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トリガーハッピー・GirlsCode  作者: 伏見沙織
序章 指揮官
6/11

異技能戦闘

すみません、今回は詰め込もうと思って少し読みにくくなっているかもしれませんがぜひ読んでみてください(戦闘シーンの描写難しすぎませんか!?)

 サイレンサーが起動されると3人の耳にはあらゆる音が聞こえなくなっていた。

 

 雨の音。

 風の音。

 お互いの声まで。


 鈴良の異技能サイレンサーは特定の音を消すということもできるが、ある一定エリアの音全てをかき消すこともできる。

 というよりも、届かなくするというほうが正しいかも知れない。


 いま、この制御室の周りの音はすべてカットされている。

 さすがに壁の向こう、つまり制御室内の音を消すことは原理的に無理があるが。


 いつもならこの状態でハンドサイン、または信号灯などで突入命令を出す。

 それだけでは対応できない作戦の場合は致し方なくサイレンサーの出番はないわけだが。


 しかし、今日は違うコミュニケーション手段があるのだ。


『どうだ聞こえるか?』

 酒々しすいの声が聞こえる。

 いや、聞こえるというのは少し違うかも知れない。頭の中に直接語りかけてくるのだ。


「本当に聞こえるんですね、私のサイレンサー中でも」

 鈴良は作戦の準備をしつつ返す。


『音にするわけではないからな、音なら振動があって逆波長をぶつけられちゃ打ち消されてしまう。ただ、俺の場合は『脳波』に話しかけているからな。

 

 酒々井の理論は突拍子もなく聞こえるが実際にコミュニケーションを可能にしている。


 任務中の3人は任務前にイヤホンのような物を渡された。

 これには音を聞く以上の大事な機能がある。


 それは『脳波』と受信、送信するという機能だ。

 人間の脳というのは非常に機械に似ている。


 機械というのはメインのコンピューターから信号を送って制御している。例えば、「右のアームを動かせ」という命令がメインコンピューターからケーブルを通ってアームに送られれば、右のアームを動かすことになる。


 これは一連の流れでどこかひとつだけ抜け落ちれば動作はうまくいかない。


 人間というのもよく機械に似た設計だ。

 脳が「右手を振れ」と命令すれば神経を通って右手まで命令が送られる。そして右手に到達した時にやっと右手を振ることができる。


 無意識にやっていることではあるのだが、これはどんな人間も確実におこなっているわけだ。


 そして、機械と人間で違うところは逆も存在するということ。

 手のほうが「熱い」という信号を脳に送るということもあり得るのだ。これは人間特有で、機械には自然にはこの機能は付いていない。意図的にセンサーを装着した場合のみに限られる。

 

 またその伝達信号は電気的な信号を神経系を通って送ることで実現ができる。


 つまり、人間なら脳に直接命令を送り込めば、本人の意図しない行動や、思考をさせることもできるというわけだ。


 酒々井のノイズジャックは機械の動作部にダミーの命令を直接送り込むことで、ハッキングやジャミングを可能としている。

 原理としては酒々井の思考を機械へ語りかけていると言っても過言ではない。


 この原理と同じように3人と酒々井の装着しているイヤホンには人間の伝達命令を電気的に変換する、また電気的な命令を人間の命令伝達の信号と同じ形に変化させる機能も備わっているわけだ。

 つまり、人間の喋ろうとしている「言葉」を脳波的に読み取って電気的に変換。


 そして酒々井ノイズジャックにより、電気的に「言葉」のダミー命令を組み上げる。組み上げられた命令は他のイヤホンが受信し、電気信号から伝達信号へと変換され、装着者の脳に直接送り込まれる。


 実に複雑な理論に見えるが実は簡単。酒々井の能力を媒介として、テレパスを可能にしているということだ。脳に直接語りかけることによって実際には聞こえていない音を聞こえたと錯覚してしまうわけだ。

 これには多大な演算量を必要とするが、これを可能にしているのは酒々井の演算能力とゲームで培ってきた経験というわけだ。 


『いいか、俺が合図したら突入開始だ。作戦通りの手順で進めてくれ』

 

「「「了解」」」

 3人は至って落ち着いた様子で声を掛け合った。


 酒々井は息をゆっくりと履いた。

 緊張からか息苦しくなっていたことに気づいたからだ。

 ゆっくりと確実に…。


『突入!』

 その掛け声を合図に鈴良の持っていたC4爆弾のスイッチが押される。

 あわせて酒々井は制御室の電気をすべて落とす。

 今日は雨で月明かりさえない夜だ、ましてや室内なら完全な闇といってもおかしくないだろう。


 数秒後。


 異様な光景だっただろう。


 強烈な爆風。

 今までコンクリートの壁だったものが崩れ落ちる。

 しかし、それはなのだ。

 

 サイレンサーによって全ての音はかき消される。

 無音で崩れるがれきは異質で、まるで地球の物体ではないようにすら思えるのだ。


 テロリストたちは視界を完全に奪われている状態。

 そして爆風でなにかの異変には気がついたが視界は奪われている。

 爆風で吹き飛ばされ尻もちをついた頃にはパニックに陥っていた。


 そして叫ぼうとした。

 誰だ!

 何があったんだ!


 しかしその叫びは声にすらならない。

 爆風をもかき消してしまうサイレンサーの前で叫び声など些細な雑音でしかないのだ。

 

 恐怖の声は誰にも聞こえないのだ。

 

 視覚。

 聴覚。

 声帯。

 

 これを奪われたテロリストは恐怖で何もできなくなっていた。

 尻もちを付いた時点で自分がどっちを向いているかすらわからなかったし、銃を撃とうにも跳弾で自分が被弾しかねないということはわかっていた。

 

 パニック状態になっているテロリストたちとうって変わって3人は冷静だった。


「次は私の番だね」

 そう萌花は呟いて相棒のFA-MASを構える。

「3,2,1…」 

 萌花は心の中で3カウントを数えると崩れた壁から制御室の中に飛び込んだ。


 テロリストたちはなにかが制御室内へ侵入してきたことはわかったが、それがどこに立っているか。どんな武器を持っているなどは全く見えなかった。


「リーンバウンド…最大出力」

 そう萌花はつぶやいた。

 決め台詞のようにつぶやかれた瞬間――


 部屋の床はのように変化した。

 萌花の居る周り1mはそのままだが、制御室の床はほとんど液化している。


 突然のことにもう何がなんだかわからなくなってしまったテロリストは銃も捨て、息をするという欲求しか頭にないようでもがき続ける。

 

「硬化」

 

 その一言を萌花が口にした瞬間、液体のようだった床が一瞬にしてコンクリートに戻る。

 顔だけコンクリートから出したテロリストたちは身をよじろうとしているが、そんなことができるわけもない。

 

 青ざめた顔でテロリストたちは思う。

「今から死ぬんだと」

 

 そんなテロリストたちに声が聞こえる。

「私を見てください…」

「だ、誰だ!?」

 いつの間にか声が出ることに気づいた一人が叫んだ。

 助けてくれるとは思わない、だが自分を殺す相手が誰なのかくらいは知りたい。そんな思いがあったのかもしれない。


「こっちです…」

 声をする方を向いたテロリストたちは恐怖した。

 赤い瞳が暗闇の中に浮かび上がっている。


 それは自分たちを殺す殺意のように見えた。


 そしてその瞬間、テロリストたちは意識を失った。


 爆発からわずか30秒程度の出来事だった。



◇◆◇◆◇



「無事テロリスト無力化しました」

 鈴良からの報告に指令車の乗務員全員が安堵する。


「やりましたね、教官…ってあれ?」

 酒々井が喜びを分かち合おうとしたアイリーンはなぜかその時姿を消していた。

 外の空気でも吸いに行ったのだろうか…。


「うわぁ最大出力出しちゃったからちょっと休まないと動けないかも、でさこの2人どうやって運ぶ?」

 そうだな…ん2人?


『二人というのは本当か?』

 酒々井はおかしなことに気づいてしまった。


『おい、萌花。その二人の武装は?』

「えーと…1人は普通の銃、もう1人は爆弾持ってるね」

 おかしい。

 酒々井は電気系統のゲートを探す時に監視カメラの制御系等にも一度アクセスした。


 その時制御室にいた人数は3人だったはずだ。

『今すぐ制御室の周りの警備を―』

 酒々井の命令はつんざくような悲鳴によってかき消される。


『どうした!!!』

「鈴良が人質に!」

 最悪の事態だ。

 個別に人質を取られた場合に対処すべきは…。


「近づくな!俺のテレキネシスならこの程度のネーちゃんの腕一本くらいすぐ折れるんだぞ!」

 腕一本ならマシだが、相手はテロリスト。

 どんな武装をしているかもわからない。


『3人とも一旦落ち着け…今すぐに対処を―』

「殺す…」

 微かに聞こえたその声が誰ものか酒々井にはすぐにわかった。


 だ。


 その言葉から確かにわかったのは、言葉の中には殺意しか込められていないことを。


「来るなつってんだろうが!!!」

 テロリストの怒号が飛ぶ。


「死ね…」

 その瞬間に輝璃の体はテロリストの後ろにあった。

「!?」

 次の瞬間にはテロリストは輝璃に押さえ込まれていた。


 それはほんの1秒ほどのこと。


「調子に乗るな、三下が」

 次の瞬間ガバメントの引き金に指をかけテロリストの額へと押し当てる。

 男の顔は青ざめを通り越し、真っ白になっていた。


「指を一本一本折ってもいいが、お前ごときに時間を使いたくない」

 そして輝璃は引き金を引こうとしたその時。

 

 制御室の窓が割れた。

 

 一瞬全員が怯んだ瞬間に、そこから誰かが入ってきた。


 その誰かは鮮やかな金色の髪をなびかせながら輝璃に飛びかかる。

 輝璃は飛びかかってきた人物を投げ飛ばそうとするが、いとも簡単にかわされてしまう。


 そして人物は輝璃の手を捻りあげて取り押さえる。

「輝璃、ダメだぞ。飛びかかられたときはまず蹴りから入ることだ」


 萌花と鈴良、さらにはテロリストまでがその数秒間のできごとに呆然と立ち尽くしていた。

わかりにくくて申し訳ないです。


物語のインスピレーションはガンガン湧いてくるんですが、

戦闘シーンのインスピレーションがなかなかですね(泣)


でも自己満足で楽しくかけているのでこれからも頑張って書きます!

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