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君との日々  作者: Toki.
46/57

#46 修学旅行〜雫の隣〜



「寒くねぇか…?」


「寒い」



修学旅行の行き先は北海道である。


9月の北海道というと、まだ暖かいのではないか? と言う疑問を持つだろう。


しかし、雨が降っていて、凝るように寒い。


外の気温を掲示板で見てみると、2度と表示されていた。



「雨、やばくねぇか?」


「やばい」



こんな会話をしているのは、俺と明である。


外を見る限り、嵐がきているのではないか…と思うほどの大雨ぶり。


風も強くて、スカートであればパンツが見えるのではないか? と思うほどに。


雫はというと、空と一緒に楽しそう…とは見えないが、喋っている様子。


そんな姿を見て、俺は大きくため息ついた。



「嫉妬か?」


「ち、ちげぇよ。そんなんじゃ…ねぇって」



嫉妬…か。



「空って、雫ちゃんのこと好きなんだろ?」


「え! 知っているのか!?」


「顔に書いてあるだろ」



空の顔をよく見てみる。


…顔には一切文字は書かれていない。



「どこにも書いてねぇぞ?」


「そのボケはベタすぎる」



明がそういうと先生が「1組からバスに乗りますよ」と皆に言った。


俺達は先生の指示に従い、バスへと歩いていく。


雫は…まだ空と話していた。










バスの中では、みんな好き勝手にしている。


寝ているやつもいれば、トランプを出して遊んでいたり、カップル同士でイチャついていたり。


雫と離れている俺にとっては地獄のようである。



そのうち、目的地であろう場所でバスはぴたりと止まった。



「すっげぇ! 馬がいっぱい!」



クラス内の誰かがそう叫ぶ。


その言葉につられて、みんなは窓の外を覗いた。


俺はというと、明と一緒にバスを一番に降りる。


修学旅行のしおりに運よく書かれていて、運よく俺が持ってきたこの折り畳み傘を片手に持ち差した。



「これが自然の…においというのか」


「雨くせぇだろ」



俺がせっかくこの自然に感動をしようとしていたのに、明が無駄なツッコミを入れてきた。



「…そうだな。」



まぁ、否定はしないけれども。



俺達がバスを降りて数十秒後、雫の乗るバスが牧場に到着した。


ふと、そっちを見ると、バスの中で隣同士に座る雫と空。


…。


その光景を見た俺の心の中で、何かが暴れだしたのだった。




見つめていた先の光景に気付いた明が、無言で俺の肩をポンポンと叩いた。


俺は振り返り、歩き出した。






そして、牧場の後に行ったところでも、その次のところでも…雫の隣にはいつも空がいた。



「くそっ!」



近くにある壁を殴る。


彼女の姿を見ることが…嫌だ。


つらい。


苦しい。


そして、座り込む。


科学館の外だけれども、立ってはいられなかった。


霧のような雨が、風に乗って俺にぶつかってくる。


その雨が顔に当たると同時に、何かが俺の頬を辿り地面に落ちた。


この光景は、泣いているように見えるのか。


否。


…俺は泣いているのか。



人目を気にせず、俺の涙は外へと出てくる。


幸い、まだ学校の連中はこの科学館の中だ。



「大地…」



泣いていると、前方から明の声が。


名前を呼んだ後は、何も話さない。


俺はただ黙って下を向いた。


それでも、俺の涙は止まったりしなかった。



「うっ…うっ…」


俺の口から少し漏れる泣き声を、この雨の音で消し去ってくれないだろうか。


この辛い気持ちを、この雨水で洗い流してくれないだろうか。



















さぁてと

何故か大地が涙。

これから大発展よそうです。



評価で言いにくい人は、

net_touki_net@yahoo.co.jp にメールを送ってくださるか、


http://plaza.rakuten.co.jp/mlq84s/mailboxform/

で、匿名でのメッセージもできます。

宜しくお願いします。






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