#42 マイハウス
「…へ? ダンボール?」
俺は、あの後午後の授業をサボって家へと帰っていった。
なんとなく、由梨と会いたくなかったから。
下校中は、由梨の言葉が頭の中でぐるぐる回っていた。
『今でも私のこと好きかな?』
嫌いじゃない。怒りもさっきの会話で消えた。
だからと言って、この変な気持ちを『好き』と例えていいのだろうか?
否、俺はもう雫を忘れることは出来ない。
そう…雫が好きなんだ。
色々考えながら家のドアを開けると、そこには今日朝、学校出てきたときとは違う光景があったのだ。
そこで、この話の冒頭に戻る。
ダンボールが複数並べられていたのだ。
あて先を見ると、俺の母親宛になっている。住所もここで間違いない。
…で、この複数のダンボールは何のためにおいてある? という所にぶち当たる。
「ひとつ…覗いてみるか」
一番左側に置いてあるダンボールのガムテープを外して、ふたをあけた。
「これって…どっかで見たような」
そこには、少し色が変色したと思われる人形があったのだ。
どこかで見たことがある気がする。
どこだろう。
他にも色々さぐっていると、さっきのような気持ちになる物ばかりだ。
デジャビュか?
俺の脳の底からある記憶を拾い出した決定的な物がそこにはあった。
「あのときの…キーホルダーじゃないか」
そこにあったのは、小学校4年生のときに空に渡した星型のキーホルダーがあった。
『これは俺と空だけの物だから。』
そう言って俺は、空が父親と引越しをしていくときに、あの当時俺の宝物だったこのキーホルダーを渡したのだ。
「空の…荷物か?」
ダンボールの中の物を見てよく思い出してみると、昔、空が使っていた物だった。
…ここに空の荷物が入ったダンボールがあるのは何故だ?
この家に住む?
すると、父親はどうなった?
もしかして、あの母親と再婚したのか?
いや、ありえない。
だって…あの母親他の男と寝ていたし!
色々考えていると、家のドアが勢いよく開いた。
「たっだいま〜。大地、もう帰ってたんだぁ」
そこにいたのは、のんきな顔をした空だった。
「お、おかえり? でいいのか…な?」
ウンウンと頷く空。
「そ、それより、なんでこの家にダンボールが? と言うか、なんで空がここにいるんだ? 今日色々ありすぎて、頭がおかしくなっているから、分かりやすく説明してくれ。」
俺は息を整えて、聞く準備をした。
「あれ、聞いてないの? 糞親父がどっかの馬鹿女との間に子供が出来ちゃって、俺は追い出されたっていうわけさ〜。一人暮らしは無駄に金がかかるからって言われてぇ〜」
…俺が最後に見たとき、親父は確か38歳だったよな? 今は46歳か? そんな年で、よく子を孕ましたよな。
「そんな年で、よく子を孕ましたよな。って、思っただろぉ? 俺もそう思ったぁ!」
「お前はエスパーか?」
空は、俺達と離れてから、喋り方と性格が変わって…ない!!
昔からエスパー気味っぽい所があって、のほほんとした性格だったからな。
「まぁこれからこの家に住むのだろう? 余っている部屋があるから、そこにダンボール運ぼうか」
俺はひとつダンボールを持って、歩き出した。
空も俺の後に続き、ダンボールを持ってきた。
部屋を少し掃除して、荷物を全部出して、整理するのは夜9時までかかった。
ベッドやクローゼットなどの家具は、どうやら明日届くらしい。
俺は晩ご飯を空に作ってあげて、思い出話をしながら久しぶりに誰かと食べる食事を楽しく終わらした。
自分の文章能力が本当に足りない…。
バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。
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