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レイド達がマナサ高原の山頂に辿り着くと、山頂でクララがレイド達の事を待っていた。

「……来ましたね。皆さん精霊は集めてきてくれたみたいですね。……ただ私から皆さんにお話ししなければならない事があります。皆さんの準備が出来たら仰って下さい。そうすればお話しします。」

「……。」

レイドがエイル達を見回すとエイル達は皆小さくうなずいたので、レイドがシルフに何なのかを聞いた。

「……俺達の準備は良いぜ。……それで話さなければいけない事ってのは何なんだ?良くない知らせなのか?」

「……。」

クララは少し話すのをためらっていたが、しばらく時間が経つと話を始めた。

「……私が皆さんにお話ししなければならない事というのは皆さんがこれから向かう天界の事です。私が皆さんに前に話した光の国は別名で天界と言います。……そして、今その天界が大変な事になっているのです。……順を追ってお話しします。準備はよろしいですか?」

レイドが周りを見回すと、皆先程と同じようにうなずいたのでレイドがクララの質問に答えた。

「……ああ、俺達の準備はいつでも良いぜ。話してくれ。」

「……分かりました。天界というのは本来神と天使達が住む世界の事を言います。天界はいつも平和で争い事など一切ない場所でした。ただ……そんな時堕天使達が神からノートを奪ったのです。ノートとは本来邪悪なもの……本来なら堕天使達は天界に来る事が出来ません。ですが今はノートの力で堕天使達が天界にいる事が出来るようになっています……本来であればノートは神が人々に戒めを与える為に作られたもの……ですからこれまでの精霊の使い手達は天界に行ってノートを封印するだけで良かったのです。……ただ皆さんは……私からこんなお願いを皆さんにして良いのか分かりませんが皆さんの力で堕天使達からノートを奪って封印して頂けないでしょうか?それが出来るのは皆さんしかいないのです……こんなお願いをするのは心苦しいのですが皆さんにお願いするしかないのです……。どうかよろしくお願いします。」

クララの話を聞いて皆黙ってしまったが、レイドはすぐにクララに返事をした。

「……俺は良いぜ、別に。1つ聞きたいんだがその堕天使達からノートを奪う以外俺が元に戻る方法はあるのか?どうなんだ?」

「……ありません……ですからあなたにこんな事を頼むのは本当に心苦しいのですが……本来であればあなたは試練を乗り越えるだけで元に戻る事が出来たはずなんです……それを私達のせいでこんな事に……本当に申し訳ありません!」

「……良いって、別に。……それでノートを堕天使達から奪う為には天界に行く必要があるんだろ?……じゃあ皆んなの力が必要って訳だ。」

「……はい、精霊の使い手全員が揃わないと天界に行く事は出来ません……ですからレイドさん意外の方々にも天界に行く事に同意して頂く必要があります……。」

「……そうか、分かった。なぁ、俺はどんな事情があっても天界に行くつもりだ。お前達はどうなんだ?お前達の考えを聞かせてくれ。」

するとレイドの質問にエイルがすぐに返事をした。

「……私は良いよ。行こう、レイド。私はレイドにいっぱい助けられたから早くレイドの事を元に戻してあげたい……。」

「……そうか。……レイラはどうなんだ?お前は天界に行く気はあるのか?」

「……はっ、何を今更……わらわはノートを倒してさっさとアコラに戻らねばならんのじゃ。どんな事情があるにせよノートを封印せねばならん事に変わりはない。わらわは行くぞ。……後はジェンドじゃな……どうするのじゃ、レイド?ジェンドが行かんと言えばわらわ達だけで天界に向かう事は出来んぞ。」

「……ああ、分かってる。……どうするんだ、ジェンド?後はお前だけだ。お前がどう考えているのかを教えてくれ。」

「……何だよ、僕だけ悪者にしやがって……行くよ!行くって言えばいいんだろ⁉︎……それに僕はお前達に言われる前に最初から行く気だったんだ!さっさと準備しろ!これから天界に向かうぞ!」

「ああ、そうか……分かった。本当に良いんだな、ジェンド?1度行ったら後戻りは出来ないかもしれないぞ?」

「……しつこいな……さっさとしろよ!僕はさっさと終わらせて城に帰るんだ!さっさと天界に行く準備をするぞ!」

「……ああ、分かったよ。クララ、そういう事だ。俺達は今から天界に向かう。確か精霊が天界へ向かう道を作ってくれるんだったよな?」

「……はい、あなた達の精霊が天界へと向かう道へと導いてくれるでしょう。……皆さん、本当にありがとうございます。……皆さんには何と謝ったら良いのか分かりませんが私達は皆さんにお願いするしかないのです……皆さんのご無事を心から願っています。」

「ああ……良いよ、そういうのは……じゃあ天界に向かう道を作ってくれ。サラマンダー、頼む。」

「うん、分かった。じゃあ僕達が今から天界に繋がる道を作るね。皆んなはここで待ってて。……天界へと繋がる道を歩いている間は決して後ろを振り返っちゃいけないんだ。皆んな、決して後ろを振り返らないでね。僕達はその道を作った後は天界まで君達と会う事が出来ないんだ。だから今度君達と会う時は君達が天界に辿り着いた時だ。君達が無事天界まで辿り着く事を願ってるよ。……じゃあ天界へと繋がる道を作るよ。」

「……ああ、良いぜ。頼む。」

「うん、分かった。じゃあ皆んな行こう。レイド達に道を作るんだ。」

サラマンダーがそう言うと精霊達は一斉に上空へと向かって飛び立った。

精霊達が上空へと飛び立ってしばらく経った頃、空の上からマナサ高原の山頂に向かって光の階段が一段ずつ降りてきた。

光の階段がマナサ高原の所まで辿り着くとレイドがクララの方を見て言った。

「……さぁ、じゃあ行って来るぜ。さっさと終わらせて戻って来るからよ。じゃあ行くか。」

「……分かりました。皆さん、どうかお気をつけて。皆さんのお心遣い、本当に感謝します。」

「……ああ、良いよ別に……じゃあ行こうぜ。皆んな、絶対に後ろを振り返るなよ。前だけを見て歩くんだ。良いな?」

レイドが光の階段の最初の1段目を登ると、エイル達もレイドに付いて行くように光の階段を登り始めた。

レイド達は光の階段を登っている時誰1人後ろを振り返る事無く、頂上を目指して光の階段を登り続けた。

そしてレイド達は天界へと繋がる長い階段をついに登りきった。

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