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ロートの体を奪ったノートはデトワールの近くの廃墟に住み着いていた。

その場所でノートは時間をかけながらロートの意識を完全に封じ込める事に専念していた。

しかしロートの意識を完全に消す事は出来ずにノートは苦戦を強いられ困り果てていた。

(……弱ったな……こんな事はこれまで1度も無かった……。それだくこの人間の意思が強いという事か……これは案外時間がかかるかもしれないな……。)

ノートはロートを抑え込む為に廃墟に身を隠しながら数日の時間を過ごした。

しかしノートの中からロートの意識は消えずに次第に体の中のロートと会話するようになっていた。

(……おい!いい加減大人しくしたらどうだ⁉︎どうやったらお前は消えるんだ⁉︎このまま体の中で騒がれたらたまったものじゃないぞ!)

(はっ……そう簡単に大人しくしてたまるかよ!お前には俺の言う事を聞いてもらうぞ。そうしないと俺はお前の中で騒ぎ続けるからな。そうなったらお前も困るだろ⁉︎)

(……クソッ!どうなっているんだ一体⁉︎)

ノートはその後もロートを抑え込む方法を色々と試したがどれも効果は無くいよいよ困り果ててしまった。

(さぁ、どうするんだ⁉︎このままじゃお前も何も出来ないだろ⁉︎お前も俺を大人しくさせたいなら俺の言う事を聞くしかないんじゃないのか⁉︎)

(…………分かった!聞く!お前の言う事を聞くからもう大人しくしてくれ!)

(……そうか、分かったよ。じゃあ俺の言う事を1つ聞いてもらおうかな。)

(……ああ、分かった。それで……?お前の願いというのは何だ?この前言っていた妹を助けるという事か?)

(……ああ……本当は妹を助けた後デトワールを復興させたかったんだけどな……。でもそうも言ってられなさそうだ。とにかくリオーネだけは助けてもらうぞ!そうすれば俺は大人しくするからさ……。)

(……分かった。お前の妹がいる所まで案内しろ。お前の願いを叶えてやる。)

(……本当か⁉︎わ、分かった!じゃあ今案内するよ!)

(……おい!ただしその妹を助けたら本当に大人しくするんだぞ!そうでなければ私がお前の妹を殺す事になるかもしれないからな。)

(……ああ、分かった……だから今は早くリオーネを助けてやってくれ!そうすれば俺はお前の言う事をちゃんと聞くから!)

(……分かった。案内しろ。)

ノートはロートに案内されてリオーネが捕らえられているというルヴァン王国へと向かった。

ルヴァン王国に着くとノートは何のためらいもなく城の中に進入しようとした。

その様子を見た兵士が驚いた後に声を荒げながらノートに向かって言った。

「お、おい!貴様っ!何をやっている⁉︎この城に一体何の用だ⁉︎」

城の門番の2人の兵士のうちの1人がノートに向かって威嚇しながら言った。

しかしノートは一切躊躇する事なく物凄いスピードでその兵士の目の前まで移動し首の骨をへし折った。

その様子を見たもう1人の兵士が驚いて慌ててその場所から逃げようとした。

「う、うわぁ!一体何なんだこいつ⁉︎おい!誰か⁉︎誰か助けに来てくれー!」

するとノートはその兵士の目の前まで近付き首を絞めた。

物凄い力でその兵士の首を絞めるとその兵士の目を見ながらノートが質問した。

「……おい、リオーネという娘はどこにいる?言わなければお前はこのまま命を落とす事になるぞ。言えば命までは取らず助けてやる。さぁ言え!リオーネはどこにいる⁉︎」

「……リ、リオーネ……?た、確か……城の地下の研究所にいたはず……。」

「研究所か……そうか。ご苦労だったな。」

そう言うとノートは更に力を入れて兵士の首をそのままへし折った。

兵士達を片ずけるとノートはそのまま城の中へと入って行った。

(……確か地下の研究所にいると言っていたな……良し、地下に向かう場所を探すか。)

(……気を付けろよ。城の中には大勢の兵士がいるはずだ。見つかったら無事じゃ済まないかもしれないぞ……。)

(……ふっ……問題無いさ。私にとって厄介なのはお前1人だからな。さっさと済ませて大人しくしてもらおうか?)

(……。)

ノートは地下へと向かう階段を見つける為に城の中を探し歩いた。

途中城の中にいる兵士達に見つかったが全く相手にならず一瞬で片ずけていた。

そしてノートは城の中の地下へと繋がる階段を見つけた。

その階段を降りて行くと地下に研究所と思われる小さな部屋があった。

(……ここか……ではさっさと済ませてしまおうか。準備は良いな?)

(……ああ……慎重に頼むぞ……。リオーネが助かれば俺はお前の言う通り大人しくするから……。)

(……約束だぞ。それではさっさと済ませてしまおうか。では行くぞ。)

ノート達は研究所のドアを開けて中へと入って行った。

ノート達が研究所の中に入るとその部屋は非常に複雑な構造をしていて最先端の技術が揃えられた研究施設になっていた。

(……見事だな……人間でもここまで近付く事が出来るのか……。)

(……ああ、このルヴァン王国は高度な文明を作って国を大きく反映させてきたんだ……。奴等どんな攻撃を仕掛けてくるか分からない。気を付けろよ。)

(……誰に物を言っている。お前は大人しく見ていればいいだけだ。)

ノートは研究所の中を散策してリオーネの居場所を探し出した。

研究所の中は人の姿が全く見当たらず不気味な位静かだった。

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