#18 守れなかった
暴力シーンが含まれて居ます。
苦手な人は、ご遠慮ください。
…よく考えてみるとそんなに入ってないか。
雫が帰って、俺はベッドの上で雫の文字と睨めっこをしていた。
これが、雫の文字か。
「可愛いなぁ…」
雫のことを思い浮かべると、笑みが勝手にこぼれる。
重症だな、こりゃ。
エヘヘと笑っていると、携帯がなった。
画面には『石上雫』の文字が。
どうしたんだろう？ と思い、電話に出る。
「もしも〜し。何かあった？」
雫から電話がかかってくるとか、もう人生に無いことだろう。
しかし、俺のその気持ちとは裏腹に、予想もしていなかった声が聞こえた。
『大地』
その声の持ち主は、最近聞いたことある。
「…隆一」
何故、この電話番号から、隆一の声が…。
…最悪だ。
あの隆一に、雫が拉致されたのか。
『女を助けてほしかったら、今すぐ高杉工場に来い』
そういうと、電話はプープーと音を立てて切れた。
「くそっ！」
俺は携帯をポケットに入れて、家を飛び出した。
原付バイクにまたがり、高杉工場へと向かう。
確か、あそこは廃工場だったはず…。
雫の安否が気になり、スピードをあげた。
高杉工場に着くと、俺は原付バイクを適当に駐車して、入り口を探した。
すると、人が4人ほど並んで通れそうな大きなドアがあった。
そこの奥に、隆一が居ると思われる。
意を決して、ドアをあけると、そこには予想通り隆一と大勢の不良集団が。
「おい、雫は？」
そう問いかけると、隆一はニヤリとしながら指差した。
その先には、雫が柱に縄で縛られている。
あの様子だと、まだ何もされていないようだ。
俺は無意識のうちに、雫のほうへと走り出そうとしていた。
「待てよ」
隆一のその声で、我に戻る。
「あれは、後のお楽しみだ。お前をボコボコにしてから、あの女をお前の前で犯してやるよ。」
「テメェ…ぶっ殺す」
ざっと見る限り、相手は10人以上。
こんなの、俺一人じゃどうにもできない…。
けど…けど…雫を見捨てるわけにはいかないだろ。
隆一の合図とともに、十数名の中の4人が俺に殴りかかってきた。
最初の一発、二発、三発はよけたものの、攻撃が出来ない。
すると、四発目で俺の腹部を、相手の蹴りが直撃した。
「ぐはっ」
俺は、倒れそうになったその体を、無理やり立て直す。
「テメェら…ぶっ殺す…」
容赦なく4人からの攻撃が。
反撃をするものの、4対1という数的不利はなんとも否めない。
くそっ。
守るって…約束したのに。
俺はそれでも、殴り続けた。
ボコボコにされながらも、4人を倒し、前へと進んだ。
「大地…もうやめて…」
泣きながら訴える雫。
泣かしたのは俺なのか。
雫を…泣かしたのは俺…？
「雫…泣くな。大丈夫だから…」
強がってみても、どうしようもないのは分かっている。
「テメェ…殺す！」
俺が隆一の方へと走って行っても、その前に居る野郎どもに殴られ倒れてしまう。
くそ…くそっっ！！
「雫…は…おれ…が…ぐはっ！」
倒れたところに蹴りを食らわされた。
もう…駄目なのか？
「大地…」
涙を流している雫を俺は守れないのか…。
そう思ったとき、工場入り口付近で、声が聞こえた。
「…あ…きら」
明と、その他大勢の俺の知り合いが、工場の中へと入ってきたのだ。
「大地、大丈夫かよ。電話に出ないと思ったら、先回りされていたのかぁ」
いつもの笑みで俺に話しかけてくる明。
「明…」
「まぁ、あとは任せとけって！」
そう言って、明グループと隆一グループの喧嘩が始まった。
俺は、なんとか立ち上がり、雫の下へとフラフラになりながらも歩いていった。
「雫…」
雫の下へと行くと、俺はまず縄を解こうとしたが縄が外れない。
握力が無い…。
早く、ここから逃がしてあげたいと思うばかりに、焦って何も出来なくなる。
「ごめん…雫…ごめんな。俺の…せいで…怖かっただろ…ごめんな…」
涙を流しながら訴える俺に、雫は何か言葉を掛けた。
それを何かは覚えていない。
俺の記憶は、ここで無くなっていたから。
自分の文章能力が本当に足りない…。
バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。
評価で言いにくい場合は
net_touki_net@yahoo.co.jp にメールを送ってくださるか、
http://plaza.rakuten.co.jp/mlq84s/mailboxform/
で、匿名でのメッセージもできます。
宜しくお願いします。
