ねこみみ
誤字があったので修正しました。(2015/09/29)
「こにゃにゃちにゃん。あちきは獣族ネコ科の長レオが長子、トラノだにゃ。ヨロシクにゃ〜。」
いきなりだけど、このニャーニャーいってる生き物、2歳を機に私の世話係になった。転生してはじめて、人間以外の言葉を喋る生き物を見る。
このゴロニャンが世話係になったのと引き替えというわけでもないけれど、前の世話係が2人退職と相成った。
というのも、今までの6人は私におっぱいをあげる必要があった為、私が生まれるまでの1年半以内の間に出産をした貴族の奥方が選ばれていたそうで、自分の子供が恋しかろうという事で、慣例では2〜3歳の間に世話係が徐々に交代していくらしい。
ナーニアともお別れしないといけないんだろうか?
彼女の事はお母様以上に、お母様だと思っている。できればずっと私の世話係でいてほしい。
ただ、何はともあれ、今は目の前の生物だ。パッと見は人間のようだけど…
そこにあるのは人類が追い求めていた夢。希望!そして萌えだった。
世話係は皆メイド服を着ているけど、トラノは程よく巨乳だった。胸を強調するデザインのメイド服を最大限に表現できるボディが、そこにはあった。
さらにヘッドセットのすぐ側には猫耳あって動いている。
そしてヨロシクと言われた時に彼女の手を触ったら、掌には至高のアレが!!!
そう、肉球である。プニッと押すと何とも言えないすばらしい弾力が押し返してくる。モフの肉球も気持ちいいけど…っていつも初対面の人が近づいてきたらまず前に立ちはだかるモフが大人しい!一体何が…?
「もふ、どしたの?」
「クゥ~ン」
なにやらとっても弱気である。
「その犬っころは姫さんのんかにゃ?そういう動物達を従えられるのが、あちきら獣族の特技だにゃ♪」
モフはもう骨抜きで初対面なのに完全に服従のポーズをしている。
その特技どうでも良いよ。ぃゃ良くないんだけど、すごいんだけど、今はさぁ!!!
ソノネコミミヲサワラセテ!
そんな想いを込めて一心不乱に手を伸ばす。
「おみみ~!おみみ~!」
「ん?あちきの耳に触りたいのにゃ?1000年早いってんだい!
って言いたいのは山々だけどにゃ、くれぐれもヨロシクって、ヤツに言われちゃったからにゃ。ホレ、触って良いにゃ。」
そう言ってトラノが屈んで耳を私がさわりやすい位置に持ってきてくれる。
金髪というより、トラネコのような黄色とオレンジの毛が混じった頭髪の上に聳え立つオレンジのユートピアに手を触れる。
そのユートピアは、ぷわっぷわのもふもふのぷにぴちでした。
ってかリアル猫耳を触れるだなんて(感涙
ふにふにしていると
「あちきらは伴侶か主君にしか耳は触らせないんだからにゃ。あんまり触るんじゃにゃいぞ!」
という声がしてきた。
とたんにそれまで静かに見ていたナーニアが
「トラノさん、黙って拝見していましたがもう我慢なりません。
このお方はデストゥニア帝国第一皇女、アリュストゥリア皇女殿下ですよ。もっと敬意を持って接するべきです!第一何ですかそのお言葉遣いは!」
「えー!あちきらは主君の前でもこんな感じだにゃ。
それにぃ、あちきにこの赤ん坊がどんな身分かは関係無いにゃ。ヤツに護衛を兼ねて世話役でって命令されたから来ているだけにゃ。」
「とにかく、アリス様には、皇女殿下にふさわしいお言葉遣いを学んでいただく必要が御座います。その為にも、丁寧な言葉遣いをなさってくださいまし。」
「うにゃ~、敬語って概念があちきらには無いからそれは難しいにゃ~。」
「難しくても何でも、お勉強なさって皇女殿下の御世話係にふさわしい人材になってくださいませ!」
「それはどうかにゃ~♪」
これから賑やかになりそうだわ。