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生誕祭(前編)

アクセス解析を見てみると、結構パソコンで読んでいる方が多いんですね。私がスマホ派なので意外でした。

「アリス、一歳のお誕生日おめでとう!今日は君の生誕祭があるんだよ。」


 そういっていつものように私に話しかけてくれるのはリュカお兄様。 

 先月11歳になったらしい。後ろから他のお兄様方もお部屋に来てくれてる。



 ここ三ヶ月程で目が大分ハッキリと見えてきたので周囲の状況がわかってきた。



 先ずは家族について。

 さっき私に話しかけてきたのは一番上のお兄様。既に異常なくらいのシスコン、リュカお兄様だ。

 プラチナブロンドで少し癖のあるサラサラの髪に澄んだ湖のような青い瞳。顔立ちはまるでダビデ像のようで、まだ11歳なのにイケメンオーラがハンパ無い。

 毎日遊んでくれるし、ヨチヨチ歩きの私がこけそうになった途端にフォローしてくれる。

 その度にぎゅっと抱き締めてキスをして、気を付けるんだよ、可愛いお顔に怪我でもしたら大変だからね、僕の小鳥ちゃんなどと砂糖菓子にシロップをかけたような言葉をかけてくれる。


 ぶっちゃけ10人位子供を育てたことがあるんじゃないかって位に危険予知して守ってくれる。

 こんなイケメンにキスしてもらえるなんてと、兄弟ってことも忘れてテンションあがっちゃう。恋をするならリュカお兄様だわ!



 2番目と3番目のお兄様達は一卵性双生児。9歳だそうでリュードとリュシルって呼びあっていた。

 こちらもプラチナブロンドの癖の強い髪に海のような深い青い瞳をして、少し垂れ目な甘いマスクのイケメン風。

 しかもなんと、二人揃って魔法使いの卵なんですって!


 魔法使いよ魔法使い!

 初めて目の前で火の玉みたいな魔法を見せてもらった時にはもう、興奮しまくりましたよ。


 それでようやく、ここが異世界で何でか私は転生したんだなって納得した。


 この二人のお兄様はまだ9歳なのでイケメンになるかどうか、今後の成長を期待するばかりだ。

 二人はよく私にイタズラをしてリュカお兄様に怒られている。でもイタズラはするけど私に対して底無しに優しいので大好きだ。



 4番目のお兄様はラディーって呼ばれていた。

 ラディーお兄様はもうすぐ6歳になるそうだけど、こちらは茶に近いブロンドの真っ直ぐな髪にエメラルドを嵌め込んだような緑の瞳。

 唇がピンク色でぽってりして花の蕾を連想させる愛らしさ。


 私がショタ好きなら堪らないんだろうけど、残念ながら(?)ショタの趣味は無いのでラディーお兄様の貞操は守られた。



 四人とも相当美形だ。ぶっちゃけお父様とお母様も美形だし、私の将来にも期待が持てるのではないかと思う。



 さて、6人のお世話係が今日は張り切って私を着飾らせている。今ではそこまででも無いらしいけど、この国では昔、栄養状態が今ほど良くなかったのと、この大陸特有の病で、無事に一歳を迎えられる子供が3人のうち1人しかいなかったらしい。

 だから無事に一歳を迎えた子供は、ここからが本当の人生の始まりだよということで生誕祭が出来、村をあげてお祝いをしていたらしい。

 その名残で、今でも一歳の誕生日は出来るだけ盛大にがあるんだって。


 今日は私が、その生誕祭の主役ということで、皆が朝からああでもない、こうでもないと言いながら私を飾り立てていた。

 なんせ皇帝の一人娘の生誕祭。ナーニア曰く、国中がお祭りムードらしい。



 真っ白いフワッフワのドレスを着せられ、大きな白いリボンをつけられ、そして白い靴をはかされた私は、いま転生して始めて鏡を覗いた。そこに写っていたのは…



 期待をしていなかったと言えば嘘になる。生まれ変わって皇帝の娘だなんて地位に生まれて、兄弟も美形揃い。美人だったら良いなって確かに思ったけど、鏡に写っていたのはまだ1歳だというのにその想像を遥かに超える美少女だった。


 リュカお兄様よりも薄いプラチナブロンドの真っ直ぐな、自ら光を放っていそうなキラキラとした髪に、リュードお兄様とリュシルお兄様のような、海の様に深い青色の瞳、ラディーお兄様のようなポッテリとしてピンク色の、花の蕾のような唇。

 美少女だった。とんでもなく美少女だった!何よりも大きなアーモンド型の、意思の強そうな目が美しい。

 自分の顔に見とれていると

「おお、なんと美しい!まさに、皇帝家唯一の姫に相応しい美しさだ!」とお父様が現れた。




 若干嘘臭いセリフとは思ったが、取り敢えず今は置いといて…。私は扉の前に、お父様に抱かれて立っている。これからこの扉の向こうで、私の生誕祭が始まるのだ。

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