表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自分以外が異世界転移。俺だけハブられた  作者: 耶麻焼野原
裏切りと消失
7/53

うっわぁ

三南が連れて来られたのは此処等で最上のグレードと言っていい高級ホテル。


所々破壊された入口を通り、面倒だったのかドアノブの周りを抉られたドアをくぐり抜けて最上階の部屋に入る。


ちなみに階段移動は風で持ち上げられて一瞬だった。




「どうも始めまして、三南と申します。 以後よろしくお願い申し上げます。」


20人ほどのエルフがソファーにも座らず軍人のように規律正しく居並ぶ光景に少し気圧されながらも丁寧に挨拶する三南。



「彼はこの世界で唯一残った現地の人間。 私達の世界の人間とは無関係の上、奪うどころか分け与える存在です。 無礼の無いように」



「「「はっ!」」」



三南は先程の襲撃を無かった事にした故の厚遇だと確信すると共に、あり得ない聞き捨てならない単語を拾った。



(唯一? 分け与えるとかは知らないけど……唯一ってことは)



即座に安く出来るだけ高性能なものをと店員に無理を言って厳選して買ったスマホを取り出す。



「申し訳無い少し時間を貰っていやください現状を整理したいのです」


早口の上に自分でも混乱しているとわかる口調で言いながら、全神経をスマホに向けて嫌な予感の確認作業に入る。



(取り敢えず元大統領のツミッターにバカがクタバレで英語変換書き込み、いやTチューバの動画で生配信してた奴が……いやまだだ)


前半の一度やってみたかった事は意味が無いとして、Tチューバの方は激烈な動揺を三南にもたらした。


数人の生配信の共通点。

本人が居ない、少し荒れた部屋、点けっぱなしのゲーム


そして全員の配信開始時刻は昨日なので配信し続けているのである。



(いやまだテレビが)



15人程の配信を確認し、嫌な予感を補強する結果になり冷や汗と動悸が止まらないまま深夜で無ければ百パーセント誰かが映るテレビに



(そうか……俺が唯一の人間か)




何も映らなかった。

人間が三南一人ならテレビ局に誰も居ないのだから当たり前だ。

一応惰性として各国のテレビを見れるアプリも使って見たが同じ。



「確認は済みましたか?」



途中から覗き見ていたシュエンは三南が何をしていたか、何を確認していたか分かった上で問い掛けた。


同情したところで現在が変わる訳もないので直球に。



「ええ、はい。俺はこの地球という惑星で、暫定ではあるが最後の人間だと理解しました。」



「はい。今仲間達が惑星各地に散らばり転移陣を設置して調査していますが、おおよそ8割を調べて人間に類似した反応は1。つまり貴方だけが残存する人間です。」



「…………つまり俺に話しがあり、あなた達は此処を拠点とした?………解りました。俺の知る全てを話す代わりにシュエンさん達の知る事を教えて下さい」



「話が早くて助かります。それでは私達と三南さんの今までと今後を話し合いましょう」




そうしてだだっ広い部屋の中央にある低いテーブルを挟んだ2つのソファの一つを指し示すシュエン。


長話というか長丁場になる事を想定して飲み物や軽食まで用意してある。


(つーかイキナリ過ぎて人類滅亡とか最後の生き残り(仮)とか実感わかない……えぇ人類滅んだの? 昨日一日で? うっわぁ)



少しうんざりしたような表情でソファに向かって歩き出す。


一応人類滅亡したのに冷静でいられるのはシュエン達の存在が大きいだろう、生きて喋り意思疎通できる存在が身近にいる。これ程心強い事は無いだろう。




話し合いが始まる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ