを出し、精神干渉魔法レゾナンスを唱えた。
「「えっ!?」」
教師と生徒達は、大成がグリモアを出す姿を見て驚愕したが、しかし、未だに信じられず呆然と立ち尽くしていた。
【ナドムの森・奥】
マーケンス達は、訓練のために森の奥にいた。
「な、何だ?あの紅く光っているのは」
先頭を歩いていたマーケンスは、霧の中に小さく無数の紅く光っているのを発見して目を細め凝らした。
大地が揺れながら木がへし折れる音がし、無数の紅く光っているのが、どんどん何かが近づいて来る。
「何か、こっちに近づいてくるわ」
ルネルは、鞘から剣を抜き、握り締めた。
それに続くようにマーケンス達も武器を握り締め構えた。
「「ギャギャギャ…」」
茂みの中からゴブリンが出てきた。
いつもなら多くっても3、4匹なのだが、今回は30匹ぐらいの集団で襲ってきた。
「ゴ、ゴブリンよ!でも、尋常じゃない数だわ!」
あまりの数に驚愕して、ユニは身体と声が震えた。
ルネルとマルチスも唖然として武器を構えているが、ただ立ち尽くして戦闘できない状態に陥っていた。
「エア・スラッシュ」
そんな中、マーケンスは、魔力全開で風魔法エア・スラッシュを唱え、大剣を横に振り、風の刃を発生させた。
風の刃は、ゴブリンを胴体を真二つに切断しても風の刃は消えず、後ろにいたゴブリン達も切断していった。
マーケンスは、身体強化をしてゴブリンに向かって走り、立ち向かう。
「アース・ショット」
「アイス・ミサイル」
「エア・ショット」
マーケンスの背中を見て、我に返ったルネル達は魔法で援護して、マルチスとユニは魔法を放った後、すぐに接近して接近戦に持ち込んだ。
「「ギョェ」」
ルネル達の魔法が、マーケンスに飛び掛かったゴブリンに命中してゴブリンは空中で殺られ、そのまま下にいる他のゴブリンの上に落ちた。
「ガーディアン・コア」
ルネルは、続けて土魔法ガーディアン・コアを唱え発動した。
地面がえぐれながら土が集まり、大きな人型になっていきガーディアンを召喚した。
そのあと、すぐにMPポーションを飲み、剣を持ってガーディアンと共に皆のところに向かった。
「ウォォォ」
マルチスは、雄叫びをあげながら短剣でゴブリンの腹を斬り、短剣を持ったまま一本背負いをしてゴブリンの集団に投げつけた。
「アイス・ミサイル」
ユニは、氷魔法アイス・ミサイルを唱え発動して、氷の矢を作り出し、ゴブリンの足元を狙いを定めて放った。
氷の矢は、ゴブリンの足を串刺しにした。
串刺しにすることで、身動きを封じ後ろから来るゴブリンの勢いを止めようと思ったユニだったが、後ろにいるゴブリンは気にせず、前にいるゴブリンを押し倒しながら前に進んだ。
「嘘、勢いが止まらない!?」
「おいおい…」
「なっ!?」
「えっ!?」
予想外の事態でユニ達は驚いたが、今までの経験が生き、すぐに冷静に戻りゴブリンを退治していった。
ゴブリンと交戦中に、精神干渉魔法レゾンナンスが発動した。
相手は大成だった。
「マーケンス。今、森の中か?」
大成は、教師や生徒が周りにいたが気にせず、マーケンスにレゾナンスで連絡をとった。
今回は、宿屋や森の中にいる皆にも状況を知って貰うため、大成は魔力の消費が激しいがレゾナンスの範囲を広範囲にした。
「ああ。今、森の中にいるぜ。オラッ!」
マーケンスは大剣を横に凪ぎ払い、纏めてゴブリン3匹の胴体を真二つにした。
「戦闘中か?すまないが、森の中はどうなっている?」
ゴブリン・ロードの可能性が高いと思い、ゴブリン・ロードが存在している前提で話し、ゴブリンを相手に、マーケンスが負けるとは思えないので、大成は構わず話を進めた。
「目を紅く光からせたゴブリンが集団で襲ってきている。ぐっ」
ゴブリンが斬りかかってきたので、マーケンスは大剣で受け止めた。
「だぁっ、オォォ…。しかも、凶暴化しているみたいで、今まで倒してきたゴブリンより一匹一匹が強く、普段は連携攻撃をしないはずだが、今は連携をとって倒しづらくなっている。とりあえず、今は倒しながら撤退している状況だ」
鍔迫り合いから一気に身体強化を強め、一歩踏み出して押したことで、ゴブリンがバランスを崩した隙を見逃さず、ゴブリンの左肩から右脇腹にかけて斬った。
「なるほど。あと、もう1つ聞きたい。まだ、体力に余力はあるか?」
「俺のパーティは、大丈夫だ」
マーケンスは、ルネル達の戦闘を見て判断した。
「やぁっ」
最後のゴブリン一匹をユニが、剣で腹を刺して退治した。
大成は本題に入った。
「そうか。俺達も救助に今すぐ向かうが、すまないがマーケンス達は戻らずに、そのまま他の生徒達の救助を頼みたいのだが…」
教師より強いと確信しているマーケンス達に、救助を手伝って貰いたかった。
「わかったぜ。ちょうど、片付いたから救助に向かう」
「ああ、助かる」
大成は、マーケンスに感謝し、レゾナンスを解除した。
「やっと、片付いたわね」
「だね。ルネルちゃん」
「ふぅ、そうね」
水筒のお茶を飲みルネル達は、一息ついた。
「悪いが、大和からの頼みで俺達は、これから撤退せずに他の生徒達の救助に向かうことになった。体力は大丈夫だよな?」
「大丈夫だ、マーケンス」
「「大丈夫」」
マーケンスの指示にルネル達は、愚痴を溢さず快く賛同し、空を見上げて狼煙があがっている場所に向かった。
【宿屋】
宿屋では、大成の周りにいる教師や生徒達が大成が魔王だと気付き、小さな声でざわつき出したが、誰も大成に話しかけずにいた。
「私は、先に行っているからな」
面倒なことが嫌いなマミューラは、救援に行くメンバーの隊長に任命されると悟り、一方的に用件だけを言って返事を聞かずに森の中へと向かった。
「あははは…。次はエコー」
マミューラの勘の良さに苦笑いした大成は、続けて拡声魔法エコーを唱え発動した。
「俺は2組の大和大成だ。今の会話が聞こえたはずだ。森にゴブリンの大群が押し寄せて来ている。中には、襲われている生徒達がいる。俺や先生達は、今から向かう。だが、自信がある者は、狼煙が騰がっている場所へ行き、救助に向かって欲しい。作戦は簡単だ。近くにパーティを見つけたら合流し、大きな集団を作っていく。戦闘は主に魔法で攻撃し、数名は接近された時に迎撃要員だ。時折、役割は交代しろ。自信が無い者は、速やかに宿屋に戻れ。最後に、もしゴブリン・ロードが見つけたら手は出さずに、その場から離れ場所を伝えろ以上だ」
スピーカーみたいに大成の声が大きくなり、宿屋や森中に響き渡った。
先程までゴブリンや狼煙で騒ぎ、パニックだった場が静かになった。
「「……。」」
「た、大変だっ!ゴブリン・ロードだと!?」
「とんでもないことが起きているぞ!」
「私達は、これからどうするの?」
「とりあえず、俺達の手で皆を助けよう」
「でも、ゴブリンは強くなっているみたいよ」
全員は、これからどうするかなどを話し合い纏まっていく。
「俺達は先に行きますので、先生達は救援隊の指揮をお願いします」
大成は、軽くウォーミングアップしながら頼んだ。
「「わかった…」」
間を置いて教師達は返事をした。
「じゃあ、俺達も行こうか」
「「そうね」」
「そうですね」
大成達は、森の中へと向かった。
次回、救出です。
投稿が遅れて大変申し訳ありません。
やっと、少し落ち着いたので、3日か1週間に1回投稿できると思います。
誤字脱字が多く、申し訳ありません。
次回作は、寝ならないで書きますので、もし宜しければ、御覧ください。




