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東方白狐録  作者: 白狐さぐじ
第1章 神話時代
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第02話 「神としての名・変わり行く周りの景色」

作者撃沈!

「・・・」



 外は暗く、雪はシンシンと降る冬の夜。雪の上には一人の足跡。

 村は静か、人々は寝ている時間帯。狐の妖怪は、村の周りを歩いていた。


「ふぅー、寒い………」

 やっぱり人型になると寒いな~。

 狐に戻ると視界が低くなっちゃうし………。


『雪が降るなかの月は、やっぱり綺麗だな~』と思いつつ歩く。

「今日は、そんなに妖怪が来なくて助かる。」そんな独り言を言いながら。




 私の足元には、あいつら(狼妖怪)の死体が点々と転がってる。

 それらは村の倉の穀物を狙って来たが、私に見つかったためこんな風になっている。

 あいつら(狼妖怪)を1ヶ所に集め、火を付ける。死臭がすごいが我慢する。

 ついでに見つけた鼠を食べつつ温まる。




 雪が止んできた。

 月の光りに照らされながら『酒でも持ってくれば』と思いつつ、ふと前の方から人らしき者が来る。

 男のようだが此処に来るのは初めてのようで、周りを見ながら歩いている。

 ふと、私に気付いたようで此方に近づいて来た。


 男は私の身なりを見ながらこう言ってきた。

「お主妖怪だな、妖怪が村の近くで何をしておる」


「私は、他の妖怪から村を守ってるだけ」


「妖怪のお主が村を守るか、面白い奴じゃのぅ。儂を見ても恐れないとは」


 はて?なんの事だろう。そんなことより………

「私は『お主』じゃありません」


「おお、そうだ名を聞いておらんかったのぅ。儂の名は『スサノオ』最近、此処『根之堅洲國(ねのかたすくに)』に住み始めた者じゃよ」


「私は、ミクラ。生まれつき目が赤く毛が白い狐の妖怪で九尾」


「『目が赤く毛が白』とはのぅ。しいてミクラからは、妖力以外に神力も感じるがのぅ」


「ジ、ジンリョク?」


「ミクラは神力を知らぬのか?」


「・・・はい」


「知らぬとは・・・。神力とは、人間からの信仰から生まれる力。例えば、感謝かのぅ」


「感謝ですか。感謝なら普通にされてましたが」


「ふむ、たぶんそれが元じゃろうな」


 ふと気づくと月はいつの間にか沈み、日が出てきた。日が出たことにより、よりいっそう寒くなってきた。


「寒くなってきたのぅ。ミクラ、何処に風を防げる所はあるかのぅ?」


「あ、はいありますよ。此方(こちら)です」

と、言いつつ私の家(あの洞窟)に向かった。





今は、洞窟で暖をとっている。体が暖まってきた頃、スサノオは話し掛けてきた。


「此処は良い洞窟じゃ。ミクラは、此処に住んでおるのか?」


「はい!生まれは判りませんが、育った所は此処です」


「判らぬとは?」


「おそらくですが、私のみためが元で捨てられたんだと思います」


「聞いて悪かったのぅ。ミクラの名は何処で?」


「先程の村の人々から貰いましたよ」


「そうか。さっきから質問ばかりで悪いが、二つばか聞いても良いか?」


「え?あ、良いですよ」


「1つ目は、ミクラの『神としての名』を儂が決めて良いかのぅ?」


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