#11 初デートの行方1
自慢の彼女…いや、現在は彼女ではないが、女の子を引き連れて、俺は遊園地に着いた。
みんなが、雫を見ているのが嫌でも分かる。
『見るな!』とか言ってやりたい…。
けど、雫が怒るんだろうなぁ。
「どうしたの?」
周りの連中を”無意識”に睨んでいると、雫から声をかけられた。
「いや、なんでもない。早速入るか」
遊園地の中に入ると、懐かしい雰囲気が俺を包んだ。
「お〜…」
無意識にこぼれた言葉に雫はいちいちつっこんでくる。
「遊園地ぐらいで驚くんじゃないわよ」
そう言い捨てて、彼女はテクテクと歩き出した。
「どこに行くんだ?」
と、俺が声をかけても無視する雫。
「無視されると傷つくのですが。」
率直な意見を述べると、あっさり雫がこっちを向いてくれた。
しかしその目は俺を睨んでいる。
「な、なんだよ」
「何でもない」
再び雫は前を向いて歩き出した。
俺は少し小走りをして、彼女の横へと着く。
こうやって二人で歩いていると、本当に彼氏、彼女みたい…。
マジで嬉しい。
そんなこと言うと、雫はさっきみたいに「馬鹿じゃないの?」と俺を否定してくるだろうが。
それ以前に、雫は俺が雫に恋心を抱いていると言うことに気付いてくれているんだろうか?
「おっ、これ乗ろうぜ!」
俺はそう言って雫の肩をポンと叩き、目の前のジェットコースターを指差した。
「…」
沈黙の雫。
その様子は…まさか…
「ジェットコースター乗れない…?」
俺がそういうと、彼女の顔がギョッとした。
「の、乗れないわけ無いでしょ!」
そう言って、雫は無意識なのか、意識してなのか分からないが俺の手を掴んでジェットコースター入場口へと歩いていった。
雫の手は暖かくて、やわらかくて、気持ちよかった…と、言えば変態扱いされるのかな。
日曜日と言うのに、あまり人は多くなく、ジェットコースターの順番も2、3度待てば順番がやってきた。
「だ、大丈夫か?」
あきらかに、雫の顔色が尋常じゃない。
やめるなら、今のうちだぞ?
「だ、じゃいじょーぶなの!」
…思いっきり言葉を噛んでいますが。
『安全バーをしっかりと下ろし、固定してください』
アナウンスが流れると、俺は自分の前にある安全バーを下ろした。
もう一度、雫のほうを見ると、緊張しているのかアナウンスが耳に入っていない模様。
「安全バー」
「…。」
反応が無いので、俺が仕方なく彼女の安全バーを下ろしてあげると、彼女は意識を取り戻したようだ。
こんな様子で大丈夫なのかよ…。
『出発します…』
アナウンスが流れると、ジェットコースターはゆっくりと動き始めた。
初めは坂を上って、落下していくと言う仕組みのジェットコースター。
この遊園地ではベスト5に入るような怖さのジェットコースターだろう。
俺は、まったく怖くは無いのだが。
どんどんと頂上に近づいていくと、雫の顔が恐怖であふれていた。
降りる3秒前なのか、5秒前なのか分からない。
雫が俺の手をとったのだ。
「し、雫?」
俺がそう問いかけると、ジェットコースターは落下していった。
「怖いなら、言えばよかったのに」
あのジェットコースターも終わり、俺たちは近くのベンチに腰掛けていた。
雫の顔は、真っ青だ。
「い、言いたくなかったのよ」
ふっ、強がりやがって。可愛いやつめ。
「はいはい、冷たいジュース買ってきてやるから待ってろよ」
俺はベンチから立ち、自動販売機へと向かった。
自分の文章能力が本当に足りない…。
バンバン訂正とか、こうしたほうがいいと言うアドバイスをくださると本当に嬉しいです。
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