拠点決定(仮)
(場所はほぼ本決まり、攻撃は山の手前に龍神達で移動する異人の横に魔族を配置して高い建物から打ち下ろす感じだな。 エルフは異人が現れる前に罠を設置させて、襲来後は背後から魔法と弓だな。 これで大体包囲殲滅の形になる……筈だ)
上手くいけば異人達は移動中に罠にかかりながら横から魔族の魔法を受け続け、後ろから迫るエルフの矢と魔法を食らいながら龍神の率いる龍達の眼前に追いたてられる事になる。
「本拠地は福島県の会津盆地、海側に問題はあるが100キロ離れてるから実質問題無い。 最大の特徴は360度山に囲まれてる事、魔法で高く硬くできれば要塞になりえる立地だ。第2拠点は北海道だが第1を完璧に仕上げてからの話だから今は気にしなくていい。」
狭すぎず広すぎず守り易い場所。
それ以外に日本が沈没する映画で最後に沈没する場所であるので人類滅亡している現在なら丁度いいと思ったから、そして単純に祖父の地元と逆方向に異人を誘き寄せて破壊を免れさせる為だ。
北海道に関しては何と言っても食料生産に住居建築にと最適な広さが最高だ。
ちなみに第2拠点の北海道で敵を殲滅出来なかった場合は、地面に穴を掘り隠れ住む事になる。その時点で負けなので三南は寿命で死に、後の事は他の種族達に丸投げである。
「あの場所ですね。 私達なら周りから土を掻き集めて高く出来ますし、1つの岩の塊のように圧縮すれば硬い壁になります。」
「なんか予想以上に砦みたいになるな。 後で可能な高さと硬さの両立の限度を報告してくれ。 あと流石に日光遮る高さは困るし、山を広げ過ぎると平地が減るからな。 エルフはそれに注力してくれ。」
「了解しました。 では皆と話し合いをしてきます。」
もはや何処でも良かったのではという情報が齎されたが、平地に同じ砦を造る労力は桁違いになる。
元があったから出来るだけで三南が平地に造れと言ったら代案を示すか正直に非効率だと言うかの2択である。
シュエンが席を立ったので残されたのは栗鼠のような食べ方でお菓子を食べ続けるアナと男2人だ。
「防御はエルフが一番だろ、神樹からして防御特化だからな。 オレ達は生産的なのは無理だな、邪魔な物退かすとか周囲の警戒ぐらいか」
「それでも有り難い。龍神……名前は? 龍神は役職名みたいなモノだろ?」
「今更だなぁ、名前は無いぞ。好きに呼んでくれ」
「じゃあ……キリュウで。中国って国の龍神の黄竜ってのを捩ったヤツで、よろしくキリュウ」
「おう、よろしく」
「キリュウには俺の強化を頼みたい。 現状最弱は俺だろ? 耐久と回復だけだと死なないだけで役に立たない。」
シュエンが張り切って部下と話し合いに行き、アナは聞いて理解しているが自分達魔族に関わらない話に口を挟まない、挟まないというか喋る時以外は何かしら食べたり飲んだりしている。
なので男2人は遠慮なくポンポンと話しを進める。
三南にとって女性と話す行為自体に苦手意識が
あるので、祖父と気質が似通っているキリュウとの会話は楽なのだ。