第9話
もう軽くフリーズしそうだ
この状況についていけない
…なのに、何故か手が…心が落ち着かない感覚に襲われる
震える
これは怖いから震えるそれじゃないと俺は理解していた
なんだ…これは
「あれは死神」
ユズナが俺にだけ聞こえるように小さい声で言った
死神?ユズナの話に出てきたやつだ
この女の子が死神?
俺が想像していた死神はもっとホラーだったのだが、とんだ勘違いだったみたいだ
「あっれぇ?もしかして、その隣にいる男の子もこの中で動ける感じなの?契約…を交わした感じは無さそうだし…そこの人間素質が濃いねー」
女の子は嫌な笑い声を上げながら話しかける
「喋りかけないで、耳が腐る」
「…は?」
ピシッと2人の間に亀裂が入る音がした
「一瞬で終わらせる、待ってて」
ユズナはそう言うと立ち上がった
「一瞬で殺られるのは〜お・ま・え」
女の子がイライラした少しドスの効いた声ではんっと笑う
そんな可愛い声のどこからドスの効いた声を出せるのか不思議だ
「寝言は寝て言って、殺られるのはお前、せっかく話してたのに邪魔されて今すごく機嫌が悪い」
「私はぁ、お前のせいで機嫌が悪い〜」
どんどんと険悪になっていく2人