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クラスマッチ後と合宿の準備

クラスマッチの最後のイベント。

教師VS生徒で、マミューラと大成が戦った。

結果はドロー(引き分け)だった。

【ラーバス国・屋敷】


クラスマッチが終わり解散した後、屋敷に戻った大成達。

ローケンスは、大成の計らいで家に戻ることになった。


「「お帰りなさいませ」」

玄関が扉が開き、中に入ると両側にいるメイド達が待機しており、一同は一斉にお辞儀をした。


「「ただいま」」

「ただいまです」

大成達も挨拶して奥へと向かった。



(いつ経っても、これは慣れないな…)

「あ、そうだ。すまない、言い忘れていたが今から人と会う予定だ。いつもの所は使えるか?」

メイド達の間を通る時、いつも思う大成だったがフッと思い出した。


「はい、大丈夫です。修羅様」

「急で、すまない」

「いえ、お気になさらず」

「いつも助かる。ありがとう、君達」

「「勿体ないお言葉です!」」

メイド達は、頬を少し赤らめながら笑顔で声が揃った。



「ところで、誰が来るのよ。大成」

大成とメイドのやり取りに、少し嫉妬しジャンヌは不機嫌になった。


「ああ、それは…。来たか、玄関の扉を開けてくれ」

大成が答えようとした時、外から気配がした。


「「?」」

扉の近くにいたメイド2人は、訳がわからず扉を開けた。



「「えっ!?」」

ジャンヌとウルミラは目を疑った。

なぜなら、玄関の前に居たのは闇組織ノルダンのリーダー・ダビルドとドトール、ミシナを含む幹部達だった。



「た、大成。あなた何を考えてえるの!?」

「そうですよ。あの人達は、大成さんの命を狙った人達ですよ!」

ジャンヌとウルミラは、すぐに携帯していた双剣と矛を構える。


「「!!」」

メイド達も、ジャンヌとウルミラの会話を聞いた瞬間、すぐさま武器を取り出し構えて警戒をした。


ノルダン側の幹部達も武器を取り出そうとした。


大成は、一瞬でメイドとノルダンの間に入り、右手を横に出し止めた。

同じく先頭にいたダビルドも、自分の部下達を止めた。



「お前達、武器をしまえ。俺の客だ。すまない、仲間に伝えるのが遅れてしまった。俺の不手際だ。謝罪をする申し訳ない」

大成は、ノルダン全員に謝罪をした。


「いや、仕方ない。俺達も気を配り、気配を消していたのが、逆効果になったことや来る時間も早すぎたのも悪い。だから、気にしないでくれ魔王修羅」

ダビルドが言い、大成とダビルドがお互いにフッと口元を緩ました。


シリーダとニールは、ジャンヌ達とノルダンの幹部達の殺気に気付き、険しい表情でいつの間にかジャンヌとウルミラの傍に駆けつけていた。



「どういうことなの?大成。説明しなさいよ」

「そうです。大成さん」

「私も教えて頂きたいわ。なぜ、闇組織のノルダンが、ここにいるのかを」

ジャンヌ、ウルミラ、シリーダは、大成に説明を要求したが、ニールは黙って成り行きを見守っている。


「わかった。というより、これから先、皆にも関わることだから知る必要がある。シリーダやニール、それにメイド達にも、わかりやすいように一から説明しよう」

大成はクラスマッチの出来事を話し、契約の内容も話した。



話を聞き終えたジャンヌ達は、溜め息をした。

(自分の命を狙った組織を迎撃した後、すぐに契約を持ち込むとか、普通はしないわ。どういう感性しているのよ)

心で思ったジャンヌの感想に、ジャンヌ達だけでなくノルダンの幹部達も皆一致していた。



「そういうことだ。メイド達は、すまないが負担が多くなる。これからは、ノルダンは俺の下で働くことになるから宜しく頼むな」

「「畏まりました」」

了解したメイド達は、お辞儀をした。



「大成、あなたにはヘルレウスがいるのに必要なわけ?」

怪訝な表情をしたジャンヌは、大成を睨み付けた。


「ヘルレウスは、武力としては申し分ないが、偵察は不向きだろう?」

大成は、ローケンスを危うく殺してしまいそうになった日から、ヘルレウスのメンバーとその直属の部下達を見て覚えるようにした。


その時、偵察の特訓していたが、どの部隊もお世辞でも上手いとは言えないほど下手だったのだ。


「なるほど。確かに、修羅様の言う通りですな」

冷静なニールは理解し頷いたが、ジャンヌ達は悔しかったが事実なので言い返せないでいた。



「大成さん。もし、あの人達が裏切ったらどうするのですか?」

ウルミラは、ノルダンを警戒しながら大成に尋ねた。


「その時やメイドに無理やり嫌がることをしたら、俺が責任持って全体責任として全員始末する」

ウルミラ問いに、大成は加減して威圧感と殺気を放った。


ジャンヌ達もノルダンも、圧倒的なプレッシャーを受けて体が硬直し顔が引きつった。

ノルダンとメイドの中には、ふらつく者や怯えて体が震える者、顔を青ざめる者、そして、数名だがうっとりしている者もいた。



「そういうことだ。あと、俺達ノルダンは大抵のことは自分のことは自分でする。メイドには、あまり負担をかけない。それで問題ないだろう?」

ダビルドは、ジャンヌ達から視線を外さず話した。


「それなら、問題ないわ」

一息つき、承諾したジャンヌ。


「そうですね」

「そうわね」

「ですな」

皆も、渋々といった感じで認めた。




【ローケンス家】


その頃、ローケンス家では…。


「イシリア、マーケンス2人とも、お疲れ」

「2人ともお疲れ様。頑張ったわね。美味しい料理を作っているから、テーブルに着きなさい」

ローケンスとマリーナは、笑顔で娘・イシリアと息子・マーケンスを迎えた。


「はい、お母様」

「うん…」

笑顔で返事するイシリアと少し落ち込み気味のマーケンスは、テーブルに着いた。



「はぁ…。俺は、今回は何もしてないんだけど…」

肩を落として溜め息をするマーケンス。


「そんなことないぞ、マーケンス。お前が控えていたことで、他の2人は安心して全力が出せたんだ」

ローケンスは、マーケンスの背後から頭を荒く撫で、腰を落として同じ目線の位置で話す。


「大和も言っていたけどさ。本当に、そうなのかな?」

「ああ、自分より強い奴が控えていたら、任すことができて安心できるから思う存分全力が出せるんだ。想像したら、わかるぞ。お前だって大和君が、後に控えていたら心強いだろ?」

ローケンスは、マーケンスの両肩に手を置いた。



少し考え込み、間を置いたマーケンス。


「そう言われてみたら、そうだ」

「だろ。居るだけででも、役に立っているのさ。それは、皆から信頼されている証拠だ。出場して活躍するよりも、難しいことなんだぞ」

「そうか!へへへ…」

マーケンスは、落ち込んでいた表情が笑顔に変わり、鼻を掻きながら喜んだ。



「イシリアも、大活躍だったわね。去年のリベンジが出来て良かったわね」

胸元で両手を合わせて微笑むマリーナ。


「はい」

イシリアも笑顔で答えた。


「それにしても、大和君は強かったわね。まさか、ミューちゃんと接近戦のみで闘って、結果は引き分けだったけど。実際は勝っていたわね。お母さん、びっくりしたわ」

手を頬に当て微笑むマリーナ。



「「えっ!?ミューちゃん?」」

イシリアとマーケンスは、大成がわざと引き分けに持ち込んだことに気付いたマリーナに驚き、そして、聞いたことない名前に、2人揃って首を傾げた。


「ミューちゃんとは、マミューラ先生のことだ。マリーナとマミューラ、それに、ウルミラの母・ウルシア、そして、ジャンヌ様の母君であるミリーナ様は、同い年で同じラーバス学園出身だ。その頃、癒しの微笑みのアサシン・マリーナ、スタイル抜群のクレージー・マミューラ、凍りつく視線の氷の女王・ウルシア、お嬢様気質のマジックマスター・ミリーナ様と呼ばれ、4人は四大天使とまで言われ有名だったんだぞ」

腕を組み、自慢気に説明をするローケンス。


「そうだったの!お母様」

「そうなんだ!」

イシリアとマーケンスは、驚いて目を見開いた。



「昔のことよ。それより、イシリアも男性を見る目があって嬉しいわ。お母さん心配していたのよ。自分より強い人じゃないと駄目とか言っていたから、粗暴な男の子や変な男の子に引っ掛かったら、どうしようかと思っていたわ」

「も、もう、お母様!それより、ご飯にしましょう」

イシリアは、頬を赤く染めて話を逸らした。


「フフフ、そうね。そうしましょうか」

マリーナは、口元に手を当て笑い、家族みんなに料理を配り始めた。


「また、大和君を食事に誘いなさい」

「うん、ありがとう…」

イシリアは、顔を真っ赤にして料理を受け取った。




【ラーバス国・屋敷】


それから、一ヶ月が過ぎた。


「エターヌ、ユピア。入学おめでとう!」

「「おめでとう!」」

「「おめでとうございます!」」

エターヌとユピアを激励した大成達。


エターヌとユピアは、見事にラーバス学園の入学試験の合格発表があり、見事に合格したのだ。

流石に大成達のクラスは無理だった。

だが、飛び級になった。


エターヌとユピアは、前は魔力値が1だったが今は3まで上がり、武術はルネルやマルチスぐらい強くなっていた。


2人は入学試験の時に、教師達から天才少女と言われ注目を集めた。

普通は、エターヌとユピアの年齢層だと、ラーバス学園に入学できた生徒は、魔力値2なのだ。


2人が飛び級で入るクラスは、魔力値3の生徒の集まりだ。

そこを選んだ理由は、ジャンヌ達があのクラスの先生の教え方が上手ということだった。



「よく、厳しい訓練に堪えたな」

大成は、腰を下ろして両手でエターヌとユピアの頭を撫でながら褒める。


「合格できたのは、お兄ちゃんのお陰だよ」

「修羅様のお陰です」

エターヌとユピアは、大成に抱き付き両頬にキスをした。


「「なっ」」

ジャンヌ、ウルミラ、イシリアは、目を見開いた。


「私も~」

「マキネさん、どさくさに紛れてキスをしようとしているのですか!抜け駆けはダメですよ」

マキネは、大成にキスしようとしたがウルミラが慌てて止めた。


「「抜け駆けは」って、ウルミラもダーリンとキスしたいんだ」

「い、いえ、そ、その、それは…」

マキネに問い詰められ、顔を真っ赤にしてオドオドするウルミラ。


皆は、そんなウルミラを見て笑った。




「あ、そうだ。これ、入学祝だ」

大成はエターヌとユピアに、ネックレスを渡し一人一人に着けてやった。

そして、どんな効果かも教えた。


ネックレスに付いてある黒い六角型の石は、魔鉱石で倍増効果も付いており、魔力を込めると魔力障壁が発動する仕組みになっている。



「「ありがとう」」

お礼を言った2人は、目を輝かしながらネックレスを触りながら見た。




【ラーバス学園】


次の日、大成達はいつも通りの朝練を終え、今日からエターヌとユピアも一緒に学園に登校した。



大成達は、エターヌとユピアと別れて自分達の教室に向かった。

教室では、クラスメイト達は盛り上がっていた。


「「おはよう」」

「おはようございます」

「「おはようございます」」

大成達は、互いに挨拶した。



「何か面白いことでもあった?」

大成は、自分の席に鞄を置いてから、マーケンスに歩み寄り尋ねた。


「あ、そうだったな。マミューラ先生は、何も言ってなかったから大和は知らないんだよな。明日から合宿が始まるんだ」

「合宿?」

首を傾げる大成。


「私も忘れていたわ。そういえば、もう、そういう時期になっていたわね」

「仕方ないですよ。マミューラ先生ですから」

「納得できるけど…。連絡ぐらいは、ちゃんとして欲しいわ」

合宿があることを思い出したジャンヌと苦笑いするウルミラ、タメ息をするイシリアだった。


「ところで、合宿の内容は?」

大成は、再びマーケンスに視線を向け尋ねた。


「ああ、合宿の内容は…」

マーケンスが言いかけた時に、教室のドアが開いた。



「おい!お前達、席に着け。ん?何かあったのか?」

「えっと。合宿のことで騒いでいました」

「あ、悪い。そういえば、言ってなかったな。あと、これは合宿のプリントだ。私は説明しないから、よ~く読んどけよ。お前達」

頭を掻きながら、マミューラは面倒そうにプリントを配る。



配られたプリントの内容は…。

1、4人で1組のパーティー。

2、初日は食料配付、パーティー同士の協力あり。

3、与えられたノルマを達成すること。(武器を持参しても良い)

4、魔物の横取り、仲間割れやパーティー同士の争いは禁止。

5、魔物の倒し方を知りたい時は、先生に聞いても良い。

6、洞窟や祠には、近づかないこと、見つけた場合、速やかに離れること。

7、合宿が行われるナドムの森の奥には行かないこと。

8、炎系魔法は禁止(火事になる可能性があるため)。

9、一度の戦闘で魔物、最大2匹まで、それを越える場合は、狩りをせず離れること。

10、何かあったら渡されている発煙筒を使うこと。

11、森の守り神には近づかない、手を出さないこと。

12、この合宿は学校の成績に反映しない。参加は希望者のみ、参加しない場合は学校の授業がある。




「合宿は、魔物討伐みたいだな」

プリントを見ながら大成は呟く。


「そうです。この合宿で、冒険者としてのライセンスも手に入ります」

近くの席にいるウルミラが説明した。


ちなみに、ライセンスというのは、指定ランク2以下の魔物だけしかいない森は大人がついていれば誰でも入れるが、指定ランク3以上がいる森はライセンスを所持している者しか入れない。


時の勇者の捜索の時に入ったパルシアの森は、ランク4も居たが、大成は魔王ということで特別に入れた。




「あと、2枚目にパーティーが載っているから確認しとけよ」

「あの…ジャンヌ様達のパーティーと私達のパーティー2つだけ、異常に強いのですが…」

ルネルが、パーティーを確認して手を挙げて質問した。



Aチーム…ジャンヌ、ウルミラ、大成、イシリア。

Bチーム…マーケンス、ルネル、マルチス、ユニー。

他は、バランスよく分かれていたのだ。



「当たり前だろ。これは、ライセンスの取得もあるんだ。魔物退治した経験がある、お前達が入ったチームは簡単にライセンスが取れてしまうだろ。それじゃ、意味がない。だから、1つに纏めた」

「「なるほど」」

面倒そうな声でマミューラは説明し、皆は納得した。


生徒達は、大成と会う前なら不満の声も出たが、今は大成のお陰で強くなった自分の力を試したいと思ったので、不満は一切出てこなかった。


そんな生徒達を見て、マミューラは嬉しく頼もしくなり口元を緩めた。



「じゃあ、各チームに分かれて話し合え」

マミューラの指示で、皆一斉に動き出した。

こうして、明日の合宿に備えて武器、陣形、役割を各チームで話し合った。




【旧館一階・魔法書図書館】


学園から帰った大成は、一人で屋敷の魔法書図書館で資料書を読んでいた。


「お疲れ様です修羅様。隣、良いですか?」

ニールは、趣味のガーデニングの本を探しに来ていた。


「構わないですよ、ニールさん」

「そういえば、明日から修羅様達は合宿ですね」

大成の隣に座ったニールは、思い出したように話題を切り出した。


「ですね。合宿のためにナドムの森には、どんな魔物がいるか、その魔物修正や攻撃などを調べています」

大成は、読んでいるナドムの森の本を持ち上げニールに見せた。


「勉強熱心ですね」

「何か問題が起きた時の備えですよ。ニールさんは、ナドムの森について何かご存知ありませんか?」

小さな事でも情報が欲しかった大成は、ニールに尋ねた。

今読んでいる本は、地形、植物、魔物種類、特徴などだった。



「……そうですな。可能性は、とても低いのですが…。もしかしたら、ゴブリンロードがいるかもしれませんね」

髭を触りながらニールは、少し間を置き話す。


「ゴブリンロードですか?」

「はい。周りのゴブリン達を強化して指揮をとる。とても、やっかいな相手です。ロード本体も指定ランク4で結構強いです。まぁ、今まで強い森にしか出現してませんし。しかも、100年に一度、出現するかどうかの魔物ですが」

ニールは笑いながら説明した。


「ありがとう、ニールさん。参考になりました。では、僕はこれで失礼します」

「合宿、頑張って下さい。修羅様」

「もちろんです」

そう言って大成は、図書館から出て行った。




【屋敷】


合宿当日、いつもより朝練を早めに終え、大成達は学園に向かう。


「行ってくるよ」

「「行ってきます」」

大成達は、まだ朝練をしているエターヌ達に挨拶した。


「頑張って、お兄ちゃん達」

「ダーリン達なら心配ないと思うけど、無理しないでね」

「修羅様達がいない間、屋敷はユピアにお任せ下さい」

エターヌ、マキネ、ユピアは、笑顔で大成達を見送った。

次回、合宿1日目が始まります。

投稿送れ、大変申し訳ありません。


今も用事が忙しい状況ですが、7月2日に国家試験があるので、そろそろ勉強もしないといけません。

ですが、次回作は、今から徹夜で書きますので、もし宜しければ、御覧ください。

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