第02話 「神としての名・変わり行く周りの景色」
作者撃沈!
「・・・」
外は暗く、雪はシンシンと降る冬の夜。雪の上には一人の足跡。
村は静か、人々は寝ている時間帯。狐の妖怪は、村の周りを歩いていた。
「ふぅー、寒い………」
やっぱり人型になると寒いな~。
狐に戻ると視界が低くなっちゃうし………。
『雪が降るなかの月は、やっぱり綺麗だな~』と思いつつ歩く。
「今日は、そんなに妖怪が来なくて助かる。」そんな独り言を言いながら。
私の足元には、あいつらの死体が点々と転がってる。
それらは村の倉の穀物を狙って来たが、私に見つかったためこんな風になっている。
あいつらを1ヶ所に集め、火を付ける。死臭がすごいが我慢する。
ついでに見つけた鼠を食べつつ温まる。
雪が止んできた。
月の光りに照らされながら『酒でも持ってくれば』と思いつつ、ふと前の方から人らしき者が来る。
男のようだが此処に来るのは初めてのようで、周りを見ながら歩いている。
ふと、私に気付いたようで此方に近づいて来た。
男は私の身なりを見ながらこう言ってきた。
「お主妖怪だな、妖怪が村の近くで何をしておる」
「私は、他の妖怪から村を守ってるだけ」
「妖怪のお主が村を守るか、面白い奴じゃのぅ。儂を見ても恐れないとは」
はて?なんの事だろう。そんなことより………
「私は『お主』じゃありません」
「おお、そうだ名を聞いておらんかったのぅ。儂の名は『スサノオ』最近、此処『根之堅洲國』に住み始めた者じゃよ」
「私は、ミクラ。生まれつき目が赤く毛が白い狐の妖怪で九尾」
「『目が赤く毛が白』とはのぅ。しいてミクラからは、妖力以外に神力も感じるがのぅ」
「ジ、ジンリョク?」
「ミクラは神力を知らぬのか?」
「・・・はい」
「知らぬとは・・・。神力とは、人間からの信仰から生まれる力。例えば、感謝かのぅ」
「感謝ですか。感謝なら普通にされてましたが」
「ふむ、たぶんそれが元じゃろうな」
ふと気づくと月はいつの間にか沈み、日が出てきた。日が出たことにより、よりいっそう寒くなってきた。
「寒くなってきたのぅ。ミクラ、何処に風を防げる所はあるかのぅ?」
「あ、はいありますよ。此方です」
と、言いつつ私の家に向かった。
◇
今は、洞窟で暖をとっている。体が暖まってきた頃、スサノオは話し掛けてきた。
「此処は良い洞窟じゃ。ミクラは、此処に住んでおるのか?」
「はい!生まれは判りませんが、育った所は此処です」
「判らぬとは?」
「おそらくですが、私のみためが元で捨てられたんだと思います」
「聞いて悪かったのぅ。ミクラの名は何処で?」
「先程の村の人々から貰いましたよ」
「そうか。さっきから質問ばかりで悪いが、二つばか聞いても良いか?」
「え?あ、良いですよ」
「1つ目は、ミクラの『神としての名』を儂が決めて良いかのぅ?」