#08 メール
来ない。
何故だか来ない。
学校についてから、家に帰るまでには来るだろうと予想していたのに。
メールが来ない。
そう、メールが来ないのだ。
「メールが来ない!」
俺は学校から家に帰ると、一人で叫んでいた。
学校での俺の行動や言動は明らかにおかしかった。
授業中も、携帯をずっと机の上に出して、雫からのメールを待っていたし、何度もセンター問い合わせをした。
そんな姿を明に見られて爆笑された。
「お前って、分かりやすいなぁ!」
「何が?」
「お前、好きな子からのメール待ってるんだろ? 分かりやすすぎて、腹イテェって。」
ぎゃははと、授業中にも関わらず笑い続ける明の頭を殴ってやった。
「いってぇ!」
頭をさすりながら、明は笑うのをやめた。
「でもさ、友達として嬉しいんだぜ? 友人に好きな子が出来ると」
かすかに笑みを浮かべながら、明は俺に言ってきた。
明も、性格はともかく、容姿は悪くない。
服のセンスもあるし、話もうまい。
ただ、性格が少しやっかいなだけで、一緒に居ると楽しい奴だ。
そんな、明だから結構女からも人気がある。
「なんで、嬉しいんだよ。意味わからねぇ」
俺は苦笑いしながら、明に問うと明はさっきと変わらない笑みをこぼしてこう答えた。
「こんな純粋な恋をして、こんな顔をしてると、やっぱ大地は心を持った人間なんだな、って。今まで冷血とまで呼ばれた大地がだぜ? そう考えると、やっぱ嬉しいんだよ」
俺は「そっか」と答えると、「そうそう」と明が答えた。
「そういえば、どんな子なんだ? お前の好きな子っていうのは。」
「…秘密だよ。秘密」
「教えろよ〜」
そんな話をしていると、授業の終わりを示すチャイムが鳴った。
それから一日中、明から質問の嵐だ。
こんなのが、ずっと続いたら、俺は不登校になるかもしれない。
それぐらい、心に悪かった。
家で一人ベッドで横たわりながら、彼女のメールを待った。
夜になっても、来ない。
来ないではないか。
「来なぁあああい!!」
本日、何度目であろうその言葉を発すると、俺の携帯が鳴った。
携帯の画面を覗くと、そこには明の文字が。
大きいため息をひとつついて、電話に出た。
「なんだよ…」
「うわっ、お前テンション低いぞ」
「…なんだよ?」
「合コンが、今からあるんだけどさ…その様子じゃ来れないよな」
行けるわけが無い。
「ごめんな」
俺がそういうと、明が元気よく「いいって!」と言ってくれた。
そのまま電話が終わると、俺は枕元に携帯を置いた。
今日は来ないかな。
はぁ…とため息をつくと。再び携帯がなった。
「雫か!?」
そう叫んで、携帯を覗くと見知らぬアドレスからのメール。
メールを開くと、メルマガからのメールだった。
「…ぶっ殺すぞ。何度も期待させてやがって」
携帯を折ってやろうかと思ったけど、さすがに出来ない。
「雫…」
俺がそう呟いたとき、再び携帯がなった。
少し期待していたが、内心「来ないだろう」という気持ちが大きかった。
ため息をつきながらメールを開くと、題名の部分に「石上雫」という文字が表示された。
嬉しさのあまり、ベッドで横たわっていた俺の体は、いっきに起き上がる。
メールをあけると、そこには雫のと思われる電話番号と文章が一文だけ表示されていた。
――――――呼び方、雫でいいよ。
と。
自分の文章能力が本当に足りない…。
バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。
評価で言いにくい場合は
net_touki_net@yahoo.co.jp にメールを送ってくださるか、
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で、匿名でのメッセージもできます。
宜しくお願いします。