調整
49階層
「対応が遅ぇな、偽神のクソにとってダンジョンは廃棄物。 情報は漏れねぇと考えていいんだな?」
「クソ神は結局姿を現さなかった。 手軽な嫌がらせ程度なんだろうよ」
「ほんとにイヤな奴」
49階層を攻略した3人は50階層に向かう為の荘厳な扉の前で話し合う。
話し合いながらもストレッチをしたり魔術の調子を確かめる為に御手玉をしたり、ひたすら魔力や霊力などの力を練り上げていたりと様々だ。
「ほれ」
スマホを2人に再び投げ渡す三南。
「クハハハ! いいねぇ最高だ!」
「アナも役にたてそう」
笑うキリュウとフンスと気合いを入れるアナ。
「んじゃ行きますか、ラスボスか最終関門か……出し惜しみは無しだ」
凪いだような冷静極まる表情の三南。
「まぁ勝つだろ普通、油断とかじゃねぇけど」
首の関節をゴキッと豪快に鳴らしながら気負い無く歩むキリュウ。
「が、ガンバる」
普通に緊張しているが固さは無く、スタスタと歩くアナ。
「よし、突入!」
両開きの荘厳な扉など無視してゴガァン!!と扉の中央に風穴を開ける三南。
このような開くのが様式美という常識を守っていると予想外の奇襲があるかも知れない、そして常識外れの行動で相手に精神的な動揺を誘えれば最高だと考えた結果の行動。
だが端から見れば柄の悪い奴がヤクザキックで扉を破壊したようにしか見えない、実際のその通りだから印象は余り良くない。