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ランドニーとゴブリン・ロード

マルコシアスとの争いが終わった大成。

【合宿2日目の朝・ナドムの森・奥・守り神の領域】


「はぁ~、良かった~。元気になって」

その場で座り込んだ大成は両足を開き、両手を地面についてマルコシアスの親子を眺めた。


マルコシアスの子供は、大成に近づき体を擦り付けたり、手を舐めたりして、まるで感謝しているかのようだった。

そんな、マルコシアスの子供の頭を大成は優しく撫でる。



その後、すぐにジャンヌ達が駆けつけた。

「大成!皆、大丈夫?」

ジャンヌが心配している表情で尋ねた。



イシリアは、手前に座り込んでいるマーケンスに駆け寄る。

「あっ、イシリア」

「この馬鹿っ!どれだけ心配させるのよ!」

イシリアは、マーケンスの頬をビンタした。

ビンタの甲高い音が響き、皆はイシリアとマーケンスに視線を集めた。


「……。」

頬を叩かれたマーケンスは、イシリアの顔を見て目を大きく見開いた。


イシリアは、目元が赤く染まり目から涙が溢れていた。

「心配かけて、ごめん…」

マーケンスは、気まずそうに謝る。


「今回は許さない!マーケンス、あなたの身勝手なせいで皆が死んでいたかもしれないのよ!」

「本当にごめん…」

イシリアの言葉が心に刺さったマーケンスは、俯いて謝る。


「イシリア様、俺も悪いんだ。ランドニー先生の言葉で唆され、俺がマルコシアスを倒せば、ヘルレウスメンバーになれるかもしれないと言ったから…」


「イシリア。私も悪いわ。どうにかして2人を止めていれば、こんなことにならなかったわ」

「それなら、私もそうだよ。それに、ルネルの言う通りだよ」

マルチス達が、マーケンスを庇った。


「イシリア、もう良いだろう?マーケンス達も十分に反省しているから」

マーケンス達から離れていた大成は、苦笑いしながらジャンヌ達の方へと歩み寄った。



大成の声が聞こえたジャンヌは、大成の姿を見て悲鳴みたいな声を出す。

「ちょ、ちょっと大成!あなた大丈夫なの!?」

「ん?」

日頃、見せない表情だったので何かと疑問に思った大成だったが、周囲と自分の体を見て理解した。


辺りの木はへし折れ、大地はえぐれ、ここが森だったとは思えないほど荒れていた。


大成の制服はボロボロになっており、あちらこちら破れて血も滲んでいた。


「ああ、大丈夫。制服はボロボロになっているけど、大した怪我はしてないよ」

苦笑いしながら大成は答えた。


ウルミラは大成に駆け寄り、大成の袖をまくり上げて怪我を確認し、ホッと胸を撫で降ろした。


「大丈夫です。かすり傷だけです」

「もう、心配したんだから…でも良かったわ。大したことなくて」

「大成君、ありがとう。そして、ごめんなさい。私の弟のせいで…」

「無事でなによりです」

ウルミラの報告に安心したジャンヌとイシリアは大成に抱き、ウルミラも抱きついた。


暫くの間、抱きついたままだったが、冷静に戻ったジャンヌ達は、マーケンス達も居ることを思い出し、顔を真っ赤にして慌てて大成から離れた。




マーケンス達は、ジャンヌ達の雰囲気を見て声をかけづらく、暫く待ち声をかけた。


「や、大和じゃなかった。修羅様、この度はご迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした」

「「申し訳ありませんでした」」

先にマーケンスが頭を下げ、その後に一斉に頭を下げたルネル達。


「いつも通りに、接して貰いたいんだけど。それより、先も聞いたが、マルコシアスの子供を攻撃して酷い目に合わせたのは、お前達か?」

マーケンス達の態度を見て大成は溜め息をし、再び威圧感を出して睨めつけながら本題に入った。


「「~っ!」」

マルコシアス以外の皆は息を呑み、大成のプレッシャーを受けて顔を強張らせた。


もし嘘をついたら大成は、相手が友達でも殺すかも知れないと思わせるほどだった。


ジャンヌ達は、マーケンス達をフォローしようと思ったが、そんな生易しいことが許されないと理解し、ただマーケンス達を心配することしかできなかった。



「で、どうなんだ?」

大成は、今度は威圧感を抑え促した。

大成の背後からマルコシアスは静観している。


少し間が空き。

「や、大和君達が、わかりやすいように経緯から話します」

小さく深呼吸したルネルが言葉を出した。


「助かる。あと、マルコシアスは、子供に通訳を頼む」

一人称が修羅様から大和君に戻り、大成は少しだけ口元を緩めたが、マルコシアスに本当かどうかを、マルコシアスの子供に聞いて貰い判断させることにした。


マルコシアスは頷き、子供に話しかけた。

そして、ルネルの説明が始まった。

マルコシアスの子供は、何度も頷き肯定した。

内容は大成達が思った通りだった。



「そうか…。やはり、元凶はランドニーか…」

呆れた大成は、溜め息をついた時、精神干渉魔法レゾナンスが発動した。

相手はダビルドだった。


「修羅様、ターゲットのランドニーを確保しました。如何されますか?」

「ナイス、タイミングだ。ここに、連れてきてくれ。場所はわかるか?」

「派手に暴れた場所から動かれていますか?」

「いや、動いてない」

「では、問題ないです。すぐに連れてきますので、少々お待ちください」

「ああ、頼んだ」

「ハッ!」

ダビルドがレゾナンスを解除した。



「もう、少ししたら、ここに元凶のランドニーが来る。俺の質問が終わった後の処罰は、マルコシアスに任せる。もちろん、殺しても構わない」

抑揚のない声で大成は皆に話した。


誰もランドニーを庇う者は居らず、何も言わなかった。




暫くして、ダビルドは、ランドニーをロープで拘束しており、そのロープを引っ張ってやってきた。

ランドニーの左右にはドトールとミシナが囲っていた。


「お待たせしました」

「ありがとうダビルド、それにドトール、ミシナ。これで、面子が揃った」

大成は一度頷き、話を進めた。



「では、ランドニー。お前は罠を仕掛け、無防備なマルコシアスの子供にアイス・ミサイルで攻撃したよな?」

大成は、ランドニーに歩み寄り質問した。


「私が、そんな酷いことをするわけないだろう!がはっ…」

怒鳴るような感じに答えたランドニーだったが、すぐに両方の太股に痛みが走り、地面に膝をついた。


太股を見るとスロー・ダガーが左右に一本ずつ刺さっていた。

もちろん、投擲したのは大成だった。


大成は、ランドニーが嘘をついた瞬間、ポシェットからスロー・ダガー2本を取り出し投擲したのだ。



「ぐぅ…。な、何をする!?お前、わかっているのか?お前なんか平民の、しかも人間風情が、貴族の私を傷つけたんだ。ただでは済まされないぞ!」

ランドニーは、痛みで汗を流しながら叫び、大成を睨み付けた。


「そんなことは、どうでも良い。それより、嘘をつくな。今度、嘘をついたら腕を、次に足を切り捨てるからな。心しとけ」

溜め息をした大成は、右手に魔力を込めて村雨を発動した。


更に村雨に魔力を込めて長さが5mぐらいまで伸ばし、近くにあった直径2mぐらいの岩に向かって振り下ろした。


岩は抵抗もなく真っ二つに切断され、切口がテカテカと光っていた。



「「~っ!?」」

皆は、村雨の切れ味に驚愕し、呆然と岩を見ていた。

ジャンヌ、ウルミラは、切れ味をある程度、知っていたつもりだったが、まさか岩も切断できるとは思ってもみなかった。


「わ、わかったから、それを閉まってくれっ。そ、それに、な、何を基準に私が嘘をついていると判断しているんだ?」

大成の村雨を見て、恐怖して震えだしたランドニーは、疑問に思ったことを尋ねた。


「質問しているのは、俺だ」

再びポシェットから、スロー・ダガーを2本を取り出して投擲した。


「うっ」

今度は、ランドニーの両肩に刺ささり、痛みで上半身を倒して地面に額をつけた。



「まぁ、確かに納得いかないよな。仕方ない、教えてやる。マルコシアスの子供に聞いているからな」

「ば、馬鹿なことを言うな。魔物が話すことができるはずがないだろう」


「ああ、確かに話すことはできないが会話はできる。なんせ、レゾナンスが使えるからだ。お前は、知らなかったみたいだな。まぁ、俺も先程に知ったばかりだが」

「くっ」

予想外のことでランドニーは、苦虫を噛み潰したような表情になった。


「それじゃ、質問の続きをしようか…」

次々と質問する大成に対して、嘘がつけなくなったランドニーは、時折、押し黙ったりしたが大成に睨まれ答えていった。



「全て話したぞ。早く、私を解放しろ!」

相変わらず強気のランドニーに、大成達は呆れた。


「残念だが、まだだ。確かに俺の質問は終わったが、最後にマルコシアスが判決を下す」

大成は、興味のない眼差しをランドニーに向けた。


「お、おい…。じょ、冗談だよな…。き、き、聞いてないぞ…」

マルコシアスが一歩前に出た時、強気だったランドニーは、再び震えだして絶望した表情に変わった。


「ひ、ひぃっ…」

マルコシアスは、右前足を挙げて振り下ろし、ランドニーを地面に叩きつけた。


ランドニーは、頭を殴られて地面に押し潰され、鼻や歯は折れて出血し、血と泥まみれで見るのが悲惨な状態になった。

こうして、一段落した。




大成は、ウルミラに手当てをして貰いながら、マルコシアスが何か言いたそうだったので、話を振ってみることにした。


「で、マルコシアス。他に、何か言いたいことあるのか?」

「そこの小僧、その剣技は誰に習った?」

レゾナンスで皆に聞こえるように話したマルコシアスは、マーケンスの方に顔を逸らした。


「俺の剣技は、父さんの剣技を見て覚え、大和にコツを教えて貰ったんだ」

緊張しながらマーケンスは答えた。


「なら、お前は、ローケンス坊やの子供か?」

「父さんは、坊やではないけど、そうだ!」

マーケンスは首を傾げた。


「フハハハ、やはりな。殺さなくって良かったぞ。しかし、ふむ…。小僧、お前はローケンス坊ややマミューラ嬢ちゃん達みたいに才能があるな。私が保証しよう。だが、慢心はするなよ」

値踏みする様な視線でマーケンスを見たマルコシアスは、納得したかのようにマーケンスを褒めた。


「わかっているぜ。それに、俺の近くに俺より凄い才能の持ち主がいるから慢心はしないさ」

「まぁ、確かに。フハハハ」

そう言ってマルコシアスとマーケンスは、大成の方を見て哄笑した。



それから、マルコシアスは、ローケンスやマミューラの過去話をして盛り上がった。


「「そんなことが!」」

「お頭が…」

幼いマミューラの意外なことを知り、驚くダビルド達。


「あの、マミューラ先生がね…」

イシリアが呟き、大成達も驚いていた。


「ん?マミューラ嬢ちゃんは、先生になっているのか?」

「ああ、俺達の担任になっている」

「「そうだぜ」」

「「そうです」」

「そうか…。まさか、あのマミューラ嬢ちゃんがな…」

意外だったマルコシアスは、笑顔を浮かべていた。


こうして、マルコシアスと別れた大成達は宿屋に、ダビルドは隠れ屋に戻ることにした。




【宿屋】


大成達は、ゆっくりと歩きながら宿屋に戻り、着いた時は既に昼過ぎだった。


「マミューラ先生!大和君達が戻ってきました」

大成達を見つけたマルスが、マミューラに報告した。


マミューラは、面倒なことが嫌いな自分が、カレーのために動いたのに、肝心な大成がいなかったので不機嫌になっていた。


「おい!何処に行っていたんだ?大和。食材は揃えたんだ。さっさと作れ!」

ブスッとした表情で、大成に駆けつけた。


だが、すぐに大成の姿を見たマミューラは威圧感を高め、大成を睨めつけた。

「おい!大和。まさか、マルコシアスを殺したのか?」


「殺してません。まぁ、少し争いましたけど。争いの原因になったのは、コイツのせいですよ」

溜め息をした大成は、気絶しているランドニーの右足を右手で掴んで、ここまで引きずって運んだ。


大成は、ランドニーを引きずりながらマミューラの前に出した。



「説明は、カレーを作りながらで良いですか?」

ハードな戦いを終えて疲れていた大成は、約束を思い出して溜め息をした。


「手を抜くなよ」

マルコシアスが無事なことを聞いたマミューラは、いつも通りの調子に戻った。


「わかってますよ」

大成は溜め息しかできず、トボトボとキッチンに向かった。



そんな、大成の姿を見たウルミラは、決意した表情に変わった。

「あ、あの、もし宜しければ、私も手伝いましょうか?」

「本当に助かるよ。ウルミラ」

大成は、涙ぐみながら両手でウルミラの手を握り、お礼を言った。


「あ…」

ウルミラは、手を握られて頬を赤く染めた。


そんな、2人を見ていたジャンヌとイシリアは、迷わなかった。

「「私も手伝うわ!」」

2人は声が揃った。


「「えっ!?」」

大成、ウルミラ、イシリアは顔が青くなり、同時にジャンヌの方を見た。


「な、何か問題でもあるの?」

ジャンヌは、怪訝な表情で大成達を睨めつけ尋ねた。


「い、いえ、姫様に料理をさせましたら、私が他のヘルレウスメンバーに、怒られますので…」

慌てて誤魔化すウルミラは必死だっだ。


((ナイス!ウルミラ!))

大成とイシリアは、心の中でウルミラに感謝した。


「そうよ、ジャンヌ。周りに気付かれない個人の弁当なら、いざ知らず。今回は、大衆の面前なのよ。やめた方が賢明だと思うわ。ねぇ、そう思うでしょう?大成君」

イシリアは、大成の方を向いて笑いウィンクした。


(おい!)

大成は、目線でイシリアに訴えた。


「確かに、そうね。今回は残念だけど諦めるわ。そうだ、久しぶりに、今度また弁当を作ってみようかしら」

早速、顎に手を当て弁当のメニューを考えるジャンヌ。


「あ、あのさ。せっかくだし、今度は僕も弁当作るから、皆で皆のを食べ比べをやろう」

(こうなったら、道連れにしてやる!)

今度は、大成が邪悪な笑みを浮かべいた。

その笑みを見たウルミラとイシリアは、大成の思惑を知り顔が青くなった。


「それは、良いわね!」

「「えっ!?」」

大成の意見に、ジャンヌは胸元の前で両手を合わせて笑顔で賛同し、ウルミラとイシリアは顔が引きづりながらたじろいだ。



「おい!お前達。とっとと早く作れ」

「「わかりました」」

不機嫌なマミューラの声に、大成達は返事をした。


そして、カレーを作りながら説明をする大成。

大成の周りには、大勢の女子達がカレーの作り方を覚えるため集まっており料理を手伝った。


マルコシアスの話が終わり、カレーも完成した。

「手伝ってくれて、ありがとう。簡単な料理だっただろう?」

「「ありがとう大和君」」

女子達は、笑顔で大成に感謝した。



「ウルミラ様とイシリアの手料理が食べられる日が来るとは」

「だな!」

「ですね!」

教師と男子達は、はしゃいだ。


「「お、美味しい」」

「癖になりそう」

「だね」

「今まで、食べたことがない味だわ」

女子達は、驚いて話ながら食べていた。



マミューラはというと無言で夢中で食べ、おかわりしていた。


「どうですか?マミューラ先生。どうぞ」

大成は、カレーをよそって渡した。


「ああ、美味いぞ。食材取りに行ったかいがあった」

「満足して貰って、良かったです」

大成達も、カレーを食べ始めた。



「あっ、大和。そういえばさ。昼頃に俺達は、修羅様に会ったんだ。羨ましいだろ?」

カレーを食べながらマルスは、大成に自慢した。



「「ゴッホ、ゴッホ、えっ!?」」

大成の近くで食べていたジャンヌ達は、驚いて噎せた。


(大成、あなたの偽者が現れたみたいね。どうするの?)

(話を聞いてから判断するよ。まだ、実害は出てないみたいだし)

(そうですね)

(そうね)

(わかったわ)

小さな声で、大成達は相談をした。



「へぇ、それは凄いな。それで、何か会話した?」

大成は落ち着いて、話を聞いた。


「ああ。それで。いろいろと聞いたんだけどさぁ…。ここでの話だが、毎夜、ジャンヌ様とウルミラ様が積極的に夜伽に来ているらしいぜ」

ジャンヌ達を気にしながら、聞こえないように小さな声で大成に話したマルスだったが、近くにいたジャンヌ達にも聞こえてしまった。



「なっ!?」

「ふぇ!?」

ジャンヌとウルミラは、頬を染めて声をあげた。


「何よ!それ!どういうこと!?」

ジャンヌは、顔を真っ赤にして叫びながら立ち上がった。

ウルミラは、顔を真っ赤にしながら俯いた。


「へぇ~」

面白そうな表情をしているイシリア。


「ち、違うのですか?」

マルスは、ジャンヌの迫力に圧倒されて腰が引きぎみなった。


「あっ、当たり前でしょう!ねぇ、大成、ウルミラ」

大成とウルミラに振り向くジャンヌ。


「そ、そうですよ」

ウルミラは肯定したが、大成は何も言わなかった。


「あれ?何で、大和の名前が?」

「つ、つい、名前が出たのよ。気にしないで」

マルスの疑問にジャンヌは慌てた。


「はぁ?」

納得できなかったマルスだった。


「ところで、マルス。修羅様の戦闘を見たか?」

大成は、お茶を啜りながら質問した。


「ああ、もちろん見たぜ。でも、手加減していたのか大した魔法は使ってなかった。ゴブリン2匹を相手に、アイス・ミサイル6発だった。それが、どうしたんだ?」

「その時、グリモア・ブック…。いや、魔法書は持っていたか?」


「「あっ!?」」

大成の言いたいことを理解したマルス達は、驚いて目を見開いた。


「そういえば、持ってなかったよな」

「そうね」

「なら、偽者か!?」

「俺達の国の魔王様を貶したアイツらは許せない!」

「「そうだ、そうだ!」」

「今度、見つけたら捕まえようよ」

「「オオッ!」」

いつの間にか周りも話題に参加したおり、皆は怒りへと変わっていった。


こうして昼食が終わり、生徒達は偽者の捜索を始めたが、結局は見つからなかった。



【ナドムの森・夜】

深夜、一人の人影が宿屋を出て森の中へ入った。


川の傍へと歩み寄り、除き混んだ。


「くそ、くそ、糞が~!よ、よくも、この私を~!」

ランドニーは、治療のため包帯をグルグル巻かれ素顔が見えない自分の顔を見て荒れていた。



「はぁ、はぁ~」

息を整えたランドニーは、ゆっくりと立ち上がり、森の奥へと入った。


「ファイア・ボール」

そして、八つ当たりでゴブリンを、もしくはゴブリンの住みかを見つけて討伐し破壊していく。


暫く経ち、大きな祠を見つけた。

「これで最後にして、そろそろ戻ろうか。アイス・ミサイル」

祠の前で手を伸ばし、氷魔法アイス・ミサイルを唱え発動して、氷の矢を16本を撃ち込んだ。


「「ギャッ!」」

「フッ」

祠の中から悲鳴が聞こえ、ランドニーは笑みを浮かべながら、生き残りのゴブリンにとどめを刺すために、中へ入ろうとしたが足を止めた。


祠の中から、一際大きな体格の影が近づいてくる。

「な、何だ?」

一歩退くランドニー。


そして、祠から出てきたのは、2mぐらいある巨体で王冠を被ったゴブリンだった。


「ま、まさか…。ゴブリン・ロードだと…」

ランドニーは、唖然として呟いた。

立ち止まっている間に、ゴブリン・ロードは大地を揺らしながら近づいている。


ゴブリン・ロードは、ランドニーを見て口元を歪めた。


固まっていたランドニーだったが我に返った。

「ひっ、う、うぁぁ~!」

悲鳴をあげたランドニーは、腰が抜けて尻餅をつき、ゴブリン・ロードに背中を見せて這いつくばりながら逃げようとする。


だが、ゴブリン・ロードは、背後からランドニーの頭を捕まえて持ち上げた。


「た、助けてくれ…。頼む…」

涙を流しながら命乞いをするランドニーは、恐怖で体が硬直していた。


そして、次第に少しずつ、頭を掴まれている手に力が入ってくる。


「ひぃっ、や、やめてくれ~!」

ランドニーは、慌てて足をバタつかせながら、必死に頭を掴んでいるゴブリン・ロードの手を両手で外そうとした。


「グガガガ…」

ゴブリン・ロードは、笑い声をあげながら一気に手に力を込めた。


「ぎゃ~!」

悲鳴をあげたランドニーは、頭を握り潰されて糸が切れた人形のように手足が垂れ下がった。


「グォォ!」

ゴブリン・ロードは、ランドニーを食べて雄叫びをあげた。

周りにいたゴブリン達は、目を紅く光らせた。

次回、ゴブリン・ロードがゴブリンを集め、大成達を襲います。

誤字、脱字が多く、大変申し訳ありません。

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