表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/130

学園と自己紹介で…

流星が魔人の国にまだ、いるのか捜索しに行った大成達。

だが、流星は自国に帰還していた。

大成は屋敷に戻ったら、ジャンヌとウルミラが制服姿だった。

【ラーバス学園】


ここラーバス学園。


日差しが眩しく、風も健やかで新学期が始まるには、ぴったりな天候だ。


そんな中、バタバタと廊下を走る男子生徒がいた。

男子生徒は、教室のドアを勢いよく開けた。


「どうしたの?マーケンス君」

クラスの女子が気になって尋ねた。


「おい!お前ら今日、編入してくる奴がいるって知っていたか?」

男子生徒の名前は、マーケンスでローケンスの息子。

髪が緑色のツンツンヘアでヤンチャな感じの少年。



「えっ!?本当なの?」

「男?女子?どっちだ?」

「女子やったら良いな」

マーケンスの言葉で、クラスメイトが騒ぎ立つ。



「聞いた話じゃあ、男だ。しかも、人間だとよ」

「はぁ~、男かよ。いらねぇ」

「ん?人間なのか?本当かよマーケンス。いまどき、人間が編入してくるのか?」


3年前に、人間が一方的に魔人に宣戦布告し、勇者が魔王を討伐した。

それからというもの、魔人と人間の関係は最悪になった。


当時、ジャンヌとヘルレウスメンバーは話し合い、魔人の国にいた人間には罪がないということで、帰国したい人は安全に人間の国に帰国させた。


魔人の人々の中には、魔王を討伐されても、いつも通りに優しく接する人もおり、残る人間も多くいた。


しかし、やはり子供や身内を亡くした人、魔王の信者などは、時が進むにつれ嫌がらせや暴行などが増え始めた。

結局、殆どの人間は帰国したのだ。


そういうことで、人間の編入生ということに驚き、それだけで話題となった。


「なぁ、どう思う?イシリア」

マーケンスは、双子の姉イシリアに聞いてみた。


「可能性は低いけど、魔王修羅様かもしれないわね」

イシリアは、席に着いていて、机に右肘を置いて手に顎を乗せたまま答えた。



「「あの修羅様が!」」

イシリアの発言に皆は一斉に驚く。


「可能性の話よ。とても低いけどね」

さっきから、イシリアはテンションが低かった。


「イシリア。お前、興味がないのか?」

面白い話題を手に入れたマーケンスは、不機嫌になりイシリアに詰め寄る。


「魔王修羅様なら興味はあるわ。でも、違う人なら興味ないわね」

イシリアは、面倒くさそうな顔で溜め息をつく。


そんな、イシリアの態度に激怒したマーケンスは、顔を真っ赤に染め、イシリアに間近に迫った。



「まぁまぁ、2人とも落ち着いて」

「落ち着いてよ」

クラスの皆は、ビクビクしながら止めようとした。



そんな時、教室のドアが開いた。


「おはよう」

「皆さん、おはようございます」

ジャンヌとウルミラは、教室に入り挨拶をした。


2人が来てくれたことに、クラスの皆はホッと胸を撫で下ろした。

ジャンヌとウルミラは、皆の顔を見て何となく状況を把握した。



「ジャンヌ様、ウルミラちゃん、おはようございます」

「ジャンヌ様、ウルミラ様、おはようございます」

クラスの皆は、ジャンヌとウルミラに挨拶した。



「ハァ~。また、イシリアとマーケンスが喧嘩しているのね。双子なのだから仲がいいと思うけど。今回は何が原因なの?」

ジャンヌはイシリアとマーケンスに近づき、ウルミラはジャンヌのあとを追った。



「ジャ、ジャンヌ様、ウルミラ様、おはようございます」

マーケンスは、今さっきまで、怒って真っ赤だった顔とは違う、赤さで頬を染め挨拶した。


「ジャンヌ、ウルミラ、おはよう。大したことないわ。ただ、今日は人間が編入してくるという話題があったの。それで、興味がない素振りを見せたら喧嘩になったのよ」

マーケンスの態度の変わり様を見て、イシリアは溜め息をつく。


「やだな、喧嘩なんてしてませんよ、ハハハ…」

マーケンスは、笑って誤魔化した。



「なら、いいわ」

「大きな喧嘩にならないで良かったです」

さっぱりとしたジャンヌと優しく接するウルミラ。


「ねぇ、ジャンヌ」

イシリアが声をかけた時、教室のドアに人影ができた。



「お前ら、席に着けホームルーム始めるぞ!」

女性教師のマミューラが、乱暴にドアを勢いよく開け教室に入った。


「ハァ~。先生、何度も言いますがドアが壊れますよ」

ジャンヌは溜め息をしながら注意をした。


「ああ、すまんな。これからは気を付ける。それより、皆に編入生を紹介する。おい、入って来ていいぞ」

反省の色が見えないマミューラは、後頭部を掻きながら大成を呼んだ。



大成は廊下におり、深呼吸し呼吸を整えて扉を開け、教室に入った。


「皆さん、おはようございます。大和大成です。宜しくお願いします」

大成は、マミューラの隣に立ち自己紹介をし、礼儀正しくお辞儀をした。


1人マーケンスは立ち上がった。

「あのさ。お前、魔力値いくつ?」

マーケンスは、大成を睨みながら質問した。



魔力値というのは、学園では1年に1回魔力を測定する。

特別な水晶に魔力を流すと数字が浮き出る。

魔力の強さで1~10で表す。

最小1で最高は10だ。

今までランク10は、先代の魔王、ただ1人だけだった。



「2だけど」

大成は、隠さず恥ずかしからずに答えた。


「2だってさ。おい、皆聞いたか?マジかよ。ハハハ…」

マーケンスが腹を抱えて笑った。


「「ワハハハ」」

「笑うのは失礼よ。大和君は人間だから、それが普通だよ」

「「そうよ」」

他の男子達も笑ったが、女子達は大成を庇った。



大成、ジャンヌ、ウルミラ、イシリア、マミューラは、黙っていた。


ジャンヌとウルミラは、大成を馬鹿にする男子を睨み付ける。

そんな、ジャンヌとウルミラの態度を横目で見て、イシリアは怪しんだ。


大成、本人は特に気にしてなかった。

そして、マミューラは楽しそうに場の成り行きを見守った。


なぜ、大成が魔力値が2なのかは少し、時を遡る。




【過去・屋敷】


朝早く、ジャンヌはフッとあることに気付き、念のため屋敷で大成の魔力値を測定した。

測定結果は、驚きの10だったのだ。

しかも、測定に使用した水晶玉にヒビが入り粉々になった。


「「えっ!?」」

「あっ、壊してごめん」

ジャンヌとヘルレウスメンバーは、測定結果に驚いて口を開けたまま固まった。

一方、大成は全く測定結果の凄さがわかっておらず、水晶玉を壊したので謝罪をした。


しばらく静寂が訪れた。



「め、目立たないようにするには、名前を変えたり変装するだけではなく、魔力測定の時は魔力を抑えないといけないわね」

我に返ったジャンヌが、顎に手を当て考えた。


「普通だと、数値いくつぐらい?」

「同い年の人間の平均だと1~2です。3の方も居ますが本当に珍しいですね。人間は魔人に比べ、魔力が低いですが代わりに光魔法が使用できる方が多く、回復魔法が使用できます。今、魔人の国は人間が殆ど滞在していませんので、回復する手段は主にポーションしかなく、今ポーションの価格が急上昇してます」

ウルミラは、大成の疑問に答えながら説明し、皆も悲しい表情していた。



「えっ!?なら、10って異常じゃない?」

「当たり前でしょう!しかも、水晶玉が壊れるなんて、大成、あなた本当に人間なの?年齢を偽ってないの?」

「ひ、酷いな。どう見ても普通の同い年の人間だろう」

そんな、大成とジャンヌのやり取りが続いた。


結局、名字を神崎から大和に変え、ラナミの実で髪を蒼色に染色し、髪型も変えた。


名前を大成のままにしたのは、違う名前にすると、うっかりジャンヌとウルミラが間違うかもしれないからだった。


あと、ラナミの実は気を付けないと、水性なので強い雨、風呂などで色が落ちる。


それから、皆がまだ登校していない時間帯に大成とジャンヌとウルミラの3人は校長室に行き、不正防止のため教官5人の前で、大成の魔力測定が開始された。


大成は、徐々に魔力を上げ水晶が2になった瞬間、そのまま、魔力を一定に維持した。

そいうことで大成の魔力値は2なのだ。


校長と担任になるマミューラには、大成のことを正直に話している。




【ラーバス学園】


「おい!何だその反応は」

大成の態度に苛つくマーケンスは、大成を睨んだ。


「嘗めてるのか」

「人間のくせに生意気な」

他の男子も、苛ついて罵声を飛ばす。


「ちょっと、男子。大和君が可愛そうでしょう」

「そうだよ」

大成を庇う女子達。



「静かにしなさい!大成、あなたの強さを証明すれば全て解決するわ。弱いなら男子の言う通り、強いなら男子も見直すわ」

ジャンヌは大きな声を出して立ち上がり提案する。

皆は静になり、ジャンヌの方を向いた。


「ハァ~、仕方ないな。大成はランキング戦してないから、今日からするか」

切りがないと思ったマミューラは、溜め息をして面倒くさそうな態度で頭を掻き提案した。

だが、マミューラは笑顔を浮かべていた。



「先生!まさかとは思いますが、たった1日で皆と総当たりさせる気ですか?」

イシリアは、手を上げて質問した。


「そうだ。あまり時間を無駄にできないからな」

「大和君が不利なのでわ?」

「仕方ないだろう。それと、ルールだがランキングが低い順に闘って貰い、負けたらそこで終わりという形式で良いか?」

皆は大成に注目し、大成はジャンヌとウルミラを見た。

ジャンヌとウルミラは、軽く頷いた。


(何で自己紹介で、こんなことになったんだ?)

「別に構いません」

大成は、心の中で溜め息をつき頷く。

口元に笑みを浮かべるマミューラも満足そうに頷いた。



「なら、決まりだな。各自、ウォーミングアップしろ。終わり次第、始める。良いな?」

マミューラは、好奇心丸出しだった。


「「はい」」

生徒達は席を立ち、各自ウォーミングアップしにグランドに向かった。

次回、ランキング戦が始まります。

用事が忙しく、投稿遅れました。

大変申し訳ありません。


もし、宜しければ評価、ブックマお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
href="http://narou.dip.jp/rank/index_rank_in.php">
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ