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ジェンドは残った食料を何とかやり繰りして村まで辿り着いていた。

ジェンドは村に着くとすぐに食料を調達しに店へと向かった。

店で金貨1枚分の食料を買った後ジェンドは母に薬草を届ける為に急いでドグールの城へと向かった。

数日歩き続けるとジェンドはドグールの城に到着し、急いで母の下に薬草を届けに行った。

ジェンドが母が眠っている部屋まで走って行くと、部屋の中に入って来たジェンドを母が微笑ましい顔で見ていた。

「おかえり、ジェンド……もしかして薬草を持ってきてくれたの?」

「はぁっ!はぁっ!はい、母上。これが母上を治す為の薬草です。早くこれを飲んで良くなって下さい。」

「ありがとう、ジェンド……今その薬草を飲む事にするわ。こっちに持って来てくれるかしら?」

「分かりました。今そちらまで持って行きます。」

ジェンドが母の下に薬草を持って行くと、母はその薬草をすり潰して口の中に入れた。

「ありがとう、ジェンド。これできっと良くなるわ。あなたのおかげで元気になれるわね。」

「いえ……母上、本当にすみません。僕がもっとちゃんとしていればこんなに遅くならなかったのに……これからはもっと早く行動するようにしますから。だから……僕を許して下さい、母上。」

「……そうね……あなたはもっと早く行動する事が出来たかもしれないわね。そうする事があなたにとっても1番大事なの。私は薬草を持って来てくれたのがあなたという事だけで嬉しいけどそれでは本当にあなたの為にならないわ。あなたは私の事を思ってくれていたかもしれないけど実際に動く事がなければ何の解決にもならないの。今度からはどんなに大変な事でもあなたにとって必要な事ならすぐに行動してね。分かった?」

「……母上……分かりました。今度からはどんなに大変な事でもすぐに行動に移すようにします。……だから母上は今はゆっくり休んで早く良くなって下さい。」

「分かったわ。……ありがとう、ジェンド。あなたのおかげできっと私の病気は良くなるわ。だから今はゆっくり休ませてもらう事にするわ。」

「……母上……おやすみなさい。早く良くなって下さい。」

「ええ……ありがとう、ジェンド。」

ジェンドが持ってきた薬草を飲むと母はゆっくりと眠りについた。

すると突然ジェンドの周りを眩い光が包み込んだ。

次の瞬間ジェンドが目を開けると土の洞窟の中に戻って来ていて、ジェンドの目の前に土の精霊が浮いていた。

「良く試練を乗り越えた。我が名はノーム。さぁ私と一緒にノートを倒しに行こうぞ。」

「……ノートを倒しに行く⁉︎一体何を言っているんだ⁉︎」

ジェンドはノームが言っている事を良く理解出来ておらず、驚いた表情をしていた。

ジェンドの様子を見たノームは事態を察したのかジェンドに分かるように説明を始めた。

「今現実世界ではノートが復活しておる。そなたもノートの姿は見ただろう?ノートが復活してしまった今ノートを封印出来るのはそなた達精霊の使い手だけなのだ。ジェンドよ、そなたは精霊の使い手として選ばれた人間なのだ。さぁ、恐れを捨てよ。そなたの使命を今こそ果たすべき時なのだ。」

ジェンドはノートを倒さなければならないと言われたのが信じられなかったのか、ノームの要求を聞き入れようとはしなかった。

「そんな……何で僕がそんな事しなくちゃならないんだ……。第一ノートが復活したなんて僕には何の関係もないだろ⁉︎それなのに……世界の為に僕にノートを倒せだって⁉︎勝手な事ばかり言うなよ!僕が困っていたって何も助けなかったくせに……自分だけ助けろって言うのか⁉︎そんな事する訳ないだろ!」

ジェンドは余程腹が立っているのかジェンドの要求を全く聞き入れようとはしなかった。

しかしノームはジェンドの言っている事を全く相手にしなかった。

「……ジェンド、早く外に出るのだ。他の精霊の使い手達た合流してノートの所に向かうぞ。時間が無いのだ。話なら後で聞こう。さぁ外に向かうぞ。」

ノームが勝手に外に向かって飛んで行ったのでジェンドは仕方なくノームの後を付いて行くしかなかった。

「……何だよ……くそっ!」

洞窟の外に出るとノームがジェンドに向かって話しかけてきた。

「……待っておれ。今他の精霊の使い手達がどこにいるか探し出す。精霊と一緒にいれば居場所が分かるはずだ。」

「……勝手な事するなよ!僕は行かないぞ!行きたいなら勝手に1人で行けよ!」

ノートを倒す気など全く無いジェンドはその場に座り込んでノームの話に全く取り合おうとはしなかった。

「……ジェンド……そなたという男は……何故自らの使命を受け入れる事が出来んのだ。これはそなたに与えられた使命だ。避けて通る事など出来んのだぞ。」

「何が使命だ。僕には関係無いだろ。勝手にやってろよ。」

「……そうか……では私もこの場所で他の精霊の使い手達がそなたを迎えに来るのを一緒に待つとしよう。他の者達が来ればそなたの気も変わるかもしれんからな。」

「……変わるもんか。勝手にやってろよ。僕はここで休んでるからな。」

そう言うとジェンドはその場に寝転んで昼寝を始めてしまった。

果たしてジェンドはレイド達が来て気が変わる事になるのだろうか?

そしてジェンドは自らの使命を果たす決断をする事が出来るようになるのだろうか?


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