主人公以外が異世界転移するお話
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思い返してみれば俺の人生は罰ゲームのようだった。
小中学と褐色系の見た目で差別されウンコ骸骨と罵倒され、骸骨と呼ばれる由縁は両親にまともな食事を貰えなかったから。
そんな境遇だが味方は居た。
父方の祖父で随分と親身になってくれたが中二の頃に亡くなった。
俺は祖父の死を区切りに高校に行くことなく働きに出ることに決めた。
「アンタに使う金は無いのよ」と母に言われたが、予想していたし祖父以外を家族と思う気持ちなど擦り切れて無くなっている。
中学卒業早々に職につくため駆けずり回り、バイトで貯めた金で参考書を読み漁り専門知識を頭に叩き込み、そしてゲームを創る小さな会社に就職。
それからは可もなく不可もなし、幸いにしてブラックではない会社に10年も勤めたが中卒の俺は大した出世もせず黙々とプログラミングの仕事をして帰路につく。
昔の虐げられていた環境より万倍もマシだし、自分の関わったゲームが発売されプログラマーとして名前が端にでもあれば達成感もある。
俺は満足していた。
あの忌まわしい裏切りを受けるまで。
信じていた訳ではない、だが少しだけ友人というのはこんな奴らなんだなと思う位には絆されていた。
なのに
「コイツがミスをした。全ての責任はコイツにある」
チームの皆のミスが個人の責任など暴論にも程があるが、大手との連携に対する致命的なミス。
誰もがまともな精神状態じゃなかった。
なかったが、今月の給料も無し保険やら保障を無視して俺は会社から叩き出された。
当然だが俺一人を叩き出したところでミスは無くならない、リカバリーの手を一人分減らしただけの前時代的な解雇。
それでも俺の精神には多大なダメージがあった。
十年も会社を支えたのに、成功したら笑いあい、ゲームが完成したら呑みに行き、ゲームが高評価を受けたら社長共々万歳三唱したのに。
殺意が溢れ
押し留めた。
ふらふらといつの間にか家に帰ってきたらしい。
『お前が成人したらくれてやる。辛い事苦しい事憎らしい事をコレで飲み下して前を向け』
爺ちゃんの声が聞こえた気がした。
大事に仕舞っていた少し高級なウィスキー、酒などビールぐらいしかないから飲み方がわからない。
確かロックだがショットだか
まぁいいや
憎しみを怒りを飲み下すんだ
そのまま飲もう。
「カッァ!」
変な声が出た。
辛いというか熱いというかキツい
小さめのボトルでよかった、直のみしたから飲みきらないと。
部屋で飲もう
《我ら
なんか聞こえたか?
まぁいいや、俺は自棄酒飲んで寝るんだから関係無い。