#31 朋子の勘違い
俺たちの声が重なった後、雫は朋子に問い詰めた。
「『やっぱり』っていうことは、私と大地が一緒に居るっていうか…その、友達だったのを知ってたの?」
恐る恐る聞いてみると、朋子は馬鹿にしたように鼻で笑った。
「し、雫…あんた、池山君と美人な子…雫が一緒に居るところの写メが流通していることを知らなかったの?」
「え?」
雫は本当に知らなかったらしい。
「私があれだけ、雫に見てよぉって言ってたのに、断固拒否してたから知っているものだと思ってたよ」
「あ、あの写真が、私と大地のだったの?」
朋子は「そうそう」といいながら頷いた。
「大地は知ってたの?」
雫は朋子と喋るときとはまた違う声の低さで俺に問いかけてきた。
「あ、うん。知ってると思ってて」
「なんで教えてくれなかったの!? 馬鹿死ね!」
やはり貴方は言いすぎですよ。
俺だって、そんなに言われたら傷つくって。
『なんで教えてくれないかなぁ』なんて、ぶつぶつ呟きながら、俺が勝ってきたミカンに手が伸びる。
それを上手に向いて、ひとつ。またひとつへと口の中へ運んでいった。
3つ目を食べようと差し掛かったとき、朋子が喋りだした。
「それで、雫と池山君はいつから付き合っていたの?」
「付き合ってない!」
地球の誰よりも先に即答で答えた雫。
まぁ、事実は事実でも、ここまで仲良くして…ると思っているのは俺だけか。
ため息を心の中でついて、朋子に俺は話しはじめる。
「雫とはこの前、落とした定期を渡しに行ったときから、ちょっとした仲になって話し始めるようになったんだよ。ね? 雫」
俺が雫に問いかけると、カクンと首を下に下げた。
あ〜やっぱり可愛いよ。雫…って俺は変態か!?
「あの時! …そうだったんだぁ。あの後、雫に問いかけても何も答えてくれなかったからなぁ」
「黙っててごめんね?」
雫が悲しそうに謝ると、朋子は両手を広げて『いいよ! いいよ! 気にしてないから』とジェスチャーを加えていった。
雫は『ありがとう朋子!』と感謝をしながら、朋子にギュッと抱きついた。
俺には、抱きついてくれないくせに。
心の中で拗ねていた俺に気付いたのか、朋子がこっちを向いてニコッと笑ってきた朋子に対し、俺はニコッとやり返してやったが、そのときにはもう俺のほうは見ていなかった。
…おいおい。
けど、その朋子と、雫の姿が微笑ましくて、俺もあんなふうになれたらなって…少し思ったことは事実である。
その後、俺と雫と朋子の3人で過去話や、俺と雫の間で何があったかを話し合って楽しんだ。
見舞いに行ったのに、そんなのでいいのかよ。とか思ったが、思ったより雫は元気で安心した。
そこまでは楽しかったのだ。…帰り、そう問題は帰りであった。
俺と雫の家は10分程度と近い割りに、中学校は別なのだ。
そのため、二人の家の間には、学校の地区境界線というものがある。
ある大通りで、俺の中学校側か、雫の中学校側なのか別れてしまうのだ。
話に聞くところ、朋子は雫と同じ中学校であり、この境目の大通り付近らしい。
すると、帰りの何分かは必然的に俺と同じ道を歩むことになる。
雫にバイバイと言った後、案の定俺と朋子の足の方向は同じ方向を向いて歩いていった。
「ねぇ、大地君」
雫が見えなくなると、朋子はいきなり俺に話しかけてきた。
「…はい?」
「大地君は、雫のことが好きなんですよね?」
直球!!
直球過ぎて、一瞬俺はうろたえてしまったが…大丈夫。
俺は意を決して頷いた。
「やっぱり。恋している目だと思った」
「分かります?」
「だいぶね〜。大地君ってそんなに分かりやすいんだ」
ニヒヒと勝ち誇ったかのような声を出すと、朋子は少ししんみりとした顔になった。
「―――雫が、こことは違う前の中学校で…」
言いたくなさそうにする彼女に、俺は言葉を上乗せした。
「ストーカー?」
「…知ってたんだ」
「無理やり聞き出した…っぽい感じだけどね」
そのまま少し沈黙のまま、大通りへとたどり着いてしまった。
「じゃあ、私はここで」
「うん。気をつけて」
俺が手を振ると、朋子は少し大きめな声で言った。
「雫を…守ってあげてね!」
当たり前だよ。
雫は…俺が守って見せるから。
自分の文章能力が本当に足りない…。
バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。
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