表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/28

皇太子として

一週間が始まったばかりだと言うのに、早く日曜日がこないかと、そればかり考えています。そしたら筆が進まなくて(笑)

 さて、私は後2年足らずで14歳になる。そうなれば結婚をしなければならないから、そろそろ皇太子妃候補を決めなければならないが…どうしたものかな。


 あの女だとお父様の反対に合うだろうし。




 はっきり言って私はあの美しく可愛い小鳥ちゃん、実の妹にしか興味がない。生まれた頃には全く関心が無かったのが嘘のようだ。



 きっかけはお父様の、アリュストゥリアと仲良くせよとのご命令だった。

 それはいずれ私がこの国の帝位を継いだ時に楽になるようにとのご配慮からだった。


 先の大戦で、まだアリスが生まれる前に人種族は魔族に負けた。

 その時の賠償として何故か魔王は、皇女を魔王に慰み者として献上しろと言ってきた。


 後から教わったことだけど、戦争は兵糧に武器に兵士にと、色々と入り用だった為国庫の状況が非常に厳しかった。

 それを皇女を差し出すなら賠償金を無くしてやると言われた。

 皇女がいないのにそれでお父様が魔王と合意した。

 魔王がご親切にも10年15年はどうと言うことはないから待ってやると言ったらしい。

 一体何が目的なのだろうか…。


 アリスは魔王に嫁ぐ為に生まれてきた。そしてお父様は、将来私が即位した時にまた魔族と戦争をする可能性があるからスパイにしたり何かしら役立てられる様に仕向ける必要があると言う。

 それには家族の愛情が必要だから、特に私には時間があればアリスの所に行く様にと仰った。


 はじめはそれだけだったんだがね…。

 何の疑いもなく私を慕ってくれるアリスを見ていると、暖かい気持ちになった。

 両親も弟達ももちろん大切だ。でもアリスは何故か、特別なのだ。


 家族になってまだ2年だというのに、不思議なものだ。



そう思うと俄然他の女に興味が湧かなくなるんだからこまりものだ。。

 まぁ、そうは言っても妹だからな。





 私の妃になる女は可哀想だ。

 私の関心が得られないというのがまず1点だが、何よりも可哀想なのが兄弟の中で一番劣っている私に嫁がなければならないと言うこと。そしてそんな私を支える為に后妃にならなければならないという事。




 すぐ下の双子の弟達は非常に優れた魔法使いだ。恐らく二人揃っていれば人種族史上最強だろう。



 さらにその下の弟は非常に頭が良い。そして頭が良いだけではなく時勢を読むカンも持ち合わせている。

 まだ幼いながら経済政策などは私以上によく学んでおり、南部の税を減らす策はラディーと話していて考え付いた案だ。

 元々控え目な性格故に見落とされがちだが、私はラディーが皇太子として生まれなかったことが、この帝国の不運だとさえ思っている。




 妹はまだ2歳なのに言葉をとても良く知っている。学習能力がとても高い。最近ますます語彙が増えてきたように思う。

 そしてどんな花よりも美しく可愛い。色々と将来が楽しみで仕方がない。



 こんなすばらしい弟妹に比べて私はどうだろうか。

 見目は麗しいと思う。アリスだって私の顔に見惚れているのだ。顔には自信を持って良いだろう。でも顔の見目麗しさでは政はできない。




 貴族家の跡取りなら私程度で良いのだろうが、帝国の皇太子としてはいささか役不足であることは理解している。


 だから私は皇太子として、私の妃は私と同等以上に政が行える女を選ぶ必要がある。



 そうすればきっと、双子の力もラディーの力も活かしながら、間違えずに進んでいけるはずだ。

 私が、私の能力が劣ることを忘れなければきっとこの国を正しい方向に導いていくことが出来ると思う。



 さて、そのためにはまずは少々お父様と喧嘩をしてこようか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ