第4話
それに、何で屋上にいるのかも気になる
学校に無断で入れたのか?それとも誰かの知り合いで来てて迷い込んだ…とか
まだ少し痛む頭で色々考えるが、正解はユズナだけが知ってる
だから俺はユズナの言葉を待った
「ここへは秋斗の匂いがしたから来た」
「?」
俺の匂いって何だ?
ユズナは一旦俺から離れると、俺のジャージを取り出す
「これ、匂いすごい付いてた」
……こんなので分かるとか俺臭いのか?
てか…どこから嗅いできたんだ?このユズナって子は
「私は、火の精霊ユズナ」
そーかそーか、どこからまた自己紹介になったのか分からないが、ユズナは火の精霊だったか
―…て、
はい?
今この子はなんと?
火?火の精霊って言った?
ん?
まさか…ユズナってそういうタイプ?
凄く美人なのに【右手が疼くっ!】とかそういうの言ってしまうタイプか?
「秋斗、なんか誤解してる気がする」
ユズナは少しだけムッと口を尖らせる
「私は人間じゃないから、嗅覚とか凄い…秋斗の事に関してだったら尚更…そして少し前の何で俺の事を知ってる?て答えは簡単……私がユズナで秋斗が秋斗だから」
ユズナは一気に淡々と言う
そして答えが遅い上にその理由も意味分からない
人間じゃないから嗅覚とかも凄いって何?
火の精霊だからとか言い出すのか?