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第2話
…え?
俺は驚いきに目を見開く
なぜこの子は俺の名前を知ってる?
今、この場所が初対面のはずだ
でも…なんだこの違和感は
その透き通った綺麗な声と、風に乗せられて届く女の子の甘く、そして何処か落ち着く匂いに、俺は懐かしさを感じた
……なんで…
ズキッ―…
深く考えようとしていた俺の頭に急激な頭痛が走る
「いっ…!」
何…だ?
何で…?
やばい…痛すぎて眩暈がする
下手したら気絶しそうなその頭痛に、俺はしゃがみ込んだ
「秋斗っ…!」
透き通った綺麗な声が俺の名前を再び呼ぶ
女の子は俺の方へと駆け寄って同じようにしゃがみ込み、肩に手をおく
「秋斗っ…大丈―…」
俺は女の子の言葉を遮るように顔を上げ
「…誰?…何で俺の名前しってる?」
まだ痛む頭を抑えて痛みに耐えながら聞いた
女の子はその俺の言葉に悲しそうな、苦しそうな顔になる