表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/43

episode0.1

どうもベアりんぐです。こちら毎日更新を目指しております。どうぞよろしくです。


※この物語はフィクションです。

 "トレミー歴"2106年。人類は技術革新を重ね、理想的科学世界を創り上げていた。


 科学世界の一国である科学大国"トワレ"。その中でも世界主要都市として名前が上がる都市"フォコン"には、出来ないことが無いと言われるほどの科学力があった。




「今日どこで遊ぼうか?」

「やっぱ最近出来たミルキーウェイ、行こうぜ」


「うわあ…寝坊した……」


「先日お世話になりました……」




 街に住む人々は、悠々自適に生活をしている。




「なあ、事故したとこ大丈夫?」

「もう全然大丈夫よ!まあこの国じゃ、ほとんど怪我なんて一瞬で治るしね~」


「また明日!」

「うん、明日はプール行こうね!」




自動車が空を行き交い、高層ビルが立ち並んでいる。この街に住む人も、最先端の医療技術や健康管理によってほとんどの人が健康体である。


 そんな科学都市も、まだ完成させていない技術があった。




人工生命体アンドロイド"METSISメタシス"というものである。




 トレミー歴2092年に開発チームが発足。名のある科学者達によるものだったため、すぐに開発出来るだろうと誰もが思っていた。


しかし、開発は難航した。


 人工脳の開発、ニューロン体生成、超次元を利用したエネルギー炉。なかでも困難を極めたのは、感情構築機能と思想層状機能であった。


次第に、感情や思想を排除しロボトミー化することで"アンドロイド兵器"を作る方向で開発が進められたが、世界各国からの批判や、国内からの反対の声が上がり、開発は中止となった。


そして、トレミー歴2105年には世界連合内の条約に『METSIS製造及び開発禁止条約』が追加され、国際的にその開発製造が禁止された。


現在ではトワレ国内でも重罪となっているため、METSIS開発は止まったままである。



ある男と助手を除いては。













 フォコン都心部から南西に少し行った所に、ポツンと広大な敷地がある。


そこには大きく立派な家が立っており、ある男が一人ひっそりと暮らしていた。


 その男の名は"スタリング・メルトウェル"。68歳の初老である。


彼は若くして天才的頭脳から導き出される糸を紡ぎ続け、この年齢に至るまでにいくつもの発明をしてきた。


 反重力装置、超次元ホール拡張、軍需兵器等。過去には、タイムマシンも作れるのでは?と人々に言わしめたのである。


タイムマシンこそ作れなかったが、世界的科学者であることに自身も周りも疑いはしなかった。




ピピーー!ピピーー!


『博士、オハヨウゴザイマス。朝9時ニナリマシタ。』


ピピーー!ピピーー!


ピピーー!ピピーー!




今まで寝ていたスタリングは、目覚ましロボット君3号機の目覚まし機能によって起こされていた。




「ああ…うるせぇなあ」


ピピーー!ピー、ガチャ!




スタリングが目覚ましロボット君3号機の頭を叩き、音を止める。


酷く不機嫌そうにベッドから床に足を移す。そして朝食を取るためにリビングへと足を運ぶ。


リビングへ行くと、昨日使った食器が洗われていなかったので、スタリングは文句を言った。




「おい、食器洗ってな——」




 そこで気づく。今この家にいない人を呼んでも意味がないと。


気づいた後、少し寂しくも少し怒った心持ちで、スタリングは食器を片付けて朝食の準備をした。


料理に関しては、お料理機の中に必要な食材を入れておけばきちんと美味しい料理を作ってくれるため、彼はあまり苦労していない。


 朝食はベーコンと卵焼き、ご飯と味噌汁という具合である。彼がある異国へ行った時に酷く気に入ったメニューだ。


食べている途中でテレビを付ける。


空中モニターに映し出されているのは、よく見る女性キャスターだ。その表情はとても良く、スタリングがこの番組を観ているのも彼女が理由である。


朝食を食べ切りテレビを消そうとすると、なにやら物騒なニュースが流れてきた。




『では、続いてのニュースです。トワレ国内で暴動を起こす集団"ムラサメ"が、カムイ大陸の出身者で構成されていることが判明しました。現在政府は、ムラサメの無力化または鎮圧を図っています。』


「……カムイ大陸、か。」




スタリングは、カムイ大陸に関して言えばなにも知らないも同然であるが、このトワレ国と敵対関係にある国がカムイ大陸にあることは知っているため、彼は少し心配していた。




戦争関係に発展しなければ良いな、と。




 今度こそテレビを消し、立ち上がって食器を片付ける。


 そろそろ彼が来る時間だろう。と考えていると、玄関前から呼び鈴の音がした。


玄関へ向かい扉を開けると、案の定彼がいた。




「博士、おはようございます」


「うんおはよう。さあ入ってくれ」




 彼の名は"キーファ・ボレアリス"。スタリングの唯一の助手である。過去に同列の研究を進めていた間柄である。が、彼はまだ25歳と若く将来性がある。


 前々から目をつけていたスタリングは彼に、ある開発を一緒にしないか?と誘いを入れていた。




       ——"METSIS開発"——




 スタリングの家には公にされていない地下研究室がある。


彼と彼の助手であるキーファは、現在禁止されている開発をしているのだ。


 


 そこには、ある理由があった。

ありがとうございます。良かったら感想聞かせてください。あと他の作品も是非見てみてね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ