#05 雫の涙
今日も学校が終わり、暇な友達を誘ってゲーセンへと向かった。
いわゆる不良のたまり場だ。
特に何をするわけでもなく、ただ話している。
この前警察に誰々が捕まったとか、どっかの誰々が売春やってるとか、シャブやってるとか、どっかの暴走族に入ったとか。
俺にはまったく関係ない話。
それでも、周りにあわして俺は話をしていく。
話をしていると、いつもどおり女が話しかけてきた。
「大地君、今日あたしをお持ち帰りしない?」
ニコニコときもちわりぃ笑みを浮かべる女。
「あ、いい…」
いつもどおり、いいよと言おうとしたときだ。
どうしてか、雫の顔が浮かんだ。
彼女は、俺がこういうことをしていると知ったらどう思うのだろう?
「ごめん、今日は気分が乗らないんだ」
俺がそういうと、彼女は「そっか」と言って、友達であろう女友達のところに戻っていった。
「どうしたよ? 大地が女の誘い断るなんて珍しい」
俺の隣に座っている、男が言った。
確か、名前はカイトだった気がする。
「別に、気分が乗らないんだ」
そう言うと、周りは「へぇ〜」と言い、納得してくれたようだ。
…皆が納得したにも関わらず、俺の左隣に座っている明がきゃっきゃっと笑いながらみんなに言う。
「こいつ、好きな子が出来たらしいぜ」
俺は「馬鹿っ!」と言って、おもいっきり腹部へパンチを入れた。
「ぐはっ」と明が痛がっていたが、ニヒヒと笑っている様子から反省はしていないらしい。
周りの連中は俺を見た。
「まじかよ! あの大地が?」
「どんな子なんだろう」
「すっげぇ気になる!」
色々言葉が飛び交う中、俺は呆れてこう言った。
「好きな奴なんていねぇから」
しかし、こう話している中でも、思い浮かぶのは、雫の三つ編みモードでは無い方の姿。
それから、俺たちは色々と楽しみ、俺は8時ぐらいにゲーセンから立ち去った。
俺の家から、ゲーセンまでは約駅ひとつ分。
今日は電車には乗らず、なぜか歩いて帰った。
空はもう暗い。
川原の土手を歩いていると、ある男集団が目に入ってきた。
「喧嘩か?」
そう思い、近寄ってみると、ベタではあるが、四人ほどであろう男の集団に囲まれている見たことのある女が立っていた。
「石上…雫」
俺がボソッと呟くと、男集団の一人がこっちを向いた。
「お前、誰だよ?」
…どうも、俺のことを知らないらしい。
結構有名なんだがな。
「それより、俺の女に何やってんだ? てめぇら」
「こいつ、お前の女なのか。結構美人だから、俺たちが食べてあげようと思ってな」
男集団の一人がそういうと、周りの奴等も一緒になって笑っていた。
雫のほうに目を向けると、少し目が涙目になっている…気がする。
「とりあえず、その女をこっちに渡してほしいんだけど。」
俺は作りに作った最高の笑みをみせて男たちに言った。
「はぁ? お前は自分の女が食われているのを見ればいいんだよ」
男がそういい終わると、一人は雫を捕まえ、あとの三人は俺に襲い掛かってきた。
どっかのアニメみたいに、一瞬で三人を滅多打ちに出来れば格好いいのだが、さすがにこれは厳しい。
しかし、負けるわけにはいかない。
多少、ボコボコにされたが、なんとか男たち三人を叩きのめしてやった。
最後は、雫を捕まえている男だが、俺が雫のほうに近寄っていくと、殴りかかってきた。
一人なら問題ない。
相手の拳を軽々とよけて、腹部に一発、顔面に一発パンチを入れて、KOしてやった。
「大丈夫かよ?」
俺がそう言って、雫に近寄っていくと、三つ編み、眼鏡っ子モードでは無い雫は、そっぽを向きながら泣いていた。
自分の文章能力が本当に足りない…。
バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。
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