表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誇りを持って生きよう!  作者: kucheat_love
1/3

2 誇りを持って先輩!

じーーと、部室の扉を見つめていた僕と結城はガラッと開いた瞬間反射的に

身構えた。ビクッと体が震えたが、その声は春に辞めた現在3年生の先輩で霊城先輩と

全国3位まで登り詰めたチームの一員だった人、河合隼人(かわいはやと)先輩であった。


音楽室の真上の4階の隅にある音楽準備室の看板が掛かっていて

ボロくさいこのゲーム部室にはとても立ち寄りにくい雰囲気がある。


先輩は校内の自販機で買ったと思われる水を4本両手の指の間に一本づつ挟んで

それを僕らに見せた。

「よう、元気か?」

なんだ一瞬期待して損した。

「ったく、霊城の野郎また来てないな。廃部寸前だっていうのに」

と先輩は言った。そして机に水を置くと

「一杯やろうぜ。」

と言った。僕らはありがたく一つの学級机の回りに椅子を置いた。


この部室は狭くて音楽室の4分の1程度しかない。

ソファが2つ中央に置かれていて、その中心部にソファぐらいの長さの

机があるのだ。それとゲーム用のPCが6台ほど部屋の隅に並べられていたが、

2つ売り払ってしまった。ゲーム用PCには去年は色々なデコレーションなどをしてあったり

専用の椅子が置いてあったりしたが自己経費でほとんど卒業した先輩のものだったので

ほとんどなくなっていまは最低限のものしかない。

デコレーションは霊城先輩がよくしてあるのでマウスパッドや色々な

ものがまだ萌えキャラに染まっている。


「どうだい調子は?」

と訪ねてきた。結城は最速で

「最悪です。誰も来やしない!」

と酔っぱらいのように言ってガブガブと水を遠慮する素振りも見せずに飲んだ。僕も続けて

「そうだそうだ!俺達頑張ってるってのによぉ~」

と言った。それから先輩の質問に答える形の愚痴会へと発展していった。

そんな愚痴会が順調に進行していく中、時間だけが過ぎていき時計をみると

愚痴会を始めたのが13時だったのにいつの間にやら16時になっていた。

だんだんとその雰囲気を感じ愚痴は収まっていき、ついには無言になり結城が

上靴で床をコツコツ....と鳴らす音だけが響いていた。

そんな状況で河合先輩が口を開いた。

「明日だな」

そう、部活勧誘は明日もあるのだ。悲観的になる必要はない筈だ、が

ほとんど1日目で入る部活を決めてしまうのだ。

そんなこんなでいたら、ガラッと扉が開いた。あまり期待していなかったら霊城先輩であった。

結城は「先輩ちーす」

と軽く挨拶した。本当に存在感がなく暗いのが霊城先輩である。色白で細々とした

身体は女性の面影すらある。霊城先輩は僕らに会釈してこっちによってきた。

河合先輩は霊城先輩に向かって

「まだ、"影の黒幕"の面影があるな」

と言った。"影の黒幕"FPSで裏とりが場違いに上手いことからその名がついた。

「やぁ、"冷徹の狙撃手"」

と霊城先輩こと影の黒幕は無表情で言った。ちなみに河合先輩の2つ名は

冷徹の狙撃手。相手の裏とりをスナイパーで逃がさず潰していくことからついた。

とは言ってもこの2つ名は先輩たちが好きで呼び合っているもので決して有名ではない。

大会のダークホースとして扱われたが、そんな呼び方は他の誰からもされなかった。

この2つ名をつけたのが、ゲーミングデバイスに詳しい白零(はくれい)先輩であり、

ある意味絶望的なネーミングセンスが気に入られたようだ。


水を皆で飲んでいたら16時半結城が口を開いた。

「久しぶりに。FPS、やりませんか?」

皆どうやらやりたかったようで河合先輩いいねぇ!!と声をあげ、霊城先輩は

心なしか表情が緩んだ気がした。


4つのパソコンの前に4人が並ぶ。なかなか久しぶりだ。結城と僕とでしか、最近やっていなかった。

パーティーを組んでチームデスマッチを選択。

それからは時間を忘れて没頭していた。

「流石霊城先輩。27/2!?ポケモンやってんじゃないんすか!?」


そんなこんなで18時。結城が帰ると言い出したのでここで自然解散の流れになった。

皆帰っていき僕が一番最後置き去りなペットボトルのゴミを持ってに部室を出た。


すると、部室をでてすぐ右にある段ボールの山が崩れてきた。見事な奇襲。

僕は避けることができる筈もなく、段ボールの下敷きになった。

段ボールがずっしりとした重みを持っている。なにか入っているのかと思ったら

「す、すみません......」

と段ボールの上から声が聞こえる。

「おっもー」

と僕は段ボールをどけながら体を起き上がらす。起き上がらしたら

華奢な体格の少女と目があった。30cmぐらいの距離で10秒ぐらい固まった。

僕はどうしていいか分からずなんとなく小学生ぐらいだと思ったから、ロリコン

の血が反応し、

「何歳?何カップ?」

と聞いた。あれ何いってんだ僕は.....。するとその女の子は

「15歳。Aカップでう。」

と答えた。呂律が回らなかったのは僕の質問に驚いたからであろう。

「迷子?」

と聞いた。

するとその少女はなんと言っただろう?そう、入部希望です。

と言ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ