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エイル達がジェンドが戻って来るのを待っていると突然レイドが意識を取り戻して起き上がった。

「……くっ……一体何だったんだ?……くっ!まだこいつ等を片ずけられてなかったな!貴様等!覚悟しろよ!……⁉︎ぐわぁ!……くっ……またかよ……。」

(……ダメだよレイド。彼女達は君の仲間なんだよ。彼女達が僕の下に君を連れて来てくれる。それまでの間少し大人しくしておいて。」

「……⁉︎くそっ……。」

サラマンダーの力なのかレイドはまた意識を失うと、そこから先は中々起き上がってこなかった。

(……多分これで僕の所に辿り着くまではレイドが起き上がる事は無いはずだよ。……皆んな、急いで。僕もレイドを傷付けるのは嫌なんだ。早くレイドを僕の所へ連れて来て。)

サラマンダーの言葉を聞いたシルフは、皆に急いでサラマンダーの下へレイドを連れて行くように促した。

「皆んな、早くレイドをサラマンダーの所へ連れて行ってあげて。サラマンダーは本当に困ってるんだ。早くジェンドを迎えに行こう。」

すると事態を察したゼックスが気を利かせてレイドを運ぶと言い出した。

「分かった……ではレイドは俺が背負って行こう。急いでいるんだろ?じゃあ早くジェンドとかいう男の所へ案内してくれ。」

「うん、分かった。ありがとう、ゼックス。」

するとゼックスはレイドを背負った後、早く行くようにシルフを促した。

「なに、俺の事は気にしなくて良い。それよりも早く行こう。俺の準備は出来てるぞ。」

「……分かった。じゃあすぐにジェンドの所まで案内するね。」

ジェンドの所まで行く為にエイル達はシルフの後を付いて行った。

シルフがノームの居場所を確かめながら飛んでいると、森の奥深くで動きが止まっているノームの存在を確認した。

「ノームがこの近くにいるよ。早く行こう!ジェンドもそこにいるはずだ!」

シルフの言葉を聞いたエイル達は急いでその場所まで走って行った。

エイル達がシルフに連れられた場所に着くと、そこには木の陰に隠れながら縮こまっているジェンドの姿があった。

ジェンド達の姿を見つけるとシルフが急いでサラマンダーに言われた事をノームに話し出した。

「……ノーム!サラマンダーの話は聞いてたでしょ⁉︎早くレイドをサラマンダーの所まで連れて行ってあげなきゃ!早くジェンドを説得してよ!」

「……うむ……分かっておるのだが……中々ジェンドが話を聞いてくれなくてな……。どうしたものか……。」

シルフ達の話を聞いてもジェンドは全く聞く耳を持たず話を聞き入れる様子が無かった。

「……僕には関係無いだろ!何がノートを倒すだ!勝手にやってろよ!僕を巻き込むなよ、そんな事に!」

「……。ノーム……早くジェンドを説得してよ。レイドは苦しんでるんだよ。早く助けてあげようよ。」

「……。」

ジェンドをどう説得して良いか分からず皆困り果てていたが、事態を重くみたノームは覚悟を決めたかのようにジェンドに話を始めた。

「……おい、ジェンド……そなたのせいでこれだけの人間を困らせているのだぞ……それなのにまだそなたは逃げ続けるというのか?……もしそなたが考えを改めないというのなら私も別の方法を考えなければならんのだぞ?それでも良いのか?」

「……何だよ?一体どうするって言うんだよ?だから僕には関係無いって言ってるだろ!行きたいならお前達だけで勝手に行けば良いだろ⁉︎僕を巻き込むな!」

「……。」

ジェンドを説得するのが難しいと判断したのか、ノームは目を閉じるとジェンドの意識の中に働きかけた。

するとジェンドが突然苦しみ出してその場に倒れ込んだ。

ジェンドが気を失うとノームは申し訳無さそうにシルフ達に言った。

「……すまなかったな。私がジェンドをちゃんと説得出来なかったせいでそなた達を随分困らせてしまったな。……ただ今はのんびりしている暇はないのであろう?早くサラマンダーの所へ向かうぞ。」

「うん、そうだね。じゃあ早くサラマンダーの所へ向かおう。誰かジェンドを運んでくれないかな……?僕達は人間に触れる事が出来ないから……。」

するとゼックスが担いでいたレイドを降ろしてシルフに言った。

「俺がそいつを運ぼう。レイドよりもそいつを運んで行く方が大変だろうからな。お前達は3人で手分けしてレイドを運んでくれ。さっさと行こう。またいつレイドが起きるか分からない。」

するとレイラがレイドの事を持ちあげようとした後、エイル達に早く手伝うように言った。

「くっ……何をしておる⁉︎さっさと手伝ってくれ。早くサラマンダーの所へ行かねばならんのだろ⁉︎こんな所でもたもたしている暇はないぞ!」

「……あ、はい、分かりました。あの、院長様……早く手伝いましょう。この人を早く精霊の所へ連れて行ってあげなきゃ。」

「……ええ、そうね。分かったわ。じゃあ手分けして持ち上げるわよ。いくわよ、せーの。」

3人がレイドを持ち上げた後、準備が出来たエイル達はサラマンダーがいる場所へ向けて出発した。

エイル達は最後の精霊のサラマンダーがいる場所まで無事辿り着く事が出来るのだろうか?

そしてレイドを待ち受けている火の試練とは一体どんなものなのだろうか?

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