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人類全てが殺し合う  作者: 熊谷次郎
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第七章 五節

   5 一九九九年 五月二十九日 (土)


 


 僕はパトカーに乗っている。


 岩見警部補からCPPEEの本部を知りたい、案内してくれといわれたのだ。


 応援を要請して一気に乗り込むのかな、などと思ったが、とりあえず様子を見てみるだけらしい。僕は無論、何の躊躇もなくその要求に応じた。


 先程の僕のいった言葉、向こうにはどう伝わったのだろうか?


 その時、岩見警部補は無言で頷いた。


 その行動がどこまで僕を受け入れたものなのかは僕にはわからない。ただ、信じるしかなかった。この刑事さん達が僕をまだ利用しているうちは、僕のいうことも聞いてくれるだろう。


 それでいい。今の自分にはそれで良かった。


 パトカーはサイレンを鳴らすこともなく、高田馬場駅の近くを通る。


 駅から遠ざかって少しビルの少なくなったところでコイン駐車場に運転手の鈴木巡査長さんはパトカーを留めた。ここから先は歩くことになる。二日前に来た場所だ。景色もそんなに変わっているはずがない。僕が先頭を歩き、それとわからないように着替えを済ませた刑事さん二人が続く。一昨日には、こうしてまた人を連れてこの道を歩くなんて考えてもみなかった。




 しかし、二日で変わらなかった周囲の景色に世の中全体が同じように合わせて変わらないなどということはなく、あの白い建物の中は二日前とは打って変わった姿を見せていた。


 いや、よくよく考えると、一昨日ここに入ったとき、壁や部屋の中など以上にシンプルだった。ここは奴らの暫定のアジトだったのかもしれない。そう、ここは既に藻抜けの殻になっていたのだ。


 何の手掛かりももうないのかと僕ら三人は手分けして探したところ、一昨日藤代と会話をした場所で、隅っこのほうに丸まった紙屑があり、僕が拾って広げてみるとそこには何のものかもわからないインターネットのアドレスが書かれていた。


 僕は岩見さんと鈴木さんにこのことを知らせると、岩見さんは 「何かあるかもしれない」といってこのアドレスに繋げてみることにした。


 といっても、今ここにパソコンはない。岩見さんも鈴木さんも携帯電話しか持っていなかったので、この場所に他には何もないことを確認すると、パソコンのある場所へと移動することになった。


 二人がそのアドレスへの接続を試みることにしたその場所は二人が所属している場所、警視庁。僕はその話を聞いて生唾をゴクンと飲み込んだ。


 パトカーで移動することどれくらいの時間が経ったのか、きれいな概観の建物に到着。その中で僕は、道行く人、一人一人に挨拶をしながら奥へと進むと、目的の場所、資料室へと辿り着く。


 薄暗い部屋の中、鈴木さんがパソコンの前に座り、岩見さんと僕はそれぞれその左右の横でぼんやりと光るモニターを覗き込む。


 そして、鈴木さんはついに目的のアドレスの文字を打ち込んだ。


 僕は口を手で拭う。一秒の接続時間、その僅かな刹那もとても長いもののように感じる。


 画面に文字が現れた。


 <注意、このチャットに接続する瞬間、自動的にホームページ上で動画を動かすプログラミングが変更される可能性があります。それでも、よろしいでしょうか? よければ『実行』をクリックしてください。>


 僕達は顔を見合わせる。


 動画が流れるらしい。一体どんな内容のものだろう?


 鈴木さんは僕らに同意を求めると、実行にカーソルを合わせてマウスの右ボタンを押した。


 画面の中央に、動画らしきものが表示される。『動画らしきもの』という表現をするのは、まだその映像が、全く動く気配がないからだ。


 ただ、誰も座っていない椅子が写っているだけで、何の変化も見せない画面。その映像が二分ぐらいずっと続いたまま。僕らはどんな変化が訪れるのかを待つ。


 単なるいたずらだったのではないか?


 そんなことを考えて始めた僕であったが、ふと何かが頭に浮かんで右隣の鈴木さんに構わず思わずモニターに顔を近づける。そのおそらく固定された無人カメラが写している椅子に見覚えがあるのだ。


 思わず、声を上げた僕に対して岩見さんは「どうしたのかね?」と訊いてくる。


 そう、あの黒々とした背凭れのある椅子。そこに座っていた人物は……


 そんなとき、カメラの前に現れる姿が現れた。


 その人物は……そう、藤代だ。


 奴は二日前見た、オールバックに青いシャツ、その上に紺色のベストという姿で、このカメラの前に登場した。奴は細切れの画面でまるでスローモーションのようにその椅子に腰掛け、同じく紺色のズボンを高く上げて派手に足を組むと画面の外にあったキーボードを手にとって、何かをカタカタと打った。


 奴が打ち終わってカメラを見ようとする前に、画面の下のほうに何やら文字が現れ始めた。


 >やあ、道生君。お久し振り。やっぱりまた会えたね。まあ、そこがどこなのか大体わかるよ。そこに刑事さんがいるんだろ?


  刑事さん、初めまして。僕がこのCPPEEを統括している藤代大樹というものです。あなたの名前は?


 岩見さん達が、顔を見合わせる。


 「私の名前で頼む。私のほかにもう君もいることを伝えてくれ」


 鈴木さんはすぐにカタカタと打ち鳴らす。


 >警視庁、警部補の岩見だ。一人私の部下もいる。


 藤代が顎を撫でている映像がこちらに届く。そして、その画面がが、笑い顔になったときには既に他の映像が流れていた。


 >残念だったねえ。アジトはもう引っ越したよ。あなた達にもう僕らの尻尾を掴む方法はない。だから、こうして君達をからかってやろうかなんて思ってこんな回線を用意してあげたんだ。昨日からずっと繋げてたんだよ。お金がかかるかかる(笑)


 やっぱり、この紙はこいつがわざと落としたものだったのか。


 僕は掌の中の紙切れをギュッと握る。その横で、岩見さんが鈴木さんに何やら耳打ちしていた。


 「鈴木君、これから私のいうことを全部文字にして奴に送ってくれ」


 その言葉に鈴木さんはすぐさま首を縦に振った。


 「お前は一体何が目的なんだ」


 鈴木さんは鳴れた手付きでキーボードを打つ。


 しばらくの間のあと、発着したメッセージが奴に届いたらしく、藤代はさもおかしそうに膝をパンパン手で叩いた。奴は片手でキーボードを押さえてそれを見る。すぐに画面に文字が現れた。


 >そりゃ楽しいからですよ。つまんないならやるわけないじゃないですか。


 岩見さんの表情が歪む。


 「変な電波を流しているそうじゃないか。聞いたら胸くそ悪くなるような酷い暴言を。それもお前のやったことなんだろ?」


 僕はそんなこと聞いた覚えがなかった。こいつはそんなことをしていたのだろうか。そんな犯罪行為を……


 藤代は、少し前屈みになる。そして間もなく一言、『知らないなあ』と返事を返してきた。


 「何をいっているんだ。たくさんの人がそのラジオの音を聞いたといってるんだぞ」


 岩見さんは静かな声ながらも怒りのこもった口調でいう。


 >知らないったら、知らないっていっていってるでしょ? 一体どんなものなんですか? それをいってみて下さいよ。絶対覚えがありませんから。それにそこまでいうんだったら、証拠を見せてくださいよ。証拠を!


 岩見さんはその画面を見ながらちっと舌打ちをする。


 …そうか、何も証拠がないんだ……


 しばらく下を向いて黙り込んでいた岩見さんが鈴木さんの捜査メモをひったくった後、僕の肩に手を乗せる。


 「まあ、その件についてはお前のいう通り、確かに物証はない。だが、あの変なデマ、あれはお前さんがやったんだろ? ここにいる河原君が証言してくれた。それもきちんと記録してこちらの手元にある。それについて取り締まれば、こちらは逮捕だってできるんだぞ」


 逮捕という、言葉を聞いて僕は先程のガッカリした気持ちが吹き飛んだ。


 そう、今の僕には警察の人が味方に付いているのだ。これなら奴だって、少しは自分のやっていることを改めるかもしれない。


 だがしかし、藤代は送られた文字を読んでもちっとも悪怯れた様子など見せず、キーボードのコードを指に巻き付けたりなんかしている。


 奴はそれが飽きたらしき頃、パパパと文字を打った。


 >何罪ですか?


 モニターに打ち出された六文字に岩見さん達は息を呑む。


 …まさか、犯罪じゃないなんてことが……


 二人はしばらく小さな相談した。そして、お互いの顔を見合わせながらうんと頷くと、鈴木さんは文字を打った。


 >騒乱罪だ。


 その答えが届いた後、藤代は大袈裟なリアクションで笑い始める。


 >騒乱罪。そうですか。僕らが何か暴動を行ったと。イタズラ電話は暴行行為だと。なんだあ、じゃあ今時の若者はワンコとかいって皆犯罪起こしてるんだあ(笑)


 岩見さんは眉を引きつらせる。


 「そうじゃない。デモだ。あんな一般市民を脅迫とも思える行為で、恐怖のどん底に陥れようとしている。どう違うのだ?」


 藤代はそれを見てぴたっと止まる。そして手で頬を何度か擦った後、しばらくキーボードを打ち続ける。画面には間だ音沙汰がない。長いメッセージが返ってきそうだ。


 >でも、僕らは自分の主張を口にしているだけじゃないですか。これだけで捕まるなんて話を聞いたことがないですよ。立証も難しいんじゃないですか?


 それに真実を述べたまでじゃないですか。環境は人間が生活していくことでどんどん悪化していくし、いずれは人間も住めないような状況になる。それを未然に防ぐには人間がいなくなるしかない。


 どうせあなた達がいくら人を殺すなっていっても、人間は確実に増えているんです。いつか、自分達の食料補給もままならないくらいにね。


 そういうときにあなたはどう思うんですか?


 人権のために、みんなで食うものが食えずに餓死しようと思えるのか。それとも、あなただけは生きていきたいと考えるのか?


 はっきりいって共存とかいうのは無理ですよ。


 現に今も餓死している人間はたくさんいるわけですよ。毎日一万九千人の子供が満足にものも食べられずに死んでいるです。


 僕らだけなんですよ。こうして電気にも食べ物にも囲まれて生きている奴らだけが、ゴミも二酸化炭素も、水質汚染もしている。ジャバジャバ地球を汚している。


 そいつらだけが楽に生きていていいんですか? 自分らが犯した罪も拭わずにいていいんですか?


 人は死ぬしかないんです。でなくても、数を減らさなければ、やがて人は決断を下さなければならないんです。


 今たくさんの人々で集団でこの環境からポンと降りて地球を救うのか、それとも、いつか自ずと天罰が来るのを待つか。


 結局一緒じゃないですか。


 それでも、人は殺してはいけない。それを助長してもいけない。人間の運命は、環境と騙し騙し共存して先伸ばしにし、一部の貧しい人間はとりあえず構ってなどいられないから見殺しにして、それでも結局駄目なら自然に全てを委ねるとでも?


 岩見さんは固まった。下を向いて悔しそうに歯を喰いしばる。


 そんな岩見さんに僕は何も声をかけてあげることができない。


 どうするのだろう? 一体どうすればいいのだろう?


 岩見さんが振り絞るような声でいった。


 「…それでも駄目に決まっているだろう。


 それが法律なんだ。その法律を破ったものを捕まえるのが、法治国家に使える身の私の使命だ」


 藤代は肩を大きく揺らし続けたままだ。


 >ふーん。結局問題があることは全て先伸ばしにするというのがあなたがたのやり方なわけですね。問題解決は、もうこりゃいくらやっても遅らせそうにないよっていうくらい切羽詰った状態で手をつけ始めて「やっぱできるわけねえや」って、投げ出すのがあなたがた、国家のやることだと(笑)。


 僕らは絶句する。


 …もはやここの誰にも反論の余地がない。


 気まずい雰囲気の中でそれでも岩見さんはたどたどしい声でこういった。


 「お、お前だってわかってやっているんじゃないのか? これが犯罪だって。だから、こうして直接的に会わずにこんなチャットを通した会話なんかしてるんだろ?」


 藤代が右手を項に当てて撫でる。


 >わかっているなら、別に訊かなくってもいいじゃないですか。どうなんですか? 僕に逮捕状でも出ているんですか? 誰かが僕に起訴を起こしたいという人間がいるとでもいうんですか?


 さっき僕に何でこんなことをやってるのか聞きましたよね? 僕にどうさせたいんですか? 僕を逮捕したいんですか?


 でも僕の手に縄を掛けたぐらいじゃあ殺し合いは食い止められそうにないですよ。「そんなのわかっている。私は悪をぬけぬけと蔓延らせなくないだけだ。お前がいるだけで、あのデマは人々の間に浸透してしまうんだ。見せしめとしてお前を逮捕すれば、七月一日に何か起こる可能性も消えていくというものだ」


 岩見さんの科白。


 …そうだ。考えればそうだったのだ。


 奴が刑務所に入れば、その首謀者が逮捕されたという、報道が大々的になされて、人々の気持ちが冷めて始めて、全てが終わるかもしれない。そこまで行かなくても防ぐことができる可能性はかなり大きいだろう。


 藤代は先程の大袈裟なリアクションをやめ、何やら無気味に微笑んだ。


 >そういうものでもないかもしれませんよ。まだうちには青井っていう奴が僕と同じくらいの体面を張れるようになっているし、それに僕が逮捕されて一概にそうなるとも限りませんしね。


 わかりませんか?


 ……?…… どういうことだ?


 岩見さんが愕然としている顔をしている。


 藤代……


 ……………あ!!


 藤代は追加のメッセージを出す。


 >そうですよ。僕はまだ未成年なんですよ。まあ、罪が問われないわけでもないでしょうけど、世間の皆さんはどう思うんですかねえ。


 新聞一面に<『地球環境の完全保全を遂行する会』通称CPPEEの教祖逮捕、年齢はなんと十八歳。殺人予告も彼の流したデマ>なんてでデカデカと載ったら、逆に世の中は『世も末だ』とかいう風潮が高まって、パニックに陥ってしまう可能性もあるんじゃないですか? 僕らの同世代に変な連帯感が生まれてしまったりしてね。


 それだったら、狂会合の教祖は謎の存在だっていうまま、ほったらかしにしておいたほうがいいかもしれないじゃないですか。


 岩見さんの今日何度となく見た悔しそうな顔に僕はただ俯くしかなかった。


 岩見さんはモニターの中の藤代を眺め始める。


 どんなどんな思いで岩見さんはこの男のことを見ているのだろう……


 画面には『もう何も言うことはないんですか?』という藤代の打った文字が表示されたまま、数分の時間が流れた。


 そのときだった。岩見さん達が突然に僕の顔の方を向いたのは。


 僕は「えっ?」と思った。


 モニターには、さらに藤代の『もうなければ回線切っちゃいますよ』という文字が付け加えられた。


 その文字で岩見さん達の行動の意味がわかった。


 ……「どうか、僕にみんなを説得できる最後のチャンスを下さい」……


 岩見さんは僕のいったその言葉を覚えてくれていたんだ。その機会を僕自身の手でつくれと。


 僕は二人に向かって頷くと鈴木さんに席を交換してもらう。


 僕は急に足がガクガクしてくる。額や掌に変な汗が流れ、心臓は尋常じゃないほど激しく波打つ。


 >あと一分で反応がなかったら勝手に回線を切るよ。


 藤代のその言葉を見て、僕は決心をつける。ゆっくりと顔を上げて、岩見さんのほうに頭を向けた。岩見さんはコクリと頷く。


 僕は自分の手の汗を服で拭うとキーボードに立ち向かう。


 >藤代!! 僕だ。わかるか?


 藤代は鼻に手を付けるとカタカタと文字を打つ。


 >おや、道生君。さっきからしゃべらないからいないんじゃないかって思ったよ(笑)どうしたんだい? いいたいことがあるのか、何だい?


 僕は大きく息を吸った。緊張してへんなところを入力ミスしないように、慎重に指を動かす。


 >僕は説得を試みたい。お前がつくったCPPEEに入っている奴らに、君らのやっていることは間違っているって知らしめたい。


 やった。僕は遂にやった。腰が抜け落ちそうになったが、とにかく僕はここ一カ月で自分で掲げた為すべきこと、あの時結局いえなかった言葉、そして途中が消えそうになったけどまた復帰させた使命をこの男の前に伝達した。


 藤代はその言葉を見ると、頬杖をついて溜め息をつく動作をしたときこの画面の文字が届いた。


 >道生君。前のときに懲りたわけではなかったんだね。まあいいけどさ。


 藤代が打ちながらおでこをさする場面が見える。


 >な、何で懲りなきゃいけないんだ!!!!


 また僕は心の中で怒鳴り返す。


 藤代が下を向く。


 何なんだ、人を散々利用したくせに、人の要求は受け入れないとでもいうつもりか?


 藤代が困った顔で顔でおでこを撫で続けていたが、やがて顔をもとの位置に戻すと何やらキーボードを打ち始めた。


 >まあ、いいよ。実はねえ、明日、五月三十日に、うちの会合の集会があるんだ。三千人は入れる大規模のホールを借り切って、マスコミへこれからFAXを送って呼んで、記者会見も兼ねた一大イベントをね。


 僕も出る予定なんだけど、道生君、君をこのイベントのゲストとして特別招待するよ。


 そこの場所で、説得するなり何なりすればいい。…まあ、できればの話だけどさ。


 僕は一瞬その目を疑った。


 え、いいのか? 本当にやれるのか?


 何か体にふわふわとしたものが湧き上がってくる様な感じがした。


 >…じゃあ、もういいね。また逮捕云々の話をされても堂々巡りになるだけだから。


 そういって藤代はカメラの前から立ち上がった。


 「あ、ちょっと待て、その場所と開始時間は……」


 岩見さんが思わず声を漏らす。


 藤代は答えない。さらにすると回線も切られたらしく、モニターはエラーを知らせる画面になった。暗闇の中、その表示をずっと見続ける僕達。


 「どうするんですか? 奴は何もいわないまま降りちゃいましたよ」


 鈴木さんの言葉に、岩見さんは首を傾げた。


 僕は瞳の中に画面を写す。そのとき、もしかするとこうなのではないかという予測が頭に思い浮かび始めていた。


 


 僕と岩見さん達は、パトカーに乗ると僕の勘を信じて、僕のうちへと向かった。


 その後の連絡があるとすれば、僕のうちのポストかパソコンくらいにしかないと考えたのだ。


 案の定、そこには既に『チキューカンキョノカンゼンホゼノ』というタイトルのメールが届いていた。


 




 <五月三十日 PM6:00




 ××××ホールに集合


 刑事さん達も来て構わないけど、大人数の参加が予想されるので、少数精鋭で望むこと。


 関係者口は……>





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