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イシリアと事故ちゅー

マーケンスとクラスメイトに認められた大成。

次の対戦相手は、マーケンスの双子の姉、イシリアだった。

【ラーバス学園・男子トイレ】


「あいつ、凄いな。うちの学園のナンバー4のマーケンスに勝つなんてな」

「そうだな。あいつは本当に魔力値2の人間なのか?」

「試合見ていたけど、まだ信じらんねぇ」

「それにしても、魔王修羅様といい。最近の人間は化け物が多いのか?」

「まぁ、でも次はイシリアさんが勝つだろうな。マーケンスにも余裕で毎回勝っているし」

「だな」

男子達が、トイレで会話をしていたのが、廊下にいたマーケンスに聞こえた。



「おい!」

マーケンスはトイレに入り、男子達に呼び掛けた。


「マ、マーケンス!す、すまん」

「「すみません!」」

マーケンスに声を掛けられ、驚き男子達は慌てて謝罪をした。


「フン!まぁ、事実だから仕方ない。だが、俺は大和と闘って、まだまだ強くなれると実感した。次のランキング戦で、大和にもイシリアにも勝つさ。それより、大和は強いぞ。たぶん、イシリアよりもな」

マーケンスは片手を上げ、そのままトイレから出て行った。


「「……」」

ただ呆然と男子達は、その場に立っていた。

いつものマーケンスなら、相手の胸ぐら掴んだりするはずなのに、話だけして立ち去ったからだ。




【グランド】


そして、大成とイシリアの闘いが始まる。

大成とイシリアは、木刀を持っていた。



「私が思った通り、マーケンスに勝ったわね。だけど、悪いけど大和君はここで負けてランキング戦は終わりよ」

イシリアは笑顔で、木刀の剣先を大成に向けた。


「かもしれないね。まぁ、やってみないとわからないから楽しい」

大成は笑顔で頷いた。


「なるほどね。それと、1つ言っておきたいことがあるわ」

「何?」

大成は、首を傾げた。


「どさくさに紛れて、む、胸とか触ったら殺すわよ」

イシリアは、恥ずかしそうに頬を赤く染めながら、早口で言った。


「え!?そんなことはしないし、してないよ。それに…」

大成は首を振って、憐れむような目でイシリアの胸を見てしまった。


「何その目!大和君、絶対に許さない殺すわ!」

顔を真っ赤に染めながら怒鳴るイシリア。


「ご、ごめん」

即座に大成は謝った。


「即座に謝ったということは、やはり思っていたのね!絶対に許さない!」

イシリアは、顔を真っ赤にして激怒した。


「そ、それは…」

大成は、目を背けながら言い淀んだ。


「はぁ…おい、試合始めるぞ」

マミューラが、タメ息をつき、話を進めた。


「「すみません」」

2人は謝罪し、気を取り直した。



「じゃあ、試合開始!」

マミューラの宣言で、大成とイシリアは身体強化し、お互い接近した。


イシリアは、木刀を振り下ろす。

大成は受け流し木刀で凪ぎ払ったが、イシリアはすぐに間合いから離れ回避した。


「剣術も凄いのね、大和君。まるで修羅様みたいだわ。まさかと思うけど修羅様の弟さんだったりするの?」

イシリアは、大成に話し掛けながら再びお互い接近し、イシリアは鋭い突きを放った。


「うぉ、違うよ」

大成は体を傾け避けたが、自分が思っていたよりもイシリアの突きが鋭く制服を掠めた。


(流石、ローケンスさんの娘だな。いや、この言い方は良くないな。あの突きは相当な鍛練と努力をした証拠だ)

魔力値6だけではなく、相当な鍛練をしていないとできない芸当だったので感心した。


「なら、大和君は人間のスパイだったりするの?」

会話を続けながら、イシリアは突きを連打する。


「まさか、そんなわけないよ」

イシリアの突きの連打に大成は押され気味になり、少しずつ下がりながら、どうにか対処する。


「何故、そんなに強いの?」

一振りしか持ってないはずなのに、2段突きが同時に突かれた様に見えていた。


「これは凄いな。まだ、若いのに。想像もつかないほど鍛練しているみたいだね」

大成は2段突きを防ぎ、その正確な突きで、テンションが上がった。


「へぇ~、あれを防ぐなんて…。大成君も、なかなかやるわね」

「まぁね。イシリアと同じように僕も必死に武術を鍛練しているからね」

「でもね。私は、まだ全力出してないわよ」

「凄いな。できれば、早く全力を見せて欲しいな」

「わかったわ。いいわよ」

1度、イシリアは大成から離れ、大成は追わずにその場で待った。



「あれが、出るぞ」

「だな。俺達のハートを貫いたアレが」

「久しぶりに見るな。顔は可愛いけど、キツイ性格と残念な胸が残念だったが、あの技が俺達を虜にした」

男子達は盛り上がった。



その会話が聞こえたのか、イシリアは男子達を睨んだ。


「お、おい。今、俺を見つめていなかったか?」

「いや、俺だろ!イシリアさん俺のことが好きなんじゃ」

「馬鹿だろう。俺に決まっているだろ」

騒ぐ男子達。


そんな光景をジャンヌとウルミラは、ゴミを見るような目で見た。


「そこ、うるさい黙っててよね!」

「「すまん」」

女子達に注意された男子達は謝り静かになった。



「死ぬかもしれないわよ。それでも、良い?」

「構わない」

イシリアの宣言に、大成は頷いた。


「行くわよ。トリプル・スピア」

イシリアはダッシュし、接近して突きを放った。

イシリアが繰り出した三段突きは、全て同時に突かれた様に見えた。


「本当に凄いな!」

大成は集中し、一閃を体を横にずらして回避し、2閃は木刀で防いだ。


「う、うそ…」

「俺の勝ちで良い?」

「ま、まだよ。ヤァッ!」

自信があり、切り札としていた技を防がれたことにイシリアはショックを受けたが、すぐに立ち直り突きを連打する。


イシリアの突きの連打を大成は軽く捌き、そして…。

「トリプル・スピア」

大成は、イシリアに当てない様にトリプル・スピアを使った。



場が静まり返った。

「ね、ねぇ、ウルミラ。今のイシリアのトリプル・スピアだったわよね?」

「は、はい。私も、そう見えました…」

クラスメイトだけではなく、ジャンヌ、ウルミラ、マーケンス、マミューラすらも驚愕した。



「嘘…!?」

一番、驚いのはイシリアだった。

小さい頃から練習し、やっと出来た技を、たった一度見せただけで、簡単にマネをされたのだ。


しかも、大成は魔力値2でイシリアは魔力値6。

大成が身体強化がズバ抜けていても、魔力値4程度しか強化できない。


驚愕しただけではなく、そのショックも大きくイシリアは足腰の力が抜け倒れそうになった。



「おっと、大丈夫?」

「あ、ありがとう…って、どこ触っているのよ!変態!」

大成は慌てて、イシリアを支えたが、手がイシリアの胸を鷲掴みしていた。


「ご、ごめん」

「早く、離しなさいよ!」

「ちょっと、暴れないで欲し…」

「きゃっ」

「わぁっ」

大成は離れようとしたが、先に頬を赤く染めたイシリアが暴れ、イシリアは後ろに倒れそうになった時、大成の腕を引っ張り共に倒れた。


「「っ……!!」」

2人は気付いたら、唇と唇が重なり合っていた。



「ね、ねぇ、あれってキスしてない?」

「う、うん」

女子達の会話が響いた。


「お、おい!あいつ俺達のイシリアさんの唇を奪いやがった!しかも、俺達の目の前で」

「殺すぞ!皆で戦えば仕留めることができる」

「「ウォォォ!」」

男子達は殺気を出して、大成に特攻しようとした時、背後からとてつもない殺気と魔力を感じ体の芯から震え青ざめる。


男子達は、恐る恐る振り向くとジャンヌとウルミラが笑顔で歩み寄っていた。


男子も女子も、青ざめた表情で自然と道をあける。



大成の片手はイシリアの胸を掴んだままで、イシリアに覆い被さっていた。

未だに混乱し思考停止しており、キスをしたまま固まっている大成とイシリア。



そこに、ジャンヌとウルミラが大成達の傍にやって来た。


「ねぇ、いつまで、そうしているつもりなのかしら?」

ジャンヌの凍りつくような声が聞こえ、大成とイシリアは慌てて離れた。



「ご、ごめん。そ、そのキスしてしまって」

「き、気にしないで、わ、わざとではないってわかっているわ。わ、私こそ、暴れてごめんなさい」

大成とイシリアは、お互い顔を真っ赤に染め謝った。



「ねぇ、それより大成」

大成はジャンヌから呼ばれ、イシリアもジャンヌとウルミラに、恐る恐る振り向きゾツとした。

声だけでなく、目線も冷たく感じるほどだった。


「は、はい!な、な、何でしょうか!」

大成は、すぐに立ち上がり背筋をピンっと伸ばして右手をこめかみ辺りに当て敬礼をしてた。

大成は、恐怖で体を小刻みに震わせ冷や汗が流れていた。



「大成さんは、何故こうも女の子と問題を起こすのですか?わざとですか?」

「け、決して、お、起こしたい訳ではないです。ウルミラさん、し、失礼しました。ウルミラ様」

ウルミラも冷えきった視線と声を発したことで、大成は言葉使いが変になった。


「ウルミラ、準備良い?」

「はい。いつでも大丈夫ですよ。姫様」

2人は、お互いに確認しあい、片手を大成に向けて魔力を集中した。


その時、頭を掻きながらマミューラが止めた。

「おいおい、そこまでにしろ!」

「せ、先生!」

マミューラに助けて貰い、涙が出た大成だった。


「大和の次の対戦相手はウルミラ、お前だろ。その時に、大和の息の根を止めれば良いだろ」

マミューラは口元に笑みを浮かべ、恐ろしいことを提案した。


「せ、先生!」

先とは、違う涙が出た大成は子犬が捨てられた様な目で訴えたが、マミューラは視線を外し後ろを向いた。


「そ、そんな…殺生な」

大成は四つん這いになり絶望した。


「そうね」

「そうですね」

納得したジャンヌとウルミラは笑顔になり魔力を抑えた。


「宜しくお願いしますね。大成さん」

「ハハハ…。よ、ヨロシク…お手柔らかに…」

ウルミラは笑顔だったが目は笑っておらず、大成は涙目になったのだった。

次回、ウルミラと闘います。

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