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レイラが屋敷の中にこもって2カ月余りの時間が過ぎようとしていた。

レイラは屋敷の中にある食料を食べて生活していたが食料が底をついたので買い物に行くと、アコラの町に住む人々全員からそっけない態度を取られた。

最初は元の世界に戻る為に色々調べようとしていたがレイラがアコラの人々に水の洞窟の話を聞いても誰もレイラとは話をしようとはしなかった。

レイラは1人で水の洞窟を探すだけ探してはみたが水の洞窟の手がかりすら見つける事は出来なかった。

そうこうしているうちに外に出る事が嫌になったので屋敷の中でだけ生活するようになったが、食料だけは無くなるので食料が無くなった時だけ仕方なく外に出て買い物に行くような生活を送っていた。

その日も食料が尽きかけていたのでレイラはアコラの市場まで出向いて食料品を調達しに行った。

市場に着くと商品を手に取って恐る恐る店の店主に渡した。

すると店主は顔をしかめながら商品を受け取って言った。

「何だレイラか……これを買うのか?」

レイラとは店主の対応に不満を感じていたが仕方なく返事をした。

「……ああ、それを頼む……。」

店主はレイラから商品を受け取るととても嫌な顔をしながら会計をした。

レイラが代金を渡しても店主はお釣りを渡す時ですらお礼を言う事は無かった。

レイラはそんな店主の態度を見てももう諦めているのか、商品を受け取って何も言わずに店を後にした。

レイラはいくつかの店を回って必要な物を買い集めるとすぐに屋敷へと戻って行った。

そうしてレイラは屋敷の中で食料が無くなるまでただ生活するだけという日を続けた。

レイラは屋敷の中で1人で生活している間ずっと水の洞窟に入った事を後悔していた。

「……何故じゃ?何故わらわがこんな世界に降り続けなければならぬ?……おのれウンディーネ!わらわを嵌めるとは一体どういうつもりだ⁉︎さっさと出て来い!いつまでこんな事をしているつもりだ⁉︎こんな事をしていてもノートを倒す事等出来ぬではないか!おい!ウンディーネ!聞こえているなら返事の1つでもしたらどうだ⁉︎」

しかしレイラの呼びかけにウンディーネが答える事は無く、その日もまた1日だけが終わろうとしていた。

「……またか……?もう良い……このままわらわをここから出さぬというのなら好きにすれば良い……。勝手にせい……本当の世界がノートに破壊された後では遅いからな?」

レイラがどれ程ウンディーネに語りかけてもこの世界に迷い込んでから1度たりともウンディーネが語りかけてくる事は無かった。

「……本当にどうなっても知らぬぞ!お主のわがままで世界が滅んでも良いと申すか⁉︎わらわは本当に知らんからな⁉︎」

しかし何度話しかけてもウンディーネから返事が返ってくる事は無く、レイラはその日もふてくされながらベッドの中へと入った。

「……もう良い……勝手にせい……わらわはもう疲れた。さっさと寝る事にしようかの。」

レイラはそう言っていつもと同じようにベッドの中へ入るとさっさと眠りについてしまった。

それから何日も何日も同じような日が続いたがウンディーネから返事が返って来る事は無くレイラは途方に暮れるしかなかった。

レイラが水の洞窟に入ってしばらく経った頃レイド達がアコラに到着しようとしていた。

レイド達を乗せた船はアコラのすぐそこまでやって来ていて、レイド達はアコラに足を踏み入れようとしていた。


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