#13 初デートの行方3
「観覧車は…乗れるよな?」
本日の最大のイベント(俺が勝手にきめたけど)の観覧車に乗れるか聞いてみた。
「うん、観覧車は大丈夫」
「じゃあ、乗ろうぜ」
今の時間は、6時を回っている。
彼女は無言で頷き、俺の後ろの服を掴んでついてくる。
あれから、昼を過ぎると、一向に遊園地の人口密度が増え、交差点では彼女を見失ってしまうのではないかと心配になるほどだ。
観覧車の入場口で10分程度待っていると、順番がやってきた。
係員の人に案内をされ、観覧車内へと乗りこむ。
雫と俺は向かい合わせになるように乗合わした。
本当は、雫の隣に座りたいんだけどな。
観覧車に乗ってから、最初の5分間ぐらい、沈黙が続いた。
その沈黙を破ったのは、なんと雫だったのだ。
「今日は…」
雫はそこまで言って、言葉を詰まらせた。
「ん?」
「…なんでもない」
そういえば、さっきから外が見たいだけなのか、よく分からないが俺の顔は見ない。
「そんな途中までだと、気になるだろ〜が…。」
俺は雫の顔をじっと見ていると「そんなに睨むな。」と怒ってきた。
睨んでないのに…。
「わ、私となんかと、デートして何が楽しいの?」
やっと、俺の顔を見てくれた。
「そりゃ、…雫が面白いから」
俺は笑いながら言うと、ため息をつく雫。
なんでため息をつく必要があるんだ。
「雫は?」
「今日は、災難だったね」
そりゃそうだ。
明に絡まれるし、ジェットコースターに乗らされるし、雫にとって災難の日だっただろうな。
「…ごめんな」
俺が謝ると、雫は驚いた顔で俺の顔を見てきた。
「な、なんだよ…」
雫は俺から目線をはずし、外を見ながら「別に」と答えた。
観覧車を降りたら、帰宅することにした俺たち二人。
人が多いから彼女は相変わらず俺の後ろの服を掴んでいる。
誰かこの状態を、写真でも、絵でもいい、残してくれないか!
俺自身、さっきから後ろを振り返りたくて仕方ないんだ。
…めちゃくちゃ可愛いんだろうな。
雫の…そんな姿は。
帰りの電車に乗り、雫の家の最寄り駅で降りて、俺は彼女を家まで送ってあげた。
その途中は、さすがに俺の服を掴んでくれなかったけど。
無言のまま歩いてると、彼女の家が見えてきた。
家の目の前に来ると、彼女は大きく深呼吸して、俺の服をちょんちょんと引っ張った。
その行動がとてつもなく可愛くて、抱きしめたくなった…。
「ど、どうした?」
抱きしめたい気持ちを抑えて俺は静かに聞いた。
「…」
なぜか黙っている。
数秒後、もう一度大きく息を吸って吐いたかと思うと、何か言い出した。
「か、観覧車の中では、さ、災難とか…言ったけど、本当は………た、た、たのしかったよ」
雫はそう言って、俺の言葉を待たないまま、家へと入っていってしまった。
「そ、そうか…」
俺がそう呟いたときには、家のドアは閉まっていた。
自分の文章能力が本当に足りない…。
バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。
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