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トリガーハッピー・GirlsCode  作者: 伏見沙織
Trigger[引き金]
7/11

勉強も実力のうちなんですから

2章スタートになります!

2章書き終わるまでにどのくらいの人に見てもらって評価いただけるかわかりませんが、たくさんに人に見てもらえるように頑張りますよ!

有能者ステーター異技能ステータスを展開するためには多大な演算能力を必要とします。ただ、その演算というのは計算ということではなく、理想の結果を導くイメージを強く持つ。いわゆるIndividual Image Identity。通称I3自覺領域じかくりょういきを―」


「…うぅ……うにゃぁ…」

「萌花さん、萌花さん」

 萌花に呼びかけているのは本を片手に持った若い女性教師。

 何度も何度も呼びかけているが全く起きる気配がない。


「うう…どうしましょう…もえーかーさん」

「…ぅん…ぁ、ユウちゃんどうしたの?」

「ユウちゃんじゃありません!悠花先生でしょ!」

「あ、ごめんごめんユウちゃん」

 もう、とだけ言って教師は教卓へと戻っていく。


 後ろで授業を見学していた酒々井は「それでいいのか…」と思う。


「はい、それでは続きをやりますよ。自覺領域が操れなくなると過暴領域オーバーキャパシティーを―」


 教師が授業を再開した数秒後、授業終了の鐘が鳴る。


「やったー!やっと終わったぁ~疲れたァ…そもそもさぁなんで私たち3人だけこんな授業受けなきゃならないの~」

 3人とはいつもの3人、つまり萌花、鈴良すずら輝璃かがりだ。


「そんなこと言っちゃダメですよ。霧島きりしまさんと遠見とおみさんも去年ちゃんと勉強したから、今試験を受けられるようになったんですからね」

 遠見と霧島…おそらく現在本部に行っているメンバーだ。


「そうだよ…萌花ちゃんだって早くライセンス欲しいでしょ…?」

「うーんまぁ…でもさ!勉強しなくても実力あればよくない~」

「私はライセンスはどっちでもいいですね。それよりも能力開発のお話に興味があるから勉強するといった感じでしょうかね」


 てんでばらばらな意見だなおい…。


「こらこら、座学だって実力のうちなんですからね」


 教師の女性がこちらをちらっと見たあとに近づいてくる。


「挨拶遅れてすみません…。私、冴木さえき悠花ゆうかと言います。見ての通りですが、能力についての専門授業を行っています」

 冴木と名乗る女性は身長は160くらいだろうか、ベージュのロングでなんかふわふわしそうな感じの声と雰囲気をしている。


「あ、いえこちらこそ急に来てしまって申し訳ないです。新しく指揮官になりました鳥津とりづ酒々しすいと言います」

 名刺を差し出すと悠花さんはそれを受け取ってご丁寧にどうもという社交辞令を交わす。


「Triggerってこんなこともやっているんですね。てっきり軍隊みたいに「わからん奴は死ね!」とか規律とかに厳しい組織なのかと思っていましたよ」

 士官学校とかを見学したり、入学したことはないがなんとなくそんなイメージがある。Triggerも一応自警団。警察や軍隊に近い組織である以上は厳しい教育なのかと思っていたが。


「そうですね…あの子達も一応女子高生ってことですよ。彼女たちはライセンスを取るために「異技能ステータス制御専攻」を選ぶことになるのですが、Trigger職員の子供のための学校では普通の進学校と同じカリキュラムで授業を行っているんですよ」


 そういえばそんなことを篠宮さんが言っていた気もするな。


 さっきから何回か話に登場しているライセンスとはなんだろうか。

「そういえばライセンスってなんなんですか?」


「そうですよね、一般の方には馴染みがないですよね。私たちTriggerの本部はここなのですが、もう一つ本部と呼ぶべき場所があります」

「本部と呼ぶべき場所?」

 そういえば本部に行っている2人って言ってたけれどよく考えたら確かにTriggerの本部はここなのをすっかり忘れていた、というか気にしていなかったな。


「ええ、正しくはそこの管轄といったほうがいいでしょうか…。『虚構因数学会』という組織です。この組織が発行しているライセンス。これがないと自警団活動はできないんですよね」


 なんか色々と疑問が沸く返事が帰ってきたがどこから質問したらいいか…。


「この前の活動はアイリーン教官管轄の元で作戦でしたよね?あれはアイリーン教官が学会に認められた教官だからなんです。アイリーン教官がいない状況で活動することは今の彼女たちにはできないわけです」

 なるほど…つまり…。


「後の2人…えーと霧島さんと遠見さんはそれが可能だと」

「そういうことになりますね…あ、すみませんそろそろ時間なんで…」

 色々と質問したいこともあるが、なんだかんだ話をしているうちに既に次の授業5分前になっていた。

 ちなみに3人の次の授業は僕とアイリーン教官の実習になっている。


「ありがとうございました、次も頑張ってくださいね」

「はーい、酒々井さんも頑張ってください!」

 あ、これいいぞ。なんか悠花先生と話してると癒される…。


「あれれ~?もしかして悠花先生に惚れちゃったァ?」

「な、なわけないだろう!っていうか鈴良!なんでお前は手榴弾を握っているんだ!落ち着け!落ち着いてそれをしまえ!それに輝璃も違うから!頬赤らめないでって!」


 あぁもう、なんでこうもこいつらは俺をおちょくりやがってェェェェ…はぁ。


「早く支度しろ、演習ビシバシしごいてやるからな」

「はいはい、やれるもんならやってみなって」

「期待しています」

「…お手柔らかに」

霧島さんと遠見さんはいつ帰ってくるのでしょうかね?

そろそろ帰ってきてもいいかな…?

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