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覚えられません

今日からまた一週間が始まってしまった…仕事、ダルいなぁ…と思わずにはいられない今日この頃。

 とてもビックリしています。ぃゃぁ、皇女に生まれたとはいってもね、まさか大陸で一番大きな国だとは思わない訳ですよ。


 でもね、それよりも何よりもね。何なんですか、その名前。



「一度じゃ覚えにくかったかな、小鳥ちゃん?ザリュカッタリーデュ・シュードゥラス・トルス・デストゥニアだよ。さあ!賢い君ならもう覚えられただろう。言ってごらん。」


 相変わらずのキラッキラ笑顔でそう言われましても…全く覚えられません、覚えられるわけがありませんと思っていると乱入してきたのは双子のお兄様方。


「「ずるいです兄上!一人だけ抜け駆けなんて!アリス、僕たちの名前も覚えようね~。」」

「僕はリュードゥトゥラス・シュードゥラス・ソルス・デストゥニア!」

「僕はリュシルフェスト・シュードゥラス・ソルス・デストゥニア!」

「ぼ、僕はラディークォエス・シュードゥラス・ソルス・デストゥニアだよ。」


 ラディーお兄様がちゃっかり双子に混じってるのがちょっと意外だった。

 ラディーお兄様は一番歳は近いのに、一番接点が無い。たまに兄弟が揃うところでご一緒するだけなので、お兄様と言うよりは歳の近い親戚のお兄ちゃんという感じだ。



「こらお前達!私がアリスに…」

「い、いつも皇太子殿下ばっかり独占して、そのっ…ズルいです!」

「「そーだそーだ!ラディー、もっと言ってやれー!」」

「ぼ、僕たちだって…アリスを可愛がりたいんです…」

「「兄上ばっかりずる~い!」」

「兄上ではなく皇太子殿下と呼べと何度も言ってるだろう!」

「人のいるところでは」「ちゃんと呼んでるも~ん。今は」「「兄弟だけなんだから、堅いこと言わないでよね~」」

「ほ、ほらアリス、僕の名前…」

「「いや、まずは僕らの名前!」」

「まず始めは私だ!!」



 兄弟仲がよろしいようで。気弱そうなラディーお兄様がこれだけガッツリとリュカお兄様に意見を言うのはビックリしたが、男兄弟だからそんなものなのかもしれない。妹には解らない絆があるのかもしれない。なんかそういうの、羨ましいな。


 そんなやり取りをしていると、リュカお兄様の執事、イトカさん(だったと思う)が不意に割って入ってきた。


「リュカ殿下。そろそろ、お時間で御座います。」


 そういえばリュカお兄様はこれからお嫁さんを選ぶお茶会だっけ。残念だけど、お母様主催ってことは后妃陛下主催ってことだから半分以上はお仕事の意味合いだろう。こればっかりは仕方がない。


 そう思っていると、リュカお兄様が突然、

「イトカ、アリスを連れていく。急ぎ準備しろ。」

と、命令した。



「アリュストゥリア殿下を、で御座いますか…?また、何故かお伺いしてよろしゅう御座いますか?」


 渋い顔をしてそう訪ねるイトカさんに、リュカお兄様は

「皇太子妃を選ぶんだ。集まるのは皆その地位に魅力を感じているに過ぎないただの女なんだ。それでも私の妻になりたいというのなら、私の関心を得られない事を承知の上で嫁に来るような女でないとな。私は、この美しく愛らしい小鳥ちゃんにしか興味がないのだから。」


 リュカお兄様、嬉しいわ!

 前世では様々な二次元お兄ちゃん・王子様・騎士様・御曹司・芸能人から天使に悪魔と浮き名を流した私だけど(要するに乙女ゲーム)、リアルこの展開は萌える!

 ってか皇太子のお兄ちゃんが婚約者がいながら(まだ決まってないけど)妹への禁断の想いをもて余すなんてシチュで萌えない人類がいるだろうか?


 しかも今のリュカお兄様の私への態度からしてスーパーハッピーエンド間違いなしな感じだと思うのよね。


 これはお茶会について行って将来の婚約者殿に見せつけてあげなきゃ。あ、でもそうすると最終的にフラれるフラグだな…


 そんなことを思っていると

「アリュストゥリア、一緒に来てくれるよね。」



 あぁ、リュカお兄様、笑顔が眩しすぎますわ。


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