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その身ひとつで無人島生活  作者: 進化の限界その先
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その身ひとつで無人島生活〜サバイバルはいつもギリギリ〜

 皆さんは飛行機事故に会う確率はご存知でしょうか?

 現在私は検索し終えた所です。

 0.0009とまぁ現実味の無い数字。

 10万分の1と言えばまだ身近。

 これは1回につきなのか今気づいた所ですが現在逃避の時間は終わりです。


 暇な時に調べたりするかもしれませんが今大事なのは、今窓の外に見える火の噴いたエンジン、そして黒い煙がもうもうと後ろに伸び続けてるのを見たからなのだ。


 なぜ窓側の席に座ってしまったのだろうか?

 

 席を替わって貰った隣の人は、窓の外に見えるエンジンから火が噴いた事を教えると、何やら呟いた後気絶してしまっていた。


 振動が酷くなる、アナウンスがひっきりなしに悲鳴を上げている。


 自分の腰回りにシートベルトが回って無い事に今更ながら気づくが中々振動で付けれない。


 ようやくシートベルトを締め付けれて安心すると、隣の人にベルトが付いていない事に気付いてしまう。


 隣の人、名前も知らないけど久々の奥さんの手料理がどんだけ楽しみか、美味しいか話している姿を思い出してしまう。


 隣の人は巨漢だからかこちらからベルトの片方に手が届かない。


 仕方ない、こんな振動ではキャビンアテンダントも来ないだろう。


 決心するとこう言う時に、ままよ何て言うのかと思いながら自分のシートベルトを外す。


 振動が酷い。前の席に頭をぶつけながらようやく巨漢の腹回りにシートベルトの片方を見つける。


 腹回りのお肉が邪魔していたがようやく付ける事が出来た。


 感謝しろよと思った時、大きな振動とともに体が浮遊する。


 天井に頭をぶつけ、さらに轟音、機体後方の壁に穴が開くのが見えた。


 そこからはあっさりと進んだ、浮かんだ体は掃除機に吸われるゴミのように穴に吸い込まれていった。


 機体が小さくなっていく。


 意識が遠くなるのを真っ暗になる視界から感じていた。


 
















 近くに聞こえる波の音に不愉快さを感じながら目を開ける。


 口の中がじゃりつく、つばとともに吐き出す時に砂浜にいる事に気付く。


 確かに旅行先に砂浜が有ったし、それは出発の前日のビーチでバーベキューした時だ。


 視界に映る腕に無数の傷があった。


 今思い出す、飛行機から投げ出された光景、どれも生々しく衝撃的だった。


 足は動く、手も動く、首は寝違えたように痛い。


 喉が渇いた。


 ここは何処だ。


 首に手をやり当りを見回すが、人工物らしき物が見えない。


 足下に椰子の身が有ったのでとりあえず拾い上げた。


 しばらく砂浜を歩く、熱いが我慢だ。


 足跡が見えてきた、自分と同じサイズの足跡だ。


 この時の絶望感は今まで生きてきた中でお祈りメールで埋め尽くされたメールボックス以来だなと笑ってしまった。


 言葉にはしない、とりあえず喉が渇いて仕方ないから、椰子の身からどうにか喉を潤せないか考える事にした。


 椰子の身を近くの岩場に何度もぶつけ、ようやく中の生温く不味い液を飲む事が出来た。


 喉が潤うと考えもまとまる。


 ここは恐らく島だ、足跡も自分の物しか無い無人島。


 夕陽が目に刺さる、まだ海水が頬に張り付いていたのか、足下に水の跡を作っていた。

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