爆発
久々なのでおさらい
「不凍輝璃」…異技能『ゴーンアイ』
内気な性格で普段から無口、だがトリガハッピー状態になると能力向上し、残忍な性格になる。
愛銃はコルトガバメントのコルさんとベレッタのレッちゃん。
「風切萌花」…異技能『リーン・バウンド』
普段から明るく、よく喋るムードメーカー。愛銃はFA-MASで銃剣を装備している。
「鈴良小鉢」…異技能『サイレンサー』
いつも冷静で戦況に合わせた武器を使用する。酒々井が女の人に惚気ていると瞬時に手榴弾を取り出す。ちなみに酒々井は鈴良のほうが呼びやすいから一人だけ名字で呼んでいる。
いつもの教室に立っている。
いつもの生徒たち。
いつもの服装。
ただ一つ違うのは彼女たちの顔には大きな不安の色が見えるところだ。
もちろん勉強ができないからとかそんな不安ではない。
「しーちゃん…大丈夫、だよね?」
いつも明るい萌花も今日ばかりは不安を隠しきれないようだ。
「大丈夫、ここにいれば安全だ」
「そうじゃなくて!アイリーンきょ――」
彼女の名前を口にしようとした萌花を鈴良が制す。
「今は信じるしかないんですから、酒々井さんもさっきからぐるぐる回って落ち着きがないですよ」
そういえばさっきから教室をぐるぐると無意識に回っていた。
「すまない、鈴良のほうが大人だな」
少し冗談交じりで言うと萌花が少し微笑んだ。
「……」
輝璃は依然として机に着いたまま無言で外を眺めている。
それはこの状況を作り出した現況が窓の外にあるからだ。
モクモクとTrigger敷地内の建物から出ている煙はより各々の不安を煽っているようだった。
たった15分前のことだった。
突然響いた爆発音。
窓が震える衝撃波。
爆発が起きたのはこの校舎ではなく対面にあるコンクリート製のTrigger本棟。
その3階にある一室のようだった。
校舎から本棟までは50m程の距離があるが、その衝撃波は窓を大きく震わせた。
幸いなことに窓が割れるほどではなかったから彼女たちにケガはなかったのだが、それよりも問題は爆発が彼女の部屋で起きたということだ。
ここにある誰もが一度くらいは部屋に行ったことがあるからすぐにわかった。
アイリーン ベルトン
Triggerの職員にして彼女たちの教官であり僕の上司。
爆発が起きた部屋は彼女が普段、プライベートの部屋として使っている書斎だった。
僕は前、そこで紅茶を入れてもらったことがある。
彼女は平日の授業時間中は基本的にTriiger職員としての業務を行っているはず。
つまり彼女は自分の部屋に居ることはないとは思うのだが。
爆発の原因などの詳細はいまだにわかっていない。
ただ彼女の部屋で爆発が起き、いまだに炎が燃えて盛っているということだけだ。
もちろん消火活動は行われているがいまだに火の勢いは弱まっていないようだ。
そういえば部屋の中は木製の本棚が4つほどあってその中に本がズラリと並べられているから、それらが燃料になって火を強めているのかもしれない。
職員の人から、僕と彼女たちは待機させられている。
彼女たちが待機させられているのはもちろんわかるが、僕まで待機というのは腑に落ちない。
「酒々井さん、アイリーンさんを見ませんでしたか?」
そこに現れたのは悠花先生だった。
「え?教官ですか?仕事中だったのでは?」
「それが、調子が悪いから少し休むって言ったまま戻ってないんだそうです。こんなことになってみんな探し回っているんですがどこにもいなくて…」
いやな予感がする…。
この前の言葉がよぎる。
『だから酒々井、頼みたい。彼女らを絶対に死なすことのないように…。彼女らを絶対に殺すことがないように…頼む』
あれが彼女の遺言…そんなわけない。
「そんなわけない…教官は僕たちを残して逃げ出すようなことはしない」
「え?どういうことですか…逃げるっ――」
悠花先生が最後まで言い切る前に走り出した。
「私も行く!」
「私も行きます」
「うん…」
3人も僕を追いかけるようにして教室を飛び出した。
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