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ノートは廃墟を出て数時間後エポルタ修道院の前に立っていた。
エイルを始末して修道院を破壊すればノートにはいよいよ地球の浄化という大きな仕事が待っていた。
その為ノートは集中してこの作業に取り掛かろうとしていた。
(……いよいよだな……あの娘さえ始末すれば私を抑え込む事が出来る者はいなくなる。待っていろよ、エイル……。いま見つけ出して始末してやる。)
ノートは覚悟を決めた表情で修道院の中へと入って行った。
ノートが修道院の中へ入ると修道院の中は妙に静かで人の気配が全く感じられなかった。
(……どう言う事だ……?何故人の気配を感じない……?……‼︎まさか⁉︎奴等逃げたのか⁉︎)
ノートは物凄いスピードで修道院の中を探し回った。
しかし修道院の中をいくら探しても人はおらず、ノートは大聖堂の前で立ち止まると天を仰いだ。
「……くっ!やられた!あんな小娘を助ける為にグズグズしていたからこうなったのだ!」
ノートはしばらく考え込んだ後大聖堂の上の方を見上げた。
(……どうする?あれから随分と時間が経ってるな……もうこの近くにはいないか……。厄介だな……どこに行ったか分からなければ探しようがないぞ……。)
ノートはその後も何度も修道院の中はくまなく探したが人の姿を見つける事は出来なかった。
さすがに修道院の中に誰もいないと悟ったのかノートは諦めて修道院を後にした。
(……厄介だな……エイルが生きているか……。まぁ良い。計画を進めて行くうちに会う事になるかもしれないからな。その時に始末すれば良い。大事なのは奴等4人を引き合わせない事だ。その為には多くの兵が必要だな……。)
ノートがエポルタ修道院を去ってしばらく経った頃、各地で人間が怪物へと変わる事件が起きた。
ノートは人間を捕らえて怪物にし自分に逆らわない忠実な部下を次々作り上げていた。
怪物に変えられた人間達の姿はとても人間にものとは呼べず、意識をほとんど失いノートの命令を忠実に聞くだけだった。
ノートがロートの体を手に入れて僅かの間に世界には怪物と呼ばれる者が多く現れ、各地では怪物達に襲撃されて廃墟となる場所が多く現れた。