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君との日々  作者: Toki.
35/57

#35 お祭りの出来事3


俺が前を向くと、さっきからチラッチラッと瑞樹が俺等のほうを見ているのが分かった。


何か言いたいことでもあるのだろうか。



「どうした瑞樹?」


「え、いや、なんでもないよ!」



そう言って、再び朋子と楽しそうに喋りだした。


もしかして、さっきの雫の話が気になってるのか? そりゃ別人だからな。あの美人モードの雫と、三つ編みモードの雫は。



俺がチラッと雫の方を見ると、未だに俺が取ってあげたイルカと遊んでいる。


そんなに嬉しかったのか。


けど、そんな顔されると、また体が勝手に抱きついてしまいそうで…。


一度目をそらし、雫をもう一度見ると、目が合ってしまった。



「な、何?」


「いや、なんでもないよ。雫は?」


「わ、私もなんでもないよ」



そして、雫は前を向いてイルカの人形と再び遊び始めた。


こいつは子供か。


その様子を見ていると、どうも笑いがこみ上げてくる。


とうとう我慢が出来ずに、クククと笑ってしまった。



「な、何なのよ! やっぱり言いたいことあるの!?」


「いや、そのぉ、可愛いなって」



俺がそういうと、顔を真っ赤にする雫。


その姿になってから、他人に『可愛い』と言われることに聞きなれてないのか?



「浴衣姿も…似合ってるし」



雫はとうとう、俺を無視して下を向いた。


怒らせるようなことを言ってしまったか…。



「ご、ごめん」



俺が謝ると、雫は「な、何で謝るのよ!」と、余計怒り出した。


謝るのは、逆効果だったらしい。



「えっと、その…あ! そういえば、もうすぐ花火やるじゃん」



時計を見ると、19時40分となっていた。


花火は毎年、20時から打ち上げ開始なのだ。


1時間ほどで終わってしまうが、毎回多くの人がこの祭りに見に来ている。


年々、その花火のおかげで、祭りの参加者が増えていると言う話だ。


そのため、小学生の高学年のころから花火を見る場所がどんどんと無くなっていき、俺たちはあの頃、よりよい場所を探すために色々探索していたっけ。


そして、中学校に入った年の祭りのとき、俺たちはある秘密の場所を見つけた。


林の少し奥へ歩いていったところなのだが、崖の上となっており、花火を一望できる。毎年、三人で行くときはそこで見るって決めていたのだ。


そして、多分…今日も行くのだろう。



「お、本当だ。どこで見ようか?」



そう言ったのは、あの秘密の場所を知っている明だ。



「そりゃ、もちろん…」



俺が『あの秘密の場所でいいだろ。』と言おうとしたとき、明が俺の言葉をに重ねてきた。



「川原行く? あそこ少々人いるけど、そこまで悪い場所じゃないし。賛成の人は挙手!」



そういうと、俺と雫以外は手を挙げた。


雫は、明のテンションについていけないような顔をしている。



「あれ、お前たちは賛成しないの? じゃあ、反対もの同士二人でどっか行ってるか?」


「ばっか! 別にそこでいいって!」



そういい終えると、ニヤニヤしている明は俺の耳元でボソッと呟いた。



「あそこは3人の秘密の場所だから」と。



俺は唖然とした顔をしていた。


明がそんなことまで考えていたなんて。



「じゃあ行きますか!」



元気よく明が先頭を歩き出した。


それにつられて、みんなが歩き出す。


10分ほどすると、その川原へと着いた。


川原にはカップルらしき人たちが5組ぐらいと、高校生グループがちょこっといただけだった。


上は少し林で見にくいが、そこまで悪い場所ではなかった。俺たちの秘密の場所ほどではないが。


川原は結構暗くて、後ろのほうにある祭りにある出店の明かりで少し足場が見える程度だ。


そして、時間が8時になると、一発目の花火が上にあがり、パンッとはじく音が聞こえると、空の一部は綺麗なオレンジ色で染まった。



俺の前方数メートル先には、女の子2人とイチャイチャしながら花火を見ている明。


その後ろには、朋子と話をしながら空を見上げている瑞樹、その少し後ろには俺がいる。


そして、俺の隣には少し大きめな石に座りながら、空を見上げている雫がいた。




花火が上がって空で舞い散ると、一瞬だけ雫が見える。


この一瞬がなんだか嬉しくて、俺は花火より雫の顔を見てしまうのだ。


そのうち、雫は俺の視線に気付いて、「何よ?」と怒り出し、ひっそりと「雫を見てていい?」と聞くと「駄目に決まってるでしょ!」と俺の頭をコツンと叩いてきた。


俺は雫に気付かれないように、少し近くに寄ってみると、今度はギロっと俺を睨んできたのだ。



「今度は何?」



俺は何も言わず、雫の膝の上に置いてある雫の手をとった。



「な、何するのよ!」



周りに聞こえないようにひっそりと雫は俺に少し顔を寄せて言う。


そして俺は、もっと顔を近づけてそっとつぶやいた。



「少しだけ」



雫は離そうとブンブン振っているが、俺の力に勝てるはずも無く、4回ぐらいふってから諦めたようだ。


俺がニヤリと笑うと、雫は俺の顔を一切見なくなった。



















今年最後のUPです。

今のところ目標である毎日更新できている模様。

しかし、文章能力の無さに泣けてきますw

来年の目標は文章能力UPUPw



自分の文章能力が本当に足りない…。

バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。


評価で言いにくい人は、

net_touki_net@yahoo.co.jp にメールを送ってくださるか、


http://plaza.rakuten.co.jp/mlq84s/mailboxform/

で、匿名でのメッセージもできます。

宜しくお願いします。






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